Opalis Software統合の背景にあるもの
Microsoftが目指すクロスプラットフォームの信頼性
米MicrosoftがITプロセス自動化ツールベンダーOpalis Softwareを買収してから1年以上が経過した。この買収がユーザーに与える影響がようやく市場に認知され始めた。
米MicrosoftがITプロセス自動化ツールベンダーであるカナダのOpalis Software(以下、Opalis)を買収してから1年以上になるが、IT管理者は依然として、この製品がWindowsシステム管理をどう改善するのかについて把握しきれずにいる。
だがこの自動化ツールの統合はMicrosoft以外の製品にも拡大を続けており、同社はこの製品によって、Microsoft製品でクロスプラットフォームの信頼性を実現できるものと期待している。クロスプラットフォームの信頼性の欠如は、Microsoftのシステム管理製品群「Microsoft System Center」に関して決まって指摘される弱点の1つだ。
2011年3月上旬現在、Microsoftは「System Center Operations Manager(SCOM)」や「System Center Virtual Machine Manager(SCVMM)」など、大半のSystem Center製品用に統合パックを用意している。統合パックはサードパーティーのシステム管理製品用にも提供されており、異種混在環境を管理している向きにはそちらの方がより興味深いかもしれない。
Opalisの要はMicrosoft以外のソフトウェアとの統合にある。同ソフトウェアにはサードパーティー製品と連係するための一般的な統合機能が備わっているが、Microsoftのクラウドおよびデータマネジメント担当ディレクター、ロバート・レイノルズ氏によると、同社は米IBM、米ICA、米Hewlett-Packard(HP)といった大手の人気製品と連係するための高度な統合パックもサポートする方針という。
だが競合各社の選択肢も多数存在していることから、MicrosoftはITコミュニティーを頼りに、Opalisの統合を大手の人気製品以外にも拡大することを目指している。Opalisには、一般的な統合機能に加えて、ITプロフェッショナルが独自に統合パックを作成できるよう支援するための「Quick Integration Kit」が用意されている。
またMicrosoftが提供する公式の統合パックに加えて、ITプロフェッショナルは同社が運営するソフトウェア共同開発ポータル「CodePlex」を介して、「Microsoft Exchange Server」から「VMware vSphere」に至るあらゆる製品向けの統合パックの新版や拡張版を公開している。さらに米Quest Softwareなど一部のベンダーは、System Center用に自社で開発した拡張機能向けのOpalis統合パックの開発に着手している。
Microsoftの統合スケジュール
これまでのところ、サードパーティー向けの統合パックのアップデートはどちらかというと散発的で、人気の高いものほど優先される傾向にある。
Microsoftの上級プログラムマネジャー、ロバート・ハーン氏は先ごろ、同社のTechNetフォーラムにコメントを投稿し、「これまでの統合パックはOpalisによって、特定の顧客のニーズに応えるために作成され、必要に応じて更新されていた。継続的な計画に沿って更新されていたわけではない」と述べている。また同氏によると、サードパーティー向けの統合パックをアップデートしてMicrosoft製品として出荷するというプロセスは時間がかかり、単なる「コード数行の更新」と比べてはるかに複雑な作業になるという。
ただし、MicrosoftがOpalisへの投資から最大の利益を得るためには、そうした統合パックを最新の状態に保つことが非常に重要となるはずだ。米Directions on Microsoftのシステム管理担当アナリスト、ドン・レタラック氏によると、最近のシステム管理プラットフォームには大抵、何かしらのワークフローと監視機能が含まれているが、Opalisの自動化機能はマルチベンダー環境においてMicrosoftを優位に立たせる可能性を秘めているという。
「実際、顧客の環境はマルチベンダーで構成されている。Microsoft製品だけが使われているわけではない。顧客は全ての要素をまとめて管理したいと望んでいる」とレタラック氏は指摘する。
構想は理にかなっているが、採用のペースは鈍い。米コンサルティング会社Windows Management ExpertsでSystem Center担当エンジニアを務めるマット・ティニー氏によると、同氏がOpalisについて顧客と話すようになったのはつい最近のことだという。
同氏の顧客には、Microsoftの「SCOM 2007」と米CAの管理ツール「CA Spectrum」の両方を含むマルチベンダー環境の監視戦略を策定しているところがあるという。「全体的な監視の設計にOpalis 6.3を組み込む予定であり、目下、CA管理ツールの統合の選択肢を検討中だ」と同氏。
以前であれば、そうしたサードパーティーの監視ツールとSystem Centerを統合するのは複雑な作業だっただろう。「Opalisがなければ、恐らくカスタムコネクタを作成し、CA SpectrumとSCOMの間でアラートを双方向にやりとりするために相当のカスタマイズを施さなければならなかっただろう」とティニー氏は言う。
Opalis新版はMMS 2011で
Microsoftは3月下旬に開催したカンファレンス「Microsoft Management Summit(MMS) 2011」で、Opalisの最新版(これまで「Opalis v.Next」と呼ばれてきた)を発表した。同製品はSystem Center製品群の1つとして「System Center Orchestrator」という新名称で再ブランド化されており、System Centerダウンロードサイトからアクセスできる。
さらにMicrosoftはMMS 2011において、2010年10月に買収した米AVIcodeの各製品の新名称も発表した。
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