最優先に解決すべき考慮点は
レガシーアプリをクラウドへ移行する“間違いのない”2つの方法
レガシーアプリケーションを近代化すると、多種多様な課題が発生する可能性がある。幸い、この課題を解決するための選択肢はたくさんある。
現在の顧客は、以前に比べてアプリケーションのエクスペリエンスに多くのことを求める。そのため企業は、自社のアプリケーションスタックの近代化を考えるようになった。レガシーアプリケーションの近代化には、新機能の迅速な導入、リリース回数の増加、極めて高い可用性など多くのメリットがあり、いずれも顧客エクスペリエンスの向上につながる。こうしたメリットには魅力がある。だが、その課題は複雑だ。
一般に大企業は、10年以上前に作成された多数のレガシーシステムを保有し、作成当初から同じ方法で運用している。このようなアプリケーションは膨大な行数のコードで構成されている。だがテストカバレッジがない。こうしたコードが全て、1つのモノリシックアーキテクチャ内に互いに結び付けられている。こうしたアプリケーションは、多くの場合、Oracleの「Java Platform, Enterprise Edition」など、最新とはいえないプラットフォームで開発され、実行はデータセンターのオンプレミスサーバに限定されている。
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既存アプリケーションをクラウドへ移行するには
クラウドを活用したアプリケーション開発
これまでに多くの企業が、現行システムのまま現状維持の姿勢を貫いてきた。だがコンテナやクラウドコンピューティングが成熟してきた今、企業には優れた知識と確信をもってレガシーアプリケーションを近代化する選択肢が用意されている。
加えて、こうした企業の多くは、新しいクラウドネイティブなアプリケーションも開発している。レガシーアプリケーションを統合し、アプリケーション間でシームレスなワークフローとユーザーエクスペリエンスを実現する必要があるためだ。この近代化の課題に直面する企業は、レガシーアプリケーションと最新アプリケーション統合を容易にする有意義なガイダンスを必要としている。
クラウドネイティブとクラウドフレンドリーの違い
レガシーアプリケーションを近代化する際に最も重要なのは、レガシーアプリケーションをクラウドネイティブとクラウドフレンドリーのどちらにするかだ。クラウドネイティブなアプリケーションならば、マイクロサービスのアプローチに従うことになる。このアプローチでは、レガシーアプリケーションをマイクロサービスベースの分散型アプリケーションに細分化する必要がある。そのためには、開発者が大量のコードを書き直す必要があり、その変化は劇的になる。一方、クラウドフレンドリーなアプリケーションは、効率を高め管理を容易にするためにクラウドを使用するが、アプリケーションをマイクロサービスとして完全に作り直す必要はない。アプリケーションはモノリシックアーキテクチャを維持し、「The twelve-Factor App」(12要素のアプリケーション)のデザインに従う。だが現在は、可能であれば、コンテナ内にパッケージ化し、APIと最新統合パターンを使用する。
最新ではないテクノロジープラクティスにアプリケーションが基づいていて、アプリケーションのメンテナンスコストが上がり続けているのであれば、「Kubernetes」を使用して「Amazon Web Services」(AWS)で動作するようにアプリケーションの設計をやり直す方が賢明だろう。他にもデータセンターの仮想マシンを使用する場合、アプリケーションをAWSの「Amazon Elastic Compute Cloud」のようなクラウドサービスへ簡単にリフトアンドシフトできる。レガシーアプリケーションにこだわってクラウドネイティブアプリケーションに手を出さないよりも、クラウドネイティブアプリケーションを目指してレガシーアプリケーションを近代化する方が望ましい。
アプリケーションを近代化する際に考慮する要素
アプリケーションに大きな変更を加えることは、チームメンバーの士気に影響するかもしれない。こうした変化を成功に導くには、技術的な決定事項よりも文化が大きな役割を果たす可能性がある。アプリケーション近代化プロジェクトを成功させるには、チームメンバーの役割と責任を明確に定義し、開放的なコミュニケーションチャネルを用意することが重要だ。チームメンバーの役割と責任の一貫性を保ち、新しいアプリケーションスタックによってその責任がどのように変わるかを予測する。
クラウドに移行する際、CIOはセキュリティを最優先にすべきだ。クラウドでのアクセス管理は大きく異なる。クラウドネイティブなシステムでは、レガシー環境に比べてアプリケーションのセキュリティが確保される。クラウドネイティブシステムでは、システムの分散性、堅ろうなセキュリティツール、攻撃や脆弱性への迅速な対応の全てが、セキュリティの強化に役立っている。Tigeraの「Calico」、Twistlockの「Twistlock」、Aqua Securityの「Aqua Container Security Platform」のようなツールが、新しいポリシーベースのセキュリティ管理を可能にする。これらのツールはコンテナに対応し、スタックの変化を自動的に検出/監視できる。この種の事前対応型セキュリティは、レガシーツールと最新ツールのギャップを埋め、サイドバイサイドでの実行を可能にする。
既に所持しているプラットフォームを入念にチェックし、それぞれの側面を記録する。プラットフォームのOS、ツール、ライブラリ、特殊デバイス、あらゆる部分のカスタマイズ、統合、アクセスポイントを全て評価する。できるだけ多くの側面への対応を考える。だがレガシーシステムから最新スタックに移植できない部分が見つかった場合は、厳しい決断をする必要がある。その場合、アプリケーションに期待することを変更する必要があるかもしれない。
モノリシックアプリケーションをコンテナ化してクラウドで運用する場合でも、アプリケーションをマイクロサービスに分解してクラウドネイティブエクスペリエンスに最適化する場合でも、レガシーアプリケーションと最新アプリケーションを1つのコントロールパネルで管理する必要がある。現在では、Googleの「Kubernetes Engine」、Microsoftの「Azure Container Service」、AWSの「Amazon Elastic Container Service」のようなコンテナ管理サービスが数多く存在する。他にもRed Hatの「Red Hat OpenShift」、Dockerの「Docker Enterprise Edition」、Rancher Labsの「Rancher」のような優れた選択肢もある。レガシーアプリケーションと最新アプリケーションのギャップを埋めることを考える場合、その両方で機能するプラットフォームを選ぶことが重要だ。
最新のクラウドベースアーキテクチャには、企業を引き付ける多くのメリットがある。いったん移行プロセスに着手したら、こうしたプロジェクトを難航させる落とし穴や複雑さが数多く潜んでいるのが分かる。クラウドネイティブが理想の目標だ。だが多くの企業にとってはクラウドフレンドリーが現実的な目標になる可能性がある。既存のスタック、セキュリティ、管理、チームの文化など、検討する要素はたくさんある。適切なコンテナやクラウドツールを選ぶことで、レガシーアプリケーションを近代化して最新のアプリケーションとシームレスに連携させられるようになる。
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