「App-Vパッケージアクセラレータ」2つの使い方
App-Vパッケージアクセラレータによる仮想アプリの作り方
アプリケーションのシーケンス処理プロセスを自動化する「App-Vパッケージアクセラレータ」を作成する場合の注意点を解説。
米MicrosoftのApp-V Sequencerツールを使って、アプリケーションをシーケンス処理して仮想化したことがある人は、シーケンス処理プロセスが通常、至って簡単なことを知っているはずだ。しかし、全てのアプリケーションでこうした仮想化がうまくいくとは限らない。
例えば、App-V Sequencerでは、カスタムインストールパスをサポートしないアプリケーションや、インストールプロセスが複雑な、あるいは一般的でないアプリケーションのシーケンス処理は厄介だ。
こうした扱いにくいアプリケーションのシーケンス処理をより迅速かつ簡単に行えるようにするため、MicrosoftはApp-V 4.6 SP1で「App-Vパッケージアクセラレータ」という新機能を導入した。この機能の基本的な考え方は、「特に厄介なアプリケーションのシーケンス処理方法を誰かが見つけたら、そのシーケンス処理プロセスを自動化するパッケージアクセラレータを作成できるようにする」というものだ。
パッケージアクセラレータは、完全なインストールパッケージではないことを理解しておく必要がある。パッケージアクセラレータは基本的に、アプリケーションのシーケンス処理方法をApp-Vに指示する命令セットだ。また、特定のアプリケーションを他の組織も容易にパッケージできるように、パッケージアクセラレータを共有することもできる。Microsoft Office 2010やAdobe Readerといった製品に対応するパッケージアクセラレータが、TechNetなどさまざまなWebサイトで既にダウンロードできるようになっている。
App-Vパッケージアクセラレータを使用する際の注意点
App-Vパッケージアクセラレータには2つの使い方がある。1つは、インストールパッケージを作成するために使うというもの。そのためには通常、必要なパッケージアクセラレータをインターネットでダウンロードし、App-V Sequencerにインポートする。App-V Sequencerでアプリケーションのインストールメディアとパッケージアクセラレータが組み合わされ、インストールパッケージが作成される。
もう1つは、目的のアプリケーションのパッケージアクセラレータを独自に作成し、他の組織と共有するという使い方だ。
App-Vパッケージアクセラレータをどちらの方法で使うかにかかわらず、テストは不可欠だ。アクセラレータの作成プロセスは単純だが、注意すべき落とし穴がたくさんある。
App-Vパッケージアクセラレータを独自に作成して他の組織と共有する場合、作成するアクセラレータに機密情報をうっかり含めないように気を付けなければならない。Microsoftは、アクセラレータをアプリケーションのインストールメディアから直接作成することを試みるよう勧めている。それがうまくいかない場合は、アプリケーションをローカルにインストールしてアクセラレータを作成する必要がある。このインストールプロセスにおいて、機密情報をアクセラレータにうっかり含めてしまう恐れが生じる。
例えば、アクセラレータの作成時に、プロダクトキーを指定することを選択した場合、アクセラレータを他の組織と共有すると、プロダクトキーを渡すことになってしまう。同様に、ユーザーアカウント名やパスワードをアクセラレータファイルに含めてしまうことにも注意する必要がある。この問題は、アクセラレータを作成するためにアプリケーションをローカルにインストールしなければならず、アプリケーションがサービスアカウントを使用する場合に発生する可能性がある。
こうした場合の最良の選択肢は、可能であればローカルシステムアカウントをサービスアカウントとして使用するようアプリケーションを設定することだ。ただし、Microsoftは一部のアプリケーション(SharePoint Server 2010など)について、ローカルシステムアカウントをサービスアカウントとして使用しないよう注意を呼び掛けている。ローカルシステムアカウントをそのように使用すると、サービスが過剰な権限を取得してしまうからだ。このことに留意する必要がある。また、アプリケーションでドメインアカウントをサービスアカウントとして使用しなければならない場合には、アクセラレータを他の組織と共有してはならない。
Microsoftは、アプリケーションがサービスアカウントを使用するかどうかにかかわらず、アプリケーションのパッケージアクセラレータを作成する際は、ビルトイン管理者アカウントでログインするよう勧めている。また、アプリケーションをインストールするコンピュータには、一般的な名前が付けられていなければならない。これらのステップは、自組織のネットワークに固有のユーザー名やコンピュータ名の漏えいを防ぐのに役立つ。
パッケージアクセラレータを作成する際は、ガイダンスファイルを含める必要もある。ガイダンスファイルは、アクセラレータの用途に関する情報を記述したTXTファイルかRTFファイルだ。ガイダンスファイルは、アクセラレータを作成する前に用意しておかなければならない。ガイダンスファイルがないと、アクセラレータを作成できないからだ。
本稿では、パッケージアクセラレータを作成する場合の注意点を主に取り上げてきたが、他の組織が作成したアクセラレータをダウンロードする場合も注意が必要だ。ダウンロードするアクセラレータに、他の組織のネットワークに固有の情報が含まれていることは十分あり得る。また、ダウンロードするアクセラレータが、自分の組織で使おうとしている機能セット全体をパッケージするように設計されていない可能性もある。アクセラレータに、マルウェアに感染したファイルが含まれている恐れすらある。こうしたことから、十分な注意が必要になる。
本稿筆者のブライアン・M・ポージー氏はMCSE(マイクロソフト認定システムエンジニア)の資格を持ち、Windows 2000 ServerとInternet Information Server(IIS)の業績でMicrosoft Most Valuable Professional(MVP)に認定されている。全米に系列病院を持つ医療法人のCIO、フォートノックス(ケンタッキー州にある米軍施設)のITセキュリティ責任者を歴任した。フリーランスの技術ライターとして、Microsoft、TechTarget、CNET、ZDNet、MSD2D、Relevant Technologiesなどに寄稿している。
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