「Google Public DNS」より多機能
OpenDNSを企業で利用する方法
幅広く利用されるDNS解決サービス「OpenDNS」は、コンテンツフィルタリングとフィッシング防止というセキュリティ機能を持っている。OpenDNSを利用して企業のセキュリティを改善する方法を見ていく。
新しいセキュリティアプライアンスのセットアップや社内のユーザーのマシンにセキュリティソフトウェアを配備するというのは時間のかかる作業だ。しかしセキュリティを強化するだけでなく、インターネット利用環境を改善する無償のサービスも存在する。「OpenDNS」がそれだ。OpenDNSは素早く簡単にセットアップでき、Web利用の安全性を高めるとともに、Webページを読み込む時間を短縮する。Webコンテンツへのユーザーアクセスをコントロールし、ユーザーをフィッシング攻撃から守る役割を担うネットワーク管理者にとって、OpenDNSは迅速な解決策を提供してくれる頼もしいサービスである。
DNS(Domain Name System)はインターネットに不可欠なコンポーネントであり、人間が覚えやすいコンピュータの名前をIPアドレスに変換する。例えば、「www.google.com」を「66.102.9.104」に変換するといった具合だ。大抵のネットワークは、それぞれのISPによって割り当てられたDNSサーバを利用するか、もしくはルートサーバを直接参照する。
OpenDNSは、家庭ユーザーから大企業のネットワークに至るまで誰でもISPのサービスの代替として利用できるDNS解決サービスだ。企業はISPから提供されるDNSサーバを使う代わりに、OpenDNSが提供するDNSサーバを参照するだけでよい。OpenDNSは2006年7月にサービスを開始し、2009年には24時間で100億以上のクエリを処理するという大記録を打ち立てた。では、OpenDNSを利用して企業のセキュリティを改善する方法を見ていくことにしよう。
Webコンテンツのフィルタリング
OpenDNSが提供する2つの主要なセキュリティサービスが、「Webコンテンツのフィルタリング」と「フィッシングの防止」だ。コンテンツフィルタリングは、OpenDNSのWebサイトにあるダッシュボード上で設定し、多数のコンテンツカテゴリーを使って希望のフィルタリングレベルを設定できるようになっている。新たなカテゴリーや個々のWebサイトを追加することによって、フィルタリング設定をカスタマイズすることも可能だ。また、社内の個々のネットワークに対して、それぞれ異なるフィルタリングレベルを設定することもできる。これには高価で複雑なネットワークアプライアンスは不要だが、マシンごとの環境設定を行うには、それぞれのマシンにグローバルIPアドレスが割り当てられている必要がある。
ブロックされたサイトにユーザーがアクセスしようとすると表示されるページに、自社のロゴとセキュリティメッセージを追加できるという機能も、わたしは大変気に入っている。これは、インターネットポリシーが自社に適用されており、プロアクティブなセキュリティ対策が実施されていることを社内に周知徹底させるのに大いに効果がある。
フィッシングの防止
フィッシング防止機能を提供するのがOpenDNSの「PhishTank」だ。PhishTankは、フィッシングに関するデータや情報を集めたインターネット上の共同情報センターのようなもので、詐欺が疑われるサイトに対する注意を促し、その違法性を確認するのに非常に有効な手段だ。ネットワークトラフィックを監視し、問題のあるトレンドを特定するのに役立つ詳細なデータを提供するツールも用意されている。「CacheCheck」ツールはDNSのクエリ問題を診断するのに利用することができ、「SmartCache」ツールは、権限を有するサーバの障害で表示できないWebサイトにアクセスすることを可能にする。
そのほかにも、ミスタイプの自動修正機能や、アドレスバーに入力された短い名前を長いURLに関連付ける「Browser Shortcuts」といった便利な機能がある。ダッシュボードの使いやすさと設定のカスタマイズの容易さという点では、OpenDNSは文句の付けどころがない。また、膨大な支援文書には利用方法とソリューションが非常に分かりやすく説明されており、チケット方式のサポートサービスも用意されている。
マルウェアの検出
管理者はOpenDNSのダッシュボードをチェックすることにより、ウイルスやワーム(例えばConfickerなど)に感染したマシンをピンポイントで素早く特定できる。Conficker感染元サーバのアドレスに接続しようとするPCが含まれるネットワークは、管理者専用の情報ページでフラッグによって示される。もちろん、OpenDNSは感染したマシンがこれらの悪質なサーバにアクセスするのを防止する。
注意しなければならないのは、OpenDNSはドメイン名ホスティングサービスや権限のあるDNSを提供しないということだ。また、OpenDNSにはプライベートネットワークが見えないので、プリンタやネットワーク共有ファイルなどのリソースに対する内部的なリクエストを解決することはできない。外部へのDNSリクエストをOpenDNSに渡す一方で、こういった内部的リクエストを解決するには、Active DirectoryやBINDといったローカルDNSサーバが必要だ。
DNSサーバはインターネットが円滑かつ安全に機能するために不可欠な存在であり、DNSサーバがマルウェアに感染すると、非常に危険な攻撃を仕掛けるチャンスをハッカーに与えることになる。OpenDNSではセキュリティを非常に重視しているが、同社のサービスを利用しているセキュリティ担当者は、同社のRSSフィードを購読し、今後起きるかもしれない問題に対して常に最新の情報が得られるようにしておくべきだ。
OpenDNSは唯一の代替DNSサービスではない。ほかにも、NeuStarのDNS Advantageや、FreeDNといったサービスがある。しかしOpenDNSははるかに長い実績を誇り、今年初めに発表されたNETGEARとの提携により、OpenDNSが今後も中心的な存在であり続けるのは間違いない。
本稿筆者のマイケル・コッブ氏は、データセキュリティおよび解析に関するトレーニングやサポートを提供するITコンサルティング会社、Cobweb Applicationsの創業者兼マネージングディレクター。CISSP-ISSAP(公認情報システムセキュリティプロフェッショナル―情報システムセキュリティアーキテクチャプロフェッショナル)の資格を持つ。共著書として「IIS Security」があり、主要なIT出版物に多くの技術記事を寄稿している。
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