ホワイトペーパーレビュー
バックアップ環境の改善事例を紹介する3つのホワイトペーパー
仮想環境の普及やクラウドへの移行などに伴い、バックアップ運用に関する新たな問題が出てきた。本稿では、その解決のためにバックアップ環境を改善した企業の事例を取り上げた3つのコンテンツを紹介する。
TechTargetジャパンが2012年7、8月に会員を対象に実施した「企業のストレージ利用状況に関する調査」によると、全体の73.2%が「バックアップ/リカバリ環境」を構築していると回答。一方、ストレージ環境への不満として、3割以上の回答者が「バックアップ処理に時間がかかる」点を挙げていた(関連記事:87.7%がデータの増加を実感 読者調査が示すストレージ利用状況)。データ量の増加や事業継続計画(BCP)/災害復旧(DR)への対応などに関心が高まる中、バックアップ環境の見直しを検討する企業が増えている。
重複排除技術を採用した6社の事例を紹介
サーバ仮想化環境の導入、リモートバックアップサービスの利用などで企業のバックアップ環境は複雑化している。このホワイトペーパーでは、バックアップ運用に課題を抱えていた6社の改善事例を紹介している。
各社の課題はさまざまだが、その解決策は「重複排除技術の採用」だった。例えば、済生会熊本病院は、院内の各種システムのデータバックアップを実施するため、ディスクストレージとテープ装置を組み合わせたD2D2T方式のバックアップ環境を構築・運用していた。しかし、サーバ台数の増加や各サーバが扱うデータ量の増大により翌日の業務に支障を来すほど、バックアップ処理に時間がかかってしまった。同病院はバックアップ環境の改善を検討し、重複排除ストレージ「EMC Avamar」を導入。その結果、16時間以上かかっていたバックアップ作業を40分以下に短縮したという。
このホワイトペーパーでは、バックアップ環境を統合して本社とデータセンター間のDRシステムを構築したワコム、複数拠点で共有するストレージのバックアップデータの転送量を抑制した大林組などの事例を紹介。多くの企業が悩んでいる課題とその改善策が取り上げられている。
仮想環境の再構築を機に、バックアップソフトを見直し
サーバ仮想化が普及する中、従来の物理環境と同様のバックアップ手法を実施している企業も多いが、最適なバックアップ/リカバリ環境の構築が難しい場合もある。このホワイトペーパーでは、仮想環境に最適なバックアップ環境への再構築に取り組んだサンリオの事例を紹介している。
同社は2005年からサーバ仮想化に着手し、現在はシステム全体の70%を仮想環境で構築している。業務システムを仮想環境に移行するたびに異なるバックアップ手法を採用してきた結果、バックアップの運用が複雑になり、システムの復旧に対する潜在的な不安を抱えていたという。また同社のシステム部門ではジョブローテーションを行っているために、担当者のバックアップスキルが高まらず、運用工数の増大が問題となっていた。
同社は2011年に仮想環境の再構築に伴い、バックアップ手法の全面的に見直しに着手。「物理環境で導入しているバックアップ製品を仮想環境にも適用する」「仮想環境に特化したバックアップ製品を導入する」の2案を検討した結果、後者を選択してCA Technologiesのバックアップソフト「CA ARCserve D2D」と仮想環境専用オプション「CA ARCserve Central Host-Based VM Backup」を導入した。バックアップ手法を変更することで、新しいゲストOSにバックアップ設定を追加する作業時間を約30分から約5分と6分の1まで短縮し、社内でのバックアップ運用の標準化を実現したという。同社がなぜ仮想環境に特化したバックアップ製品を導入したのか? その理由の詳細は、ホワイトペーパーでご確認いただきたい。
大規模システムのバックアップを統合
1962年にホストコンピュータを導入するなど、ITを利用した地方行政に早くから取り組んできた東京都江戸川区は、長年の改修や業務のIT化によって、システムが増えて複雑化していた。また、区民へのサービス提供時間が土日や夜間になったことでシステムの稼働時間が長くなる一方、データ量の増加によって夜間バッチ処理に時間がかかっていた。さらにシステムごとに異なるバックアップツールを利用していたため、作業を担当する職員に負担がかかっていたという。
江戸川区では、システムの共通基盤「e-SHIP(Edogawa Shared Information Platform)を構築し、全ての基幹系/情報系システムをe-SHIPに移行して運用管理の一元的に着手した。それに伴いバックアップの統合を検討。バックアップソフトの選定には、120の業務システムの共通基盤で活用すること、マルチOSや仮想環境への対応、大規模環境での安定性などを考慮し、シマンテックの「Symantec NetBackup」を採用した。その結果、バックアップの処理時間や実施可能なタイミングが異なる業務システムのバックアップ作業を一元管理でき、データ量やシステムの稼働状況の変化に合わせてバックアップ手法を柔軟に組み合わせるなどが可能になったという。
このホワイトペーパーでは、プライベートクラウドにおけるデータ保護と可用性確保についても解説している。大規模なシステムのバックアップ対策の参考になるだろう。
今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、バックアップ装置やバックアップソフトに関する技術文書や製品資料、事例紹介などを掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。
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