壊れるSSDと上手に付き合う【第1回】
「SSD」が故障する前に“余命”を知る方法
重要なデータを「SSD」で扱うのであれば、SSDが突然故障する事態は避けなればならない。それに役立つ、SSDの余命を知るための機能とはどのようなものなのか。
「SSD」に寿命があることは、ストレージの利用において考慮すべき基本的な点の一つだ。SSDにも「HDD」と同様に、摩耗の現状を把握する手段があることは、それほど広く知られていない。SSDの“余命”を把握する手段とは、どのようなものなのか。
SSDの「S.M.A.R.T.」で何が分かるのか
SSDはデータを書き込むごとに摩耗するので、使用できなくなる状態はいずれやってくる。それを把握するために使えるのが、「S.M.A.R.T.」(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology)という、SSD内部の状態を表す自己診断機能だ。
内部の状態を表すさまざまな数値は「S.M.A.R.T.属性」と呼ばれる。IT管理者やエンドユーザーはその数値を見ることで、書き込み量や摩耗状態を把握して、「あとどれくらいSSDを使い続けられるのか」を把握できる。
S.M.A.R.T.属性は、SSDのコントローラーがNAND型フラッシュメモリを管理するための統計情報だ。コントローラーは、以下のような仕組みを使い、NAND型フラッシュメモリの摩耗状態を管理する。
- ウェアレベリング
- 書き込みを各ブロック(データの記録領域をまとめた単位)に分散させることでメモリセルの寿命を延ばす
- 不良ブロック管理
- 不良が出ているブロックを検出する
コントローラーはこうした各種の管理情報を追跡すると同時に、SSDがどの程度のデータ量を処理し、問題が発生するまでにどの程度のデータ量に耐え得るのかといった状況を把握する。
HDDで始まった「S.M.A.R.T.」
S.M.A.R.T.は、もともとはHDDが搭載し始めた機能だった。SSDが登場し、SSDもS.M.A.R.T.の機能を搭載するようになる中で、広く使われるようになってきた。
HDDの場合は、IT管理者やエンドユーザーがHDDの内部構造や摩耗の仕組みを十分に理解していない限り、HDD内の統計情報を正しく理解することはできなかった。
SSDは、可動式のさまざまな内部部品を搭載するHDDと比べて、摩耗のメカニズムが分かりやすく、S.M.A.R.T.属性も理解しやすい。IT管理者やエンドユーザーは、S.M.A.R.T.属性を取得することができれば、書き込み数や不良になったブロックを確認するなど、内部状態をすぐに把握できる。
第2回は、SSDとHDDの「どちらが故障しやすいのか」といった論争がある中で、S.M.A.R.T.が発展してきた経緯を紹介する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] AI活用を成功へ導く、シンプルで費用対効果に優れたクラウド基盤とは? -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] マネージドKubernetesには限界も――メリットをフル活用する新たな選択肢とは? -
技術文書・技術解説
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] 決断の日が迫る「vSphere 8」サポート終了問題 考慮すべきリスクと選択肢は? -
製品資料
[サイバーソリューションズ株式会社] メール誤送信対策のルールが肥大化 苦しむ情シスはどうすれば救われるのか? -
事例
[横河レンタ・リース株式会社] AIの全社活用が加速 トヨタ・コニック・プロに学ぶ「AI PC調達」の秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
3
「アップグレードできないJava」をどう守る IBMとRed HatがAIで400件超修正
-
4
Copilot導入で陥る“目的化”の落とし穴 定着の鍵は「作り込まない」こと
-
5
パッチなしで「今すぐサーバを落とせ」 Kiteworks異例警告の波紋
-
6
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
-
7
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
「企業におけるAI導入検討度とIT投資優先度」に関するアンケート
-
10
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
2
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
3
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
6
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
7
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
8
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
9
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
10
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー