過熱する「AI検索」の覇権争い【第4回】
「Bard」は結局「ChatGPT」と何が違うのか? “後追い”ではない理由
先行するOpenAIの「ChatGPT」に対抗するため、Googleは独自のAIチャットbot「Bard」を生み出した。同社がBardに懸ける思いと“真の狙い”とは。
「これは実験的な会話AI(AI=人工知能)サービスだ」――。GoogleのCEOスンダー・ピチャイ氏が、同社公式ブログのエントリ(投稿)でこう説明したのが、AIチャットbot(AI技術を活用したチャットbot)の「Bard」だ。
ピチャイ氏の説明をまとめると、BardはAIベンダーOpenAIのAIチャットbot「ChatGPT」と同じことができる、ということになる。ただし違いもあり、それこそがBardの強みになるというのが、Googleの見解だ。
BardはChatGPTとは“これ”が違う
併せて読みたいお薦め記事
連載:過熱する「AI検索」の覇権争い
- 第1回:「BingがGoogle検索に勝つ日」がまさかの現実に?
- 第2回:ChatGPTに夢中のMicrosoftナデラ氏が語る「AIチャットbot」の“本当の意味”
- 第3回:ChatGPT競合「Bard」をGoogleが“絶対に成功させないといけない”のはなぜ?
ジェネレーティブAIを取り巻く動き
インターネットから知識を引き出し、その知識をGoogleが保有する言語モデルと組み合わせて出力する――。これが、ピチャイ氏が説明するBardの主な特徴だ。もう一つの、かつ重要な特徴が、生成する表現の適切さだという。
「Googleは安全性、正確性の確保に努め、事実に基づく結果を提供することに尽力してきた」とピチャイ氏は強調する。これは、攻撃的な単語や差別的な内容などの不適切な表現を取り除くためのワードフィルターを使用しているにもかかわらず、ChatGPTが攻撃的あるいは誤った回答を生成することへのけん制だと言える。
調査会社Opus Researchの創設者兼アナリスト、ダン・ミラー氏は「チャットbotが不得意なことに関して、Googleは『ガードレール』を設置してくれるパートナーシップを強化しようとしている」と話す。これはGoogleが、AIチャットbotの抱える「不適切回答」問題の回避策を生み出すパートナーを探しているということだという。AIチャットbotは、攻撃的あるいは差別的など、不適切な回答を生成する場合があることが分かっている。
「ChatGPTやBardといったAIチャットbotは、詳細情報を知ることには適していない」とミラー氏は指摘する。例えば企業やブランド、製品などの詳細を調べることは難しい。「ChatGPTやBardをコールセンターに導入する前に、解決すべきことはたくさんある」(ミラー氏)
次回は、AIチャットbot市場においてGoogleが出遅れた理由を解説する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
「何も変更していないのにWebサイトがクラッシュ」 そのときの原因は?
-
6
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
7
個人の業務効率化で終わる企業の盲点 AIで成果を出す「上位6%」の手法
-
8
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
9
「何から始めればいい?」 情報漏えい対策で悲鳴を上げる中小企業のリアル
-
10
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
5
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
6
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
10
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー