回線、インフラ、そして人件費
ネットワーク運用コスト削減のポイント
現代の企業には、高速で効率的なネットワークが必要だ。限られた予算の中で、実用性を損なうことなくネットワークのコストを抑えるための手段を検討する。
現代の企業ならどんな規模であれ、通信と業務システムを支える高速で効率的なネットワークが必要だ。優れた技術によって競争の激しい市場で優位に立てることもある。半面、IT予算は限られており、コストを抑えながら機能を高めるために優れたネットワーク設計が必要になる。実用性を損なわずにネットワーク運営コストを削減するための手段を幾つか見てみよう。
人件費の削減
ネットワークのコストについて考える場合、最初に目を向けるべき最も大切な要素は人件費だ。考えたくない要素ではあるだろうが、ほとんどの大規模ネットワークにとって最もコストがかさむ部分であることは間違いない。コンサルタントがこの問題に取り組みたがらないのは、労働時間の短縮が、時間給で働いているネットワーク担当者の手取りに響くからだ。
顧客の期待に応えるため、大手コンサルタント会社は2つの戦略を採用し、小規模の競合コンサルタントに多大なプレッシャーを与えている。その戦略とは、再利用可能な資産を使ったネットワーク設計のコモディティー化と、ネットワーク技術者の時給が35ドルではなく3ドル50セントの国へのオフショア化だ。
回線の利用削減
次の手は、回線の利用を減らすことだ。それには2つのやり方がある。1つはユーザーを会社のオフィスからホームオフィスに移動させ、コストが比較的安い回線にトラフィックを移すこと。もう1つはRiverbed TechnologyやCisco Systemsなどが提供しているWAN最適化コントローラ(WAAS)を利用することだ。しかし、会社にはそれぞれ違った理念や業務上のニーズがあり、ひとくくりに言うことは難しい。
もっと安いハードウェアの購入
評判の良くない安価なハードウェアを利用することで経費を削減することもできる。Cisco製品よりも大幅に安い値段でルータやスイッチを売りたがっている二流のハードウェアメーカーはいくらでもある。中古市場やオークションサイトで中古製品を買ってもいい(これはかつて相当の値引きがあったが、今はそれほどでもなくなっている)。低価格のネットワークに徹底的にこだわるなら、近所のショッピングセンターで手に入るSOHO機器を使う手もある。
しかし本当にそうすべきなのだろうか。こうした選択肢が有効な企業もあるだろう。しかし、二流の機器で運営するネットワークを、名の通ったメーカーの機器で運営するのと同じように問題なく扱えると思ってはいけない。ライフサイクルサポートに対するアプローチはまったく違うものになる。ディスカウントショップで製品を購入した場合、技術的問題に見舞われても助けてくれる営業エンジニアはいない。ユーザーとしての期待度もそれなりにとどめておく必要がある。長期的な視野に立ち、低価格機器購入で失う機能が次のプロジェクトに必要ないかどうかを確認しないと、すべてを入れ替えなければならない羽目になる。
このようなコスト削減の手段に目を向ける場合、コストの掛からないネットワークは普通、1つのリスクを別のリスクと引き換えることになる点を理解しておく必要がある。例えばサーバを集中拠点に統合した場合、回線障害の影響は劇的に増える一方で、サーバ障害の頻度は減る。従って、こうした結果を十分に分析する必要がある。それぞれの影響はどのようなものか。発生する可能性はどのくらいあるのか。ユーザーに影響が出ることが増えるのかどうか、など。
神聖領域の削減
最後に、社内で神聖視されている「ミッションクリティカル」な部分に目を向けることで、さらなるコスト削減が可能かもしれない。大抵の場合、そういう部分はたいして神聖でもなく、誰かが温めてきた個人プロジェクトのようなものであることが多い。経理部門にそろばんをはじいてもらえば、どのくらいコスト削減になるかに驚くだろう。
本稿筆者のトム・ランカスター氏は、ネットワーク業界で15年の経験を持つコンサルタントで、CCIEおよびCNXの資格を有している。ネットワーキングに関する著作(共著)もある。最近の著作としては、「CCSP Complete Study Guide」がある。
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