ジェネレーティブAI(生成型AI)の中でも、特にベンダーの動きが活発なのがAIチャットbotだ。その代表格であるOpenAIの「ChatGPT」と、Googleの「Bard」とは何者なのか。それぞれの基本的な特徴を整理しよう。
人工知能(AI)ベンダーOpenAIのAIチャットbot「ChatGPT」に追随する形で、Googleが2023年2月に競合となる「Bard」を発表した。今やAIチャットbot市場にとどまらず、「ジェネレーティブAI」(生成型AI:テキストや画像などを自動生成するAI技術)市場を代表する存在となったChatGPTと、その対抗軸形成を目指すBard。それぞれ何を可能にするのか。
OpenAIが2022年11月に公開したChatGPTは、対話形式でエンドユーザーの質問(プロンプト)に応答するAIチャットbotだ。同社最高経営責任者(CEO)サム・アルトマン氏によると、ChatGPTは公開後5日間でエンドユーザー数が100万人を突破した。
ChatGPTは、OpenAIが開発した自然言語処理(NLP)モデル「GPT-3.5」「GPT-4」(GPT=Generative Pre-trained Transformer)によって、質問への回答を生成する。ChatGPTで生成できるコンテンツのうち、エンドユーザーから人気を集めているのは以下の通りだ。
教育関係者の間には、作文の宿題をChatGPTに代行させるといった、学習者の不適切な行為を招きかねないとの懸念が広がっている。それを受けてOpenAIは2023年1月、ChatGPTが生成した文章を人間の文章と見分けるためのツール「AI Text Classifier」を発表した。
Bardはエンドユーザーの質問に対し、インターネットから関連情報を抽出した上で、オープンソースのNLPモデル「LaMDA」(Language Model for Dialogue Applications)を使って回答を生成する。GoogleはBardの開発に当たり、必要な処理リソースを抑えて短時間で回答を生成するために、LaMDAの軽量版を投入した。Googleは2023年2月にBardを発表し、3月に米国と英国で一般公開した。
検索結果を一覧として表示する検索エンジンと違い、BardはAmazon.com「Alexa」やApple「Siri」といった音声アシスタントと同様、回答形式で情報を提供することが主な目的だ。回答の下には関連リンクも表示し、エンドユーザーが知識を深められるようにしている。Googleは今後、Bardに宿泊の予約や献立ができる機能も備えるという。
後編は、ChatGPTとBardの主な違いを説明する。
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