経営情報ダッシュボードに必須
企業が設定すべき「KPI」(重要業績評価指標)10選
KPIは企業目標の達成度を評価するのに役に立つ。有益な経営情報ダッシュボードを作成するための適切なKPIは、どのように選べばよいのだろうか。本稿では、主要なKPIを10件紹介する。
重要業績評価指標(KPI)は、企業がビジネス上の目標を達成しているかどうかの判断に利用するための、測定可能な値を提供する。ビジネスリーダーは、追跡が必要な対象に応じてKPIを定義する必要がある。レポーティングツールやセルフサービスBI(ビジネスインテリジェンス)ツールを使用し、そのKPIに照らして業績に関する洞察を得る。通常、業務の進捗(しんちょく)状況を示す「業務KPI」はリアルタイムBIデータを使用して毎日追跡し、戦略の進捗状況を示す「戦略KPI」は、毎週、毎月、四半期ごとなどさまざまな間隔で監視する。
本稿では、『Key Performance Indicators:Developing, Implementing, and Using Winning KPIs』の著者デイビット・パーメンター氏が同書の一部を引用しながら、KPIやその管理用テンプレートの幾つかの例を紹介する。これらは経営情報ダッシュボードやバランストスコアカード(BSC)に利用できる。
分かりやすいダッシュボードはなぜ必要か
適切な方向性のKPIを記載した、分かりやすいダッシュボードを用意すれば、「経営陣は企業の状況をきちんと把握しており、事業が適切な方向に向かっている」との確信を取締役会に与えることができる。結果として取締役会は、企業がベストを尽くすべきことに集中できるようになる。
タイムリーな意思決定を実現するのに役立つ、主要なKPIと、その管理用フォーマットを紹介する。取り上げるKPIは以下の通りだ。
- 顧客満足度
- 従業員満足度
- 新事業成長度
- 税引前当期純利益
- 使用総資本利益率
- キャッシュフロー
- 収益率
- 安全衛生状況
- 設備稼働率
- 経営効率
顧客満足度
顧客満足度は、ほとんどの純利益を生み出している上位10~20%の顧客に注目し、少なくとも3カ月に1回は測定する必要がある(図1)。このプロセスには過度に費用をかける必要はない。顧客満足度調査は年に1回で十分だと考えているとしたら、その考え方は公的機関や民間企業では危険だ。
従業員満足度
従業員満足度の重要度は、顧客満足度と変わらない。ある人は「スタッフが幸せなら、顧客も幸せになり、ひいては経営者も幸せになる」と言う。この連鎖を信じるなら、今すぐ調査してみよう。従業員満足度調査に費用をかける必要はない。全ての従業員を対象に実施することも不要だ。その代わり、管理職と一般従業員の部門、役職をそれぞれ満遍なく網羅する、定期的な調査の実施をお勧めする(図2)。
新事業成長度
民間企業であれば、人気が急上昇している製品の成長に注目する必要がある。この新製品の購入状況、特に純利益の大半を生み出している、顧客の上位10~20%の購入動向を見守ることが重要だ(図3)。
税引前当期純利益
取締役会は常に年度末を重視する。そのため、その会計年度における税引き前利益である税引前当期純利益(NPBT)を示すのが有益だ。NPBTのグラフには、四半期ごとに抜本から更新する最新の予測を含める(図4)。
使用総資本利益率
使用総資本利益率(ROCE)は古くからある信頼できるKPIだ。ROCEのグラフは、15~20カ月の傾向グラフにする必要がある(図5)。
キャッシュフロー
キャッシュフローのグラフには、少なくとも12カ月前までのデータと、6カ月後までの予測を記載する。
収益率
取締役会の関心は「どの程度、効果的にテクノロジーを活用しているか」「業務コストが収益に対して妥当になるように、継続的な改善をしているかどうか」に向けられる。これらを判断するのに重要なのが収益率だ(図7)。
安全衛生状況
取締役のメンバーは、安全衛生(図8)に関心がある。最近では、従業員の生活状態が以前よりも重要視されるようになっている。
設備稼働率
少なくとも5~12カ月にわたり、主な機械などの設備稼働率を監視する(図9)。設備稼働率に関するグラフは、取締役会のメンバーが新しい設備投資の必要性に気付く助けになる。
経営効率
経営効率は、DIFOT(全てを時間通りに配送できた頻度)、機械のアイドル時間(主な機械のみを測定)など、さまざまな統計値に基づく複合的な指標だ(図10)。
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