中小企業は小回りで勝負
モバイルCRMに目を向けるSMB
BlackBerryなどの携帯端末を使い、モバイルCRMを活用する中堅中小企業が増えている。
チャック・エドワーズ氏は、BlackBerryが自分の事業に欠かせないと思っている1人だ。そして同氏にとって、BlackBerryはCRMシステムにアクセスする手段ともなっており、同じような中小企業経営者が増えている。
エドワーズ氏は、データベース管理・オペレーティングシステムサポートを手掛ける米Blue Geckoの社長として、常に顧客と連絡を取る必要がある。Blue Geckoはホスティングサービスを運営しており、顧客のシステムに問題があれば、すぐに同氏に連絡が来なければならない。
「当社の業務では、顧客がわれわれを必要としているときに対応できることが大きな要素になる。顧客にとって最悪なのは、サポート部門に電話して混乱した印象を与えてしまうことだ」とエドワーズ氏。
Blue Geckoの顧客の多くは社長であるエドワーズ氏にまず電話を掛けてくる。同氏はその電話を適切なサポート要員に回す必要があるが、今ではこれをCRM経由でできるようになり、CRMには自分の携帯端末からアクセスが可能だ。
エドワーズ氏は、NetSuiteのオンデマンドアプリケーション経由でCRMとERPシステムを運営している。NetSuiteのアプリケーションは2007年5月、サードパーティーのアプリケーションデベロッパーを通じてBlackBerry、Windows Mobileデバイス、Palm Treoからもアクセスできるようになった。オンデマンド、つまりサービスとしてのソフトウェア(SaaS)CRMベンダーが、モバイルに向かう動きは加速している。2006年にはSalesforce.comとEntelliumがモバイルバージョンをリリースした。モバイルCRMで収益増大を狙っているのは明らかだ。
モバイル機能のメリットを活用する中堅中小企業(SMB)は増えている。米Compass Intelligenceの最近の調査では、米国企業がモバイルアプリケーションに費やす額は、2007年は38億ドルだったが2011年までに約90億ドルとなる見通しだ。この額の38%をスモールビジネスが占めている。加えてCRMはモバイルアプリケーションの主流になる見通しだ。
NetSuiteはBlue Geckoにとって記録のためのシステムとなっている。しかしモバイル導入率は低い。15人の従業員のうち、モバイルクライアントを使っているのは3人のみだ。
「当社は顧客情報を記録するシステムとしてNetSuiteへの依存を強めている。従って情報の正確さが極めて重要だ。サービスレベル契約を逃してしまう可能性だってある。情報を入手し、その情報の正確性を期すことは最重要課題だ」(エドワーズ氏)
NetSuiteのモバイルアプリケーションは、自社のカスタマイズプラットフォームであるSuiteFlexを基盤として構築され、それぞれのモバイルプラットフォームに合わせている。NetSuiteはバックエンドERP機能も提供しており、注文管理や売掛金といったエンド・ツー・エンドの重要プロセスへのアクセスも提供できると、NetSuiteの製品マーケティング副社長、ミミ・ペレス氏は説明した。
Blue Geckoと同様、住宅ローン仲介業のJTG ProもNetSuiteと同社のモバイルクライアントを利用しているが、JTG Proの導入規模はさらに小さい。ユーザーは経営者のジェイソン・ガードナー氏のみだ。ローンの申し込みはすべてシステムに保存され、携帯端末から直接アクセスできる。
「BlackBerryで1つのアイコンを押せば、自分のコンピュータを使っているような状態になる。わたしは車内にいる時間が長いので、これは素晴らしいことだ」とガードナー氏。
NetSuiteのモバイルアプリケーションは、既存のNetSuiteのサブスクリプション料金に加えてユーザー当たり月間25ドル。CRMのデータ以上のものにアクセスできるのであれば、高くはないと考えるSMBもあるだろう。
米Yankee Groupの顧客中心戦略担当プログラムマネジャー、シェリル・キングストン氏は「無線接続には、電子メールとテキストメッセージのみへのアクセスを上回るニーズがある。今求められているのは、実際のデータにアクセスしてリモートで取引を実施できる機能だ」と話している。
TechTargetジャパンへのご登録はお済みですか?
**「TechTargetジャパン」メンバーシップのご案内**
会員登録を行うことで、300点以上の技術資料がそろったホワイトペーパーや興味・関心分野ごとに情報を配信するメールマガジン、ITmediaや@ITの特集記事がPDFでまとまって読める電子ブックレットなど、各種サービスを無料で利用できます。**会員登録(無料)はこちらから**
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
AIが本番環境を削除し復旧に13時間 「暴走」ではなかったAWS事例
-
2
IT人材の42%が転職予備軍 辞めさせない組織の4つの共通
-
3
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
-
4
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
-
5
「プログラマー不要論」にThe Linux Foundationが示した答え
-
6
SAP保守を分割・離脱も可能に EU承認で変わるECCユーザーの2027年問題
-
7
Microsoft 365の知られざる5つの裏口 パスワードを変えても攻撃者は消えない
-
8
アラート47%削減 オープンハウスが捨てた「全部メール通知」の監視体制
-
9
ニトリHDが基幹システムをOCI移行 DR切り替えを12時間から3時間に短縮
-
10
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
2
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
3
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
6
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
9
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
10
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー