“古いCOBOL”をやめない理由を説明できるか?:レガシーシステムがなくならない6つの理由【第6回】
レガシーシステムを稼働させ続けているのは、なぜなのか。その問いに対する明確な答えが思い浮かばないとすれば、それはレガシーシステムの“真実”が見えていない可能性がある。
刷新を先延ばしにし、レガシーシステムを使い続けている企業は珍しくない。その背景にはレガシーシステムに対する、さまざまな誤解や見落としが存在する。それは何なのか。企業がレガシーシステムを使い続ける6つの理由のうち、5つ目と6つ目を紹介する。
理由5.コストが見えない
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連載:レガシーシステムがなくならない6つの理由
- 第1回:世の中には「2種類のシステム」しかない――レガシーか、レガシー以外か
- 第2回:“古いCOBOL”が動き続けるのは「単に動くから」である可能性
- 第3回:脱COBOLが難しい“深刻な事情” 「止められない」からやめられない
- 第4回:COBOL離れどころか“レガシー依存”がなくならないのは「手間だから」
- 第5回:「古いCOBOLをやめる予算」がない――“レガシー依存”企業の本音
レガシーシステムにどう向き合うか
企業の経営陣は総じて、レガシーシステムが自社のDX(デジタルトランスフォーメーション)の妨げになっていることを認識している。一方でレガシーシステムの維持に掛かるコスト(TCO)を正確に把握できている経営陣は、決して多くはない。
IT調査会社Info-Tech Research Groupのプリンシパルリサーチディレクター、スニール・ゲイ氏によれば、経営陣は通常、利益や顧客満足度を基準に判断を下す。コストが分からなければ、レガシーシステムを維持することによる損失が見えない。その結果、レガシーシステムを刷新するモチベーションが生まれにくくなる。
理由6.リスクが見えない
企業はレガシーシステムに関連するリスクを見過ごしたり、過小評価したりすることがある。レガシーシステムがビジネスにもたらすリスクを十分に検討していない経営陣は、レガシーシステムが正しく機能していることを確認するだけで、取りあえず安堵(あんど)してしまう。
レガシーシステムは“なくせないシステム”、つまり企業の根幹を支えるシステムであることが珍しくない。こうしたレガシーシステムに問題が生じた場合、事業継続の危機が生じる可能性がある。
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