需要予測処理を6時間弱から1時間半に短縮
ニトリHDが基幹システムをOCI移行 DR切り替えを12時間から3時間に短縮
ニトリホールディングスは、オンプレミスの仮想化基盤上で運用していた基幹システムを「Oracle Cloud Infrastructure」へ移行したと発表した。刷新の理由やサービス選定の経緯を紹介する。
日本オラクルは2026年9月15日、ニトリホールディングス(以下、ニトリHD)が店舗販売や配送関連業務などを支える基幹システム基盤を「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)へ移行し、本番稼働を開始したと発表した。
移行後は、主要処理の性能が旧環境比で最大約4倍に向上した。日次で実行する需要予測計算処理は、従来の6時間弱から1時間半に短縮したという。
基幹システムの刷新が必要になった理由の1つは、既存ハードウェアの保守期限満了だ。しかし課題はそれだけではなかった。
OCI移行で挑んだ基幹システム刷新の成果は
ニトリHDは従来、基幹システムのアプリケーションをオンプレミスの仮想化基盤上で、データベースをオンプレミスの「Oracle AI Database」で運用していた。
ニトリHDによると、国内外での店舗展開や事業領域の拡大に伴い、基幹システムで扱うデータ量は増加していた。特に春の需要期には処理負荷が高まり、既存環境の処理能力では余力を確保しにくくなっていたという。さらに、内製した需要予測計算処理や自動発注処理の長時間化も課題だった。
中でも、日次で実行する需要予測計算処理は、処理開始から終了まで6時間弱を要し、始業までに処理が終わらないことがあった。今後さらにデータ量が増えることも見据え、処理能力を拡張できる基盤への移行が必要になっていた。
DBはExadata、アプリ基盤はVMware環境を継続
こうした課題に対応するため、ニトリHDは基幹システム基盤としてOCIを採用した。データベースの基盤には「Oracle Exadata Database Service」(以下、Exadata)を採用し、アプリケーション基盤には「Oracle Cloud VMware Solution」を利用する。
Oracle Cloud VMware Solutionは、VMware環境をOCI上で稼働させるサービスだ。ニトリHDはアプリケーションを稼働させるVMware環境をクラウドへ移しつつ、データベースについてはExadataを利用する構成とした。
ニトリHDは、DR(災害復旧)環境も見直した。本番用データベースのデータ複製機能「Oracle Data Guard」を使い、Oracle Cloudの東京リージョンと大阪リージョン間でデータを継続的に同期する2リージョン構成を採用した。
ニトリHDのCIO、武井 直氏によると、基盤選定では性能、拡張性、安定性、コスト効率を重視したという。
6時間弱の需要予測処理を1時間半に
OCIへの移行後、主要処理の性能は旧環境比で最大約4倍に向上した。特に改善が見られたのが、日次で実行している需要予測計算処理だ。従来は処理開始から終了まで6時間弱を要していたが、移行後は1時間半まで短縮した。これによって、翌日の業務を開始できる時刻も大幅に前倒しできたとしている。
従来の環境で目立っていたデータベースの待機イベントも大幅に減少したという。DR環境への切り替えに必要な運用時間にも変化があった。従来は12時間を要していたが、移行後は3時間に短縮した。本番稼働後に迎えた2026年春の需要期でも、売上やデータ量が増加する中で安定稼働を継続したと日本Oracleは説明している。
運用コストは当初見込みの約8割
今回の基盤刷新では、コスト削減そのものを主目的とはしていなかったという。一方で、選定時には価格性能比を重視していた。移行後の運用コストは、当初見込みの約8割に抑えられたという。
また、春の需要期に性能不足を原因とするシステム停止を回避できたことで、障害対応に当たるIT部門の負荷だけでなく、店舗や物流現場で発生する業務ロスの抑制にもつながった。
本プロジェクトにはSCSKとアシストが参加した。SCSKは基幹システムのインフラ刷新プロジェクト全体の推進とOCI上のアプリケーション基盤構築を支援した。アシストはデータベース基盤の検討と移行を担当した。
本稿は、日本オラクルが2026年9月15日に公開したニトリホールディングス、店舗販売や配送業務を支える基幹システムをOracle Cloud Infrastructureに移行とニトリホールディングス、店舗販売や配送業務を支える基幹システムをOracle Cloud Infrastructureに移行を基に作成しました。
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