Column
アプリケーション仮想化の2つの方法――アプリケーションストリーミング vs. シンクライアント
マイクロソフトのSoftGridをはじめとする「アプリケーションストリーミング」と、同じくマイクロソフトのターミナル サービスなどの「シンクライアント」。2つのアプリケーション仮想化のメリット・デメリットを見ていく。
ユーザーのデスクトップにアプリケーションを提供するための新たな手法として、仮想化技術が登場してきた。IT部門がアプリケーションリソースの統合を検討するに当たっては、この技術を評価する必要がある。
ほとんどの技術専門家はアプリケーションの仮想化について語る際、マイクロソフトが最近買収したソフトリシティのSoftGrid技術や、アルティリスのSoftware Virtualization Solution、現在β段階にあるシトリックス・システムズのProject Tarponといった製品を引き合いに出す。これらはさまざまな方法を用いて同様の機能を実現しており、アプリケーションストリーミングと呼ばれている。
ユーザーのデスクトップにアプリケーションを提供するための新たな手法として、仮想化技術が登場してきた。IT部門がアプリケーションリソースの統合を検討するに当たっては、この技術を評価する必要がある。
ほとんどの技術専門家はアプリケーションの仮想化について語る際、マイクロソフトが最近買収したソフトリシティのSoftGrid技術や、アルティリスのSoftware Virtualization Solution、現在β段階にあるシトリックス・システムズのProject Tarponといった製品を引き合いに出す。これらはさまざまな方法を用いて同様の機能を実現しており、アプリケーションストリーミングと呼ばれている。
これに対し、サーバベースコンピューティング、あるいはシンクライアントコンピューティングは、マーケティングの文脈でアプリケーション仮想化技術として言及されることがある。その場合、仮想化という言葉はより包括的な意味で使われる。広く使われているシンクライアントコンピューティング製品は、シトリックスやマイクロソフトの製品だ。
アプリケーションストリーミング
アプリケーションストリーミングとサーバベースコンピューティングの大きな違いは、前者では、アプリケーションがデスクトップで実行され、クライアントにインストールされているアプリケーションであるかのように動作するのに対し、後者では、アプリケーションが物理的にバックエンドサーバにインストールされ、その上で実行されることだ。
「アプリケーションストリーミングでは、アプリケーションはインストールされるのではなく、オンデマンドでダウンロードされて実行される」とワシントンD.C.在住のアナリスト、ブライアン・マッデン氏は語る。「Officeのようなアプリケーションが、通常とは違ってサーバから配信され、ユーザーはそれを使うことになる」
仮想化という言葉は、その仕組みの一部としてワークステーション上で動作するクライアントエージェントの機能にかかわっている。このクライアントエージェントが仮想サンドボックス(隔離された実行環境)を提供し、ダウンロードされたアプリケーションはその中で実行され、相互に隔離される。
また、アプリケーションストリーミングでは、アプリケーションは、あらかじめ特別なパッケージに変換されてサーバ上に置かれ、ワークステーションにストリーミング配信されるようになっている。
アプリケーションストリーミング技術は、マイクロソフトのSystems Management Serverなどのツールを使ってリモートデスクトップへのソフトウェアの配布とインストールを管理している管理者にとって有益だ。この技術を使えば、個々のワークステーション上でアプリケーション同士が隔離されるため、コンフリクトに悩まされることなくアプリケーションを提供できるからだ。
また、アプリケーションストリーミングでは、アプリケーションがサーバ上ではなくローカルで実行されるため、あまり強力でないサーバでも多数のワークステーションをサポートできる。さらに、アプリケーションをワークステーションでキャッシュしておけば、ユーザーはオフラインでもアプリケーションを利用できる。
だが、アプリケーションストリーミング技術は非常に新しいため、スケーラビリティなど、まだ未知の要素も多いと、Gartnerのリサーチディレクター兼副社長、マーク・マージェビシウス氏は語る。
「まだ市場ではあまり勢いがなく、アプリケーションストリーミング環境を管理できるサードパーティーツールも少ない」とマージェビシウス氏。「行われなければならないことがたくさんある」
サーバベースコンピューティング
マイクロソフトのターミナル サービスとシトリックスのCitrix Presentation Server(ターミナル サービスに由来する製品)も、クライアントにソフトウェアをインストールすることなくアプリケーションを提供する手段だ。
これらを利用するシンクライアントコンピューティングは、幾つかの重要な利点を提供する。まず、シトリックスのソフトウェアの場合、任意のプラットフォームからアプリケーションにアクセスできる。ソフトリシティやアルティリスのストリーミング技術は、Windowsクライアントにしか対応していない。これに対し、Presentation Serverはあらゆるアプリケーションをあらゆるデバイスに提供できる。
また、シンクライアントコンピューティングでは、それほど広い帯域は必要ない。「どこのキオスクでも、15秒以内に社内アプリケーションが使えるようになる」とマッデン氏は語る。
一方、難点は、アプリケーションをサポートするために、ネットワーク接続と堅固なバックエンドアーキテクチャが必要なことだ。膨大な数のエンドユーザーをサポートする場合、IT部門は多くのハードウェアを購入しなければならない。
共通のルーツ
シトリックスのサーバとマイクロソフトのターミナル サービスは、共通のルーツを持っている。1990年代初め、シトリックスはWindows Serverのライセンスを受け、Presentation Serverの基盤を開発した。現在、シトリックス製品のライセンスを購入する顧客は、マイクロソフトのWindows Serverとターミナル サービスのライセンスも購入しなければならない。
「われわれ2社の製品は二者択一の関係ではない」とマイクロソフトのセキュリティ&アクセス製品管理チームのグループプロダクトマネジャー、マイク・シュッツ氏は語る。「ターミナル サービスを使うか、シトリックス製品とターミナル サービスを使うかのいずれかなのだから」
ターミナル サービスは基本的な機能を提供する。そのため、主なターゲットは、導入環境がシトリックスのPresentation Serverを必要とするほど複雑ではない中小企業だ、とシュッツ氏は語る。
シトリックスのサーバソフトウェアは、ファーム管理(多数のサーバの管理)やロードバランシングといった機能を提供し、多種多様な非Windowsデバイス用のクライアントソフトウェアが用意されている。また、Presentation Serverではオーディオとビデオが同期されるほか、スムーズローミング技術により、ユーザーはデバイスを変えたり場所を移動しても、同じワークスペースを継続して使うことができる。
2007年末に登場する見込みのWindows Serverの次期バージョンでは、VPNを介さずにターミナルサービスアプリケーションにアクセスできる機能がターミナル サービスに追加される。
アプリケーションストリーミングとサーバベースコンピューティングは、いずれもさまざまな利用シナリオに適している。マッデン氏は、シトリックスはPresentation ServerとTarpon技術により、いずれは管理フレームワークとアプリケーションフレームワークの両方を提供できるだろうとの見通しを示している。
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