約半分が5Gをよく知らない
調査で分かった「5G」への期待値 料金、速度、安定性、ユーザーが望んでいるのは?
PwCが「5G」に関する調査を実施した。5Gのサービスプロバイダーが、消費者に現状の通信サービス以上の利用料金支払いを求めるならば、5Gならではのサービスの提供が必須なようだ。
第5世代移動通信システム(5G)を使ったサービス提供を計画するサービスプロバイダーは、投資額を回収できるかが見えない中、数十億ドル規模で5G関連の事業に注ぎ込んでいる。しかし家庭用インターネットまたはモバイルインターネットを利用している5Gの潜在的なユーザーの中には、現状の通信サービスより高額な利用料金を支払うつもりのないユーザーが少なくない。
コンサルティング会社のPwCが、家庭用インターネットまたはモバイルインターネットユーザー1000人を対象に、5Gに関する調査を実施した。
コストに見合った価値を求めるユーザー心理
PwCが実施した調査で、現在利用している通信サービスよりも高額の利用料金を支払い、5Gを利用してもよいと考えている回答者は、1000人のうちの3分の1ほどにとどまった。回答者の約3分の2は、現在支払っている通信料金だけで、既に家計が圧迫されていると感じていることが判明した。
5Gに現状より高額の通信利用金を支払ってもいいと考えるユーザーの大半は、5Gの通信速度に魅力を感じている。5Gは第4世代移動通信システム(4G)よりも格段に通信速度が上がるためだ。では、こうしたユーザーは、どれくらいの額を多く支払ってもいいと思っているのだろうか。調査の結果は、モバイルインターネットユーザーで月平均4.40ドル、家庭用インターネットユーザーで月平均5.06ドルだった。なおPwCがこの調査を実施したのは2018年10月のことだ。
ただし、大半のユーザーは通信速度以外のことも要求する。PwCの主席コンサルタントを務めるダン・ヘイズ氏は、「サービスプロバイダーは5Gの特徴である高周波数帯と低遅延性の特性を生かしたサービスを生み出し、消費者にその価値を認めてもらう必要がある」と指摘する。
「サービスプロバイダーは、創造的になってサービス開発する必要がある。消費者により多くを支払わせようとするなら、インターネットサービス以外の消費活動と勝負する必要があるのだから、なおさら創造的になる必要がある」(ヘイズ氏)
サービスプロバイダーが「5Gには利用料金に見合う価値がある」と既存のインターネットユーザーに納得させるためには、創造性を発揮しなければならない。PwCの調査では、5Gへの通信回線のアップグレードを通信事業者に求められる前に、自ら進んで5Gが利用できるスマートフォンを購入しようと考えている回答者は、全体の26%にすぎなかった。通信事業者が5Gを利用できるスマートフォンの提供を開始するのは2019年の計画だ。
5Gとは何か
5Gにコストをかけたがらないユーザーが少なくないのは、5Gについて知らないからともいえる。PwCの調査で5Gを定義できた回答者は半数に満たなかった。「5Gは通信業界でもてはやされているが、一般的な消費者は、5Gを使ったサービスが始まることをほとんど認識していない。大抵の消費者は、5Gが何かすら知らない」(ヘイズ氏)。
この調査の中で、PwCはユーザーに5Gの特徴についてブリーフィングし、その後、「信頼性」「セキュリティ」「コスト効率」「通信速度」「容量無制限のデータ通信」という5つの要素の中で最も重要だと思うものを質問した。この5項目の中で最も多かったのは信頼性だった。
家庭用インターネットとモバイルインターネットのユーザーを比較すると、信頼性に続く4つ要素の評価が分かれた。家庭用インターネットユーザーの回答の中で2番目に多かったのはセキュリティで、通信速度、コスト効率、容量無制限のデータ通信と続いた。一方モバイルインターネットユーザーの回答は、容量無制限のデータ通信が2番目に多く、セキュリティ、コスト効率、通信速度と続いた。
この調査では、若い世代の方が5Gでもたらされる利点により期待していることも分かった。40歳未満の回答者では、7割近くが5Gは「非常に魅力的」と回答した。これに対し、40歳以上の回答者で「非常に魅力的」と回答したのは6割程度だった。
無線通信サービスを提供する事業者にとって、5Gの魅力を消費者と企業に売り込むことは極めて重要だ。FCC(米連邦通信委員会)は、無線通信サービスを提供する事業者の5G関連のインフラ投資額が、今後10年で2750億ドルにも達すると推計している。
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