メリットとデメリットをどう評価するか
圧倒的な生産性向上をもたらす「モバイルAI」の光と影
モバイルIT管理者は、人工知能(AI)技術の活用に備えなければならない。だがそれにまつわるリスクや課題も認識する必要がある。
人工知能(AI)が現実となる中で、ITプロフェッショナルは日常的な管理業務の支援やユーザーの生産性強化のために、スマートモバイルツールを活用できる。だが同時に新たな課題にも直面する。
計画を立てて効率的に対処するため、以下にAIのメリットとデメリットを紹介する。
AI駆動型のIAMに備えを
AI駆動型のID・アクセス管理(IAM)システムは近いうちに、従来型のユーザー名とパスワードを使ったエンドユーザー認証システムに取って代わるかもしれない。
AIを使ったID管理システムは、エンドユーザーが確かに登録されたデバイスを使っているかどうかを、従来と比べて簡単に確認できる。例えばAIベースツールでは、ネットワークトラフィックをモニタリングしてユーザーの位置情報を確認し、アクセスを許可または拒否できる。スマートなモノや自律式のクルマなど、新しいデバイスアクセスポイントの相次ぐ流入に伴い、AIベースのID管理ツールは近い将来、不可欠になる。
モバイルアプリ開発に与える影響
AIのメリットとデメリットは、モバイルアプリ開発でも検討する必要がある。モバイルアプリはユーザーに大量の情報をもたらす。AIを使えば、ユーザーがそうしたイベントを無視するか通知を受け取るか、ふるい分けができる。
AIはコンテキスト(文脈)情報を使ってユーザーのことを学習し、どのイベントがユーザーにとって重要かを、より正確に判断できるようになる。そうした機能を実現するために、開発者は従業員のリクエストや位置情報、IoTセンサーの動きなどを通じてユーザーに関する情報を収集し、その情報をかみ砕いて分析できる。
AI駆動型のチャットbotに注目
機械学習とAIで、チャットbotアプリケーションにも弾みがついている。こうしたアプリケーションの人気を最初に高めたのは、ユーザーとアプリとの対話を実現した「SmarterChild」や「Clippy」など、比較的古い技術だった。AIと機械学習はユーザーのリクエストに文脈を与え、botによる返答の知性を高めることができる。
チャットbotは誇大に吹聴されているものの、IT部門にとっては、管理者によるインフライベントの管理をbotが支援するなど、幾つかの用途がある。例えば管理者がbotに対し、特定のサーバに高いリソース負荷がかかっていないかどうか確認するよう指示できる。ただ、チャットbotはエンタープライズに進出するよりも前に、コンシューマーを相手にする場面で普及が進む公算が大きい。
データプライバシーの荒波を航行
AIにはメリットとデメリットの両方があるという認識は重要だ。AIが突き当たる最も重大な課題は恐らく、データセキュリティとプライバシーの欠如だろう。
機械学習技術を使うモバイルアプリは、ユーザーのIPアドレスや位置情報といったユーザー情報を収集できる。こうしたアプリを仕事で使う従業員は、私物端末でそれを使うことに抵抗を感じるかもしれない。
保険上の理由から、AIを使ってデータを収集するウェアラブル端末を従業員に配布する企業もある。そうしたケースでは、従業員のプライバシーに関する深刻な疑問が生じる。
IT部門はこうしたあいまいな状況に対し、暗号化を通じてデータを匿名化し、データを見た人がユーザーの個人情報を一切特定できないようにするなどの対応が求められる。IT部門はまた、収集できるデータの種類と、そのデータを使って会社ができることを定めたポリシーの見直しや作成を行う必要もある。
AIのメリットとデメリットへの備え
スマートモバイルデバイスは、間もなくエンタープライズに進出を始める。従ってIT部門は、エンドユーザーのためにそうした技術を活用する方法について考え始めなければならない。
まずはベンダーの担当者との関係を確立し、今後のAI関連の展開に関する情報を入手する必要がある。例えばIT部門は、手持ちのハードウェアやソフトウェアの拡張機能としてどんなAI機能が利用できるのかを認識しなければならない。
Google、Microsoft、Amazonといったクラウド大手は、SaaSサービス向けにAI機能を次々とリリースしている。IT管理者はそうした状況も正確に把握しておく必要がある。
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