デスクトップ仮想化製品紹介【第2回】
シンプルなインタフェースと優れた表示品質を提供するVMware View
ヴイエムウェアの仮想化環境vSphere 4を基盤にしたデスクトップ仮想化ソリューションVMware Viewの特長とライセンス体系について解説する。
連載「デスクトップ仮想化製品紹介」の第2回をお送りする。第1回「デスクトップ仮想化の仕組みとメリット」では個々の製品によらないデスクトップ仮想化ソリューションの概要とメリットをお伝えしたが、今回からデスクトップ仮想化を実現するための代表的な製品を紹介していく。最初はヴイエムウェアが提供する「VMware View」だ。
最も実績のあるデスクトップ仮想化製品
VMware Viewはヴイエムウェアの仮想化環境「VMware vSphere 4」(以下、vSphere 4)を基盤にしたデスクトップ仮想化ソリューションだ。vSphere 4はサーバ仮想化分野において最大のシェアを持つ製品であり、性能の高さ、機能の先進性とも定評がある。VMware ViewもvSphere 4の後を追うように普及が進んでおり、先日も三菱東京UFJ銀行で大規模な導入(参考:「PCでのOA環境を『仮想デスクトップ』へ。三菱東京UFJ銀行VDIシステムの全容」が発表されるなど新しいジャンルの中で最もユーザーに受け入れられている製品の1つだ。
VMware Viewの特長は?
デスクトップ仮想化環境を構築するに当たってVMware Viewを利用するメリットは何だろうか? コンポーネントの特長と共に紹介する。
vSphere仮想化基盤
VMware Viewでデスクトップ仮想化環境を構築する一番のメリットはvSphereを統合されたソリューションとして利用できることだろう。物理メモリ以上に仮想メモリの割り当てができるメモリオーバーコミット機能などによる仮想マシンの集約率の高さには定評があり、サーバ数を減らし総コストを低減することが可能だ。もちろん仮想環境における運用性、可用性を高める諸機能も利用できる。既にサーバ仮想化分野で利用しているユーザーにとってはインタフェースが統一され、既存のリソースを利用した環境が低コストで構築できるなどのメリットもある。
| vSphereの代表的な機能 | |
|---|---|
| VMware HA | サーバの物理故障時にOSを別サーバで自動再立ち上げ |
| VMware vMotion | 仮想マシンを別サーバに再配置可能。サービス停止なしでのメンテナンスを実現 |
| VMware DRS | 仮想マシンの負荷に応じて稼働するサーバを自動的に変更 |
シンプルなインタフェースのVMware View Manager/View Client
「VMware View Manager」(以下、View Manager)は、VMware Viewの根幹になるコンポーネントで、コネクションブローカーの機能と管理者へのインタフェースを提供する。VMware Viewはほとんどの管理操作をこのView Managerから行え、管理インタフェースが分散しがちな他社製品に比べてアドバンテージの1つになっている。
「VMware View Client」(以下、View Client)は、端末側にインストールされるクライアントだ。ユーザーは適切なデスクトップを一覧より選択し、認証情報を入力すれば簡単に仮想デスクトップに接続できる。RSA SecurIDやスマートカードを利用したシングルサインオンにも対応している。
優れた表示品質を持つPCoIPプロトコル
VMware Viewでは従来、Windowsに搭載されているRDP(リモートデスクトッププロトコル)を標準のプロトコルとしており、画質や操作性、マルチメディアの性能など、ユーザーエクスペリエンスでは通常のデスクトップPCに劣る部分があった。しかし、最新のバージョン4.0からカナダのテラディシ(Teradici)と共同開発しているPCoIP(PC over IP)プロトコルに対応し、これらのディスアドバンテージは小さくなり、通常のデスクトップに遜色のないものになってきている。
なお、画面転送プロトコルという点では米ヒューレット・パッカードが提供する3Dグラフィックス対応のRGSにも対応しているが、日本ヒューレット・パッカードは仮想デスクトップ環境向けにRGSを販売していないので注意が必要だ。
大規模環境でのCAPEXとOPEXを削減
・VMware View Composer
VMware View Composer(以下、View Composer)は、個々のユーザーのOSを構成する際にマスターイメージに対して差分のみを作成するリンククローン機能を提供し、管理性の向上とストレージコストの削減に貢献する。ただしView Composerを利用した場合、ユーザー環境のカスタマイズ性は低下し個別のアプリケーション利用などは難しくなるので以下のVMware ThinAppとの併用が推奨される。
・VMware ThinApp
ThinApp(以下、ThinApp)はアプリケーション配信のソリューションで、アプリケーションプログラムと設定・構成情報を1つのファイルとしてカプセル化する。ユーザーはカプセル化されたファイルを開くだけで仮想デスクトップにアプリケーションをインストールすることなく利用が可能だ。
ライセンス体系
ライセンス体系は、機能によりPremierとEnterpriseの2エディションに分かれている。両者の大きな差異はView ComposerとThinAppの有無で、これらを利用するかどうかで使用するエディションを決定するとよい。
また、既存の仮想化環境を基盤に用いるかどうかで、各エディションは2形態に分かれている。
バンドルライセンス
vSphereのデスクトップ仮想化専用ライセンスである「VMware vSphere for Desktop」をバンドルした提供形態。vSphere for DesktopはvSphereの最上位エディションの機能をフルに利用可能で、価格的には非常にお得だ。本格的な導入を実施する際はこちらの形態で購入することを勧めたい。
アドオンライセンス
VMware Viewによるデスクトップ仮想化の機能のみを利用可能なライセンスで、既存のvSphere仮想化環境を利用してデスクトップ仮想化環境を構築する際に利用する。既存の環境を利用して安価にテスト環境を構築する場合や、サーバ仮想化で利用している基盤と統合運用したい場合に利用するとよい。
なお、VMware Viewは、ほかのVMware製品同様、無償で60日間利用可能な評価版ライセンスが提供されている。で試用してみたい場合は同社サイトのVMware Viewの評価を利用するといい。
まとめ
VMware Viewは仮想化分野のマーケットリーダーであるヴイエムウェアが提供していることもあり、性能や機能が最も充実している製品の1つだ。特に大規模環境ではメリットが発揮されやすく実績もあるので、将来的な拡張性を重視するユーザーには特にお勧めしたい。
草地 慎太郎(くさち しんたろう)
日商エレクトロニクス エンタープライズ事業本部 マーケティング統括部 プロダクトマーケティンググループ プロダクトマネージャー(仮想化製品担当)
日外資系ベンダー・通信事業者でプロダクトマーケティング、事業企画などを担当。現在は日商エレクトロニクスで仮想化関連製品のプロダクトマーケティングとして活躍中。
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