標的型攻撃対策に関する読者調査リポート
標的型攻撃に72.9%が危機感、出口対策に高い関心
特定の企業を狙い撃ちにした標的型攻撃が次々と明るみに出た2011年。同年12月に実施した読者調査から、標的型攻撃対策の実態や課題を探る。
2011年、特定の企業や組織を対象としたサイバー攻撃である「標的型攻撃」が次々と明るみに出た。大企業や防衛産業といった重要情報を握る企業だけでなく、そうした企業に関連する中堅・中小規模の企業や組織も標的になっており、決して他人ごとでは済まされない。
TechTargetジャパンは2011年12月5日から18日にかけて、TechTargetジャパン会員を対象に標的型攻撃対策に関するアンケート調査を実施した。ユーザー企業の標的型攻撃対策の現状はどうか。対策に当たっての課題は何か。本稿は、アンケート調査から明らかになった実態の一部を抜粋して紹介する。
調査概要
目的:TechTargetジャパン会員の企業における標的型攻撃対策について調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2011年12月5日~12月18日
総回答数:351件
※回答の比率(%)は小数点第1位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100%にならない場合があります。
72.9%が標的型攻撃に対して危機意識
回答者の属性については、製造系と非IT系の企業が合わせて47.3%、従業員数11~1000人の企業が53.6%だった。また55.8%は自社のセキュリティ製品やサービスの導入に関与する立場だ。
標的型攻撃に対する危機意識について聞いたところ、「危機意識を持っている」という回答は72.9%と大半を占めた(図1)。
標的型攻撃に関して懸念する被害については、「個人情報などの機密情報が奪われる」(67.8%)がトップとなった(図2)。「従業員のクライアントPCがマルウェアに感染する」(65.8%)や「自社サーバがマルウェアに感染する」(58.8%)が続いた。
標的型攻撃対策を検討中/予定は過半数、情報収集にとどまる企業も多数
標的型攻撃対策の状況を聞いたところ、「対策を行っているが追加の対策(強化)を検討中」が33.2%、「必要性を認識しており、今後対策を行う予定」が18.9%となった。上記を合わせると、何らかの対策を検討したり予定するのは全体の52.1%と過半数を占める(図3)。
対策の具体像を把握するため、導入済みのセキュリティ製品や技術について尋ねた(図4)。「ファイアウォール」(86.4%)や「クライアント向けアンチマルウェア製品」(69.8%)は当然ながら導入率が高い。その他「プロキシサーバ」(50.8%)や「セキュリティパッチ管理」(42.5%)の導入も多い。
標的型攻撃対策に当たってセキュリティ製品の追加導入を検討しているかどうかという問いには、「中長期的に導入を検討している」(16.6%)と「今後1年以内に導入を予定している」(4.3%)を合わせると、20.9%が追加導入を予定・検討中だと回答した(図5)。「これから情報収集を行う」も28.9%と多い。確固とした対策が見えない中、具体的な動きに踏み出せないユーザー企業は少なくないだろう。
追加の対策を検討または予定すると回答した人に、追加導入を検討中のセキュリティ製品(技術)を聞いた(図6)。「侵入検知システム(IDS)/侵入防御システム(IPS)」(36.5%)がトップとなり、「統合ログ管理」(19.0%)や「ネットワーク監視」(15.9%)が続いた。これら上位の製品は、情報の流出を水際で防ぐ「出口対策」を実現する上で不可欠な要素だ。
導入するセキュリティ製品の多さが課題に
標的型攻撃対策の現実解として、さまざまなセキュリティ製品を組み合わせた「多層防御」の重要性が指摘されている。その一方で、増加し続けるセキュリティ製品の導入や運用を負担に感じる声も多い。自社におけるセキュリティ製品導入・活用のハードルについて尋ねたところ、「複数のセキュリティ製品を導入、運用する負担が大きい」(42.2%)との回答が、次点の「社内ポリシーや内部統制への対応」(25.9%)を大きく引き離してトップとなった(図7)。
セキュリティ製品(技術)の導入方法について聞いたところ、「複数の機能を備えた統合脅威管理(UTM)製品を導入している」のは19.3%にとどまり、大半は「UTMを導入せず、個々の分野別に適切な製品やサービスを導入している」(80.7%)ことが明らかになった(図8)。だが製品数の増大による負担を軽減する策として、UTM製品導入の動きは今後広がる可能性があるだろう。
詳細なアンケート結果は、以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。
本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果とともにアンケート回答者の詳細な属性も紹介されている。ぜひ参照されたい。
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