前編「PC管理コスト削減の切り札となるか『アプリケーション仮想化』と『vPro』」では、PC環境が複雑化するに伴いその管理も煩雑になり、企業が保有するクライアントPCのTCO削減が思うように進んでいない状況を説明した。そして、その状況を変える可能性を秘めた技術として「アプリケーション仮想化」と「Intel vPro」を紹介した。とりわけ、ソフトウェア技術であるアプリケーション仮想化は、ハードウェア技術であるIntel vProに比べ、比較的導入障壁が低い技術だといえよう。
アプリケーション仮想化の市場は、まだ立ち上がったばかりの段階だが、前編でも述べたように大手ソフトウェアベンダーがこぞって製品を投入し、本格化してきている。その中の1つ、マイクロソフトの「App-V」(Microsoft Application Virtualization)は企業ユーザーにとって有力な選択肢の1つになるかもしれない。App-Vは、同社が2006年に買収した米Softricityのアプリケーション仮想化ソフトウェア「SoftGrid」が基になっているが、多くの企業がITインフラ管理で利用するマイクロソフト製品との統合を果たしている。この点は、マイクロソフト製品のユーザー企業にとってはメリットだといえる。
クライアントPC関連ソリューションで実績のあるウチダスペクトラムも、アプリケーション仮想化の有用性を主張するシステムインテグレーターの1社だ。同社 マーケティング担当 執行役員の紀平克哉氏は、「アプリケーション仮想化は認知度こそまだ低いが、サーバ仮想化の普及により仮想化技術の効果が広く知られてきたので、顧客に説明すると関心を持ってもらえる。App-VについてはSoftGridの時代から注目しており、マイクロソフト製品になったことでより扱いやすくなった」と話す。実際、同社が提供する「PCデスクトップ環境移行ソリューション」ではApp-Vを採用しており、ユーザーへ積極的に提案しているという。
大規模な導入事例も出始めている。製造業の大手企業A社では、約8000台にも及ぶクライアントPCのOSをすべてWindows Vistaへ移行する計画を立てていたが、最も大きな問題は異なるPC環境上で動作している数々のクライアントアプリケーションの存在だった。その数は何と、1000種類ほどにも達していた。それらすべてについてWindows Vista上で動作検証を行い、不具合の修正や代替手段を講じるとなると、とてつもない工数が掛かる。
また、一部の組織でしか使われないアプリケーションをWindows Vista上に直接インストールするとPC環境が複雑になってしまい、全社規模での一元的な展開や管理が難しくなる。
さらに、A社ではWindows Vistaによる新しいPC環境を「ゼロタッチ」(PC側での作業なし)で展開しようと考えていた。しかし、インタラクティブなインストール手順を必要とする一部のアプリケーションは、通常の方法ではゼロタッチ展開を実現することは困難だった。
A社はこうした問題を解決するソリューションを検討した結果、アプリケーション仮想化のメリットが決め手の1つとなり、ウチダスペクトラムの提案を採用することとなった。
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