全ての開発環境、全ての開発者をターゲット
DevOpsを進めるMicrosoftが決断 「Azure DevOps Project」強化点とは
Microsoftは最新のツールを用意してアプリケーション開発者に手を差し伸べている。それは、DevOpsパイプラインを自動的に構成して、クラウドに接続できるようにするツールだ。
Microsoftのドノヴァン・ブラウン氏(プリンシパルDevOpsマネジャー)は同社が開催する開発者向け会議「Microsoft Build 2018」で「Azure DevOps Project」の最新機能を紹介した。その説明の中で、同氏はアプリケーションを迅速に開発、導入することが求められる今の時代、DevOpsが不可欠であることを明確に示した。
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DevOpsの課題
MicrosoftはDevOpsにどう向き合うのか
Azure DevOps Projectのプレビューが初めて公開されたのは、2017年11月に開催された開発者向け会議「Microsoft Connect(); 2017」だ。このAzure DevOps Projectは、予備知識のない開発者でもDevOpsのための環境(DevOpsパイプライン)を構成してクラウドに接続させる。
わずかな手順を踏むだけで、アプリケーションの構築に使用した開発基盤とは無関係に、ツールがDevOpsパイプラインを自動的に構築する。その後、DevOpsパイプラインを使用して、クラウドでアプリケーションの開発、配布(デプロイ)、監視をする。必要なAzureサービスは全てリソース調整(プロビジョニング)される。プログラム変更管理サービスの「Git」用リポジトリも提供する。Microsoftのアプリケーションパフォーマンスを管理するツール「Azure Application Insights」との統合や、Azureへのデプロイ用の継続的統合および継続的デリバリー(CI/CD)パイプラインも設定される。
Azure DevOps Projectの強化点
最新のAzure DevOps Projectには、Microsoftの「Visual Studio Team Services」(VSTS)用に強化されたサポートも含まれる。MicrosoftでVSTS製品担当者サム・ガッケンハイマー氏は「使い勝手はほぼVSTSと同じ」と話す。ただし、Azure DevOps ProjectはAzureポータルから開始する必要がある。
Azure DevOps Projectは、同社の「Azure Virtual Machines」や「Azure Kubernetes サービス」(AKS)、「Azure Service Fabric」「Azure SQL Database」もサポートする。プログラミング言語では「.NET」「Java」「Node.js」「Python」「Ruby」「Go」をサポートする。
「Azure DevOps Projectで新しく『Node.js』『.NET Core』『Java』といったプログラム言語でのアプリ開発に着手する際、AzureでAKSを指定にできるようになった」とガッケンハイマー氏は話す。アプリケーション言語とランタイム、そしてAKSを選択すると、Azure DevOps ProjectがKubernetes管理の「Helm」を使ったDevOpsパイプラインを設定する。Helmでは「Charts」という単位で管理をする。Chartsは、Kubernetesアプリケーションの定義、インストール、アップグレードについて開発者を支援するパッケージマネジャーだ。
コンサルティング企業Moor Insights & Strategyでアナリストを努めるレット・ジリンハム氏は次のように話す。「Azure DevOps Projectの強化により、アプリケーションフレームワークが使いやすくなり、デプロイ用のCI/CDパイプライン統合の設定が簡単になる。同時に、サードパーティー製クラウド管理基盤をまだ所持していない顧客の監視も容易になる」
「Microsoftは、クラウド管理基盤の中でもこれまで価値が高かった機能を提供することで競争力を高め『Microsoft Azure』やオンプレミス版Azureともいえる『Azure Stack』を重視する顧客がサードパーティー製クラウド管理基盤の代わりにAzreを導入するよう働きかけている」(ジリンハム氏)
DevOpsの「助言者」となるMicrosoft
Azure DevOps Projectをアップグレードする直前の2018年5月1日、Microsoftが保有するDevOpsの基礎についての教材や、DevOps自己評価ツールを含めたあらゆるDevOps関連の情報を企業向けにまとめた「Microsoft DevOps Resource Center」が公開された。
Microsoftは2017年を通じて、DevOps、Git、アジャイルの実践に関する情報を可能なかぎり多く公開し、顧客が独自に取り組めるよう支援してきたが、その内容は断片的でまとまりがなかった。Microsoft DevOps Resource Centerを用意することで、同社は所有するDevOps関連の資料を全てまとめる場所を作り、コミュニティーへの貢献を目指している。
Gartnerのアナリスト、トーマス・マーフィー氏は「MicrosoftはDevOpsに真剣に取り組んでいる。また、そうする必要がある」と話す。
「MicrosoftはDevOpsを盛り上げ、企業が資産を移行する方法についての道筋を示し、その移行先としてクラウドに導く必要がある。DevOpsを購入する商品やツールにすぎないと考えている企業はあまりにも多い。そのため、幾つかの『パターンと実践』を提供するMicrosoft DevOps Resource Centerを用意したのは英断だ」(マーフィー氏)
これまで長い間Microsoftは開発者の強い味方だった。だが、主に力を入れていたのはMicrosoftの環境で作業する開発者だった。ただし、今では、全ての開発環境と全ての開発者をターゲットにするようになっている。
調査会社Enterprise Strategy Groupでアナリストを務めるエドウィン・ユン氏は次のように話す。「これは全ての開発者にとってありがたいことだ。特に、Microsoftの環境を中心に開発してきた今の経験を土台に進化を考えている開発者には大きなプラスになる。Microsoftにとっては、同社のツールや開発基盤を全ての開発者に公平な立場で提供するチャンスだ」
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