ケベコールは自社のデータセンターにヴイエムウェアの仮想化技術を採用した。今では仮想サーバで全社のデータを扱っているが、プロジェクト開始段階ではさまざまな障害があった。
カナダ最大のメディア企業ケベコールの管理者らは、全国にある自社サーバを1時間でアーカイブできる。
ケベコールが現在こうした高度な柔軟性を実現しているのは、EMCの子会社であるヴイエムウェアの仮想化技術を使った研究所のテスト環境から生まれた技術があってこそだ。
だが、今では仮想サーバがものの数時間でWAN中を移動するとはいえ、このプロジェクトは当初から全国規模の導入として着手されたわけではない。実際のところ、現在マニトバ州ウィニペグの中央データセンターから情報を得ている仮想サーバのネットワークは当初、一部のシステムの効率を改善するための方法として考案されたものだ、とケベコールのIT担当ディレクター、ティモシー・ハピチャク氏は語っている。
同氏によると、このプロジェクトは、セキュリティ強化、フォールトトレランス、ガバナンス、システム管理機能などの点から、仮想化の効率をテストする手段として始められた。そのほか、サーベンス・オクスリー法(SOX法)への準拠や、レガシーマシンとレガシーソフトウェアを排除し、リプレースするという必要性もプロジェクトの原動力となったという。
仮想化技術に焦点を合わせるという判断が下されたのは2年前のことで、そのためのプロセスは現在も良い形で続いている。
「われわれは、データセンターをまるごと仮想化したり、それを国内で自在に移動させたりといったことまでが可能とは予想していなかった。われわれはプロジェクトを次のレベルに高める努力を続けた。そして、それを妨げるようなことは何も起きていない」とハピチャク氏。
カナダ最大のメディア企業ケベコールの管理者らは、全国にある自社サーバを1時間でアーカイブできる。
ケベコールが現在こうした高度な柔軟性を実現しているのは、EMCの子会社であるヴイエムウェアの仮想化技術を使った研究所のテスト環境から生まれた技術があってこそだ。
だが、今では仮想サーバがものの数時間でWAN中を移動するとはいえ、このプロジェクトは当初から全国規模の導入として着手されたわけではない。実際のところ、現在マニトバ州ウィニペグの中央データセンターから情報を得ている仮想サーバのネットワークは当初、一部のシステムの効率を改善するための方法として考案されたものだ、とケベコールのIT担当ディレクター、ティモシー・ハピチャク氏は語っている。
同氏によると、このプロジェクトは、セキュリティ強化、フォールトトレランス、ガバナンス、システム管理機能などの点から、仮想化の効率をテストする手段として始められた。そのほか、サーベンス・オクスリー法(SOX法)への準拠や、レガシーマシンとレガシーソフトウェアを排除し、リプレースするという必要性もプロジェクトの原動力となったという。
仮想化技術に焦点を合わせるという判断が下されたのは2年前のことで、そのためのプロセスは現在も良い形で続いている。
「われわれは、データセンターをまるごと仮想化したり、それを国内で自在に移動させたりといったことまでが可能とは予想していなかった。われわれはプロジェクトを次のレベルに高める努力を続けた。そして、それを妨げるようなことは何も起きていない」とハピチャク氏。
ハピチャク氏によると、同氏のスタッフはアップルコンピュータのMac OS X、サンマイクロシステムズのSolaris、マイクロソフトのWindows、そしてUNIX、Linuxなど、さまざまなシステムを実行している。同氏がそもそも仮想化技術に興味を抱いた最大の理由は、これらのOSをそれぞれ最適なハードウェア上で調和させ、それと同時にレガシーハードウェアの完全なリプレースメントを実行したいとの考えだった。
ハピチャク氏は中央データセンターという目標を抱えてハードウェアベンダー各社にアプローチした際に、仮想化に関する最初の難題に直面した。ヴイエムウェアのESX Serverの機能が、その下で動作するIBMのハードウェアの機能と干渉し、プロジェクトは「Plug and Pray(接続して祈れ)」の様相を呈したのだ。
「ヴイエムウェアはSAN環境にあるESX Serverにフォールトトレランス用の多くの機能を組み込んでおり、IBMも同様の基礎技術を採用していた。問題は、ESXカーネルにおいて、フォールトトレランス用の幾つかの機能がハードウェアレベルのフォールトトレランスと干渉するかもしれないという点にあった」と同氏。
ヴイエムウェアがテストのためにシステムをラボに持ち帰るより前に、ケベコールのデータセンターはESX Serverソフトウェアがハードウェアをダウンさせ、ハードウェアがESX Serverソフトウェアをダウンさせるという状態に陥った。「現実は製品化にはほど遠かった」とハピチャク氏。
仮想データセンターというアイデアを説得するにあたり、ハピチャク氏はまず、「物理的に触れることのできないサーバ」などという考えに抵抗感を示すであろう、頭の固い経営陣らに対処しなければならなかった。「もう1つ問題だったのは、彼らは“すべての卵を1つのバスケットに入れる”ような中央ロケーションというアイデアを望まなかったということだ。ホストシステムが故障した場合にどうなるのかを、皆が知りたがった」と同氏。
新しい技術を試す企業にとって、こうした懸念は付き物だ、と市場調査会社イルミナータの上級アナリスト、ゴードン・ハフ氏は語っている。
「“10年前にはそんなやり方はしなかった”といった意見が常になされるだろう。それは、どんな技術にも言えることだ。だが、いずれにせよ、何かしら別の方法で実行する必要がある」と同氏。
ハフ氏によれば、仮想化とは多くのサーバを1つに統合することだが、だからと言って、それが良くないということにはならない。それよりも、追加のリスクを軽減するための手段を講じればいい。
ハピチャク氏によれば、このプロジェクトによって、人事の構成に変化が生じたという。より多くのサーバが自動化され、統合されるにつれ、ITスタッフの一部が解雇された。そして、データセンターは現在、中央のロケーションに置かれ、スタッフはより高いレベルの経験を持った少数精鋭の集団となっている。
ハピチャク氏によれば、この技術は予想をはるかに上回っている。「仮想化技術を使うことで、各サーバはクライアントデータとともに巧みに配置されたファイアウォールを備えたマルチレベルのネットワークを持っている。そして仮想スペースにおいては、微調整を行い、zip圧縮を行い、WANを移動できる。データを大きなまとまりで動かせるという点はまさに、われわれがなぜこれほど熱心にこの技術を採用したかを説明する重要なポイントだ」と同氏は語っている。
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