利用者が求めるのは柔軟性
AWSの料金プラン“新リザーブドインスタンス”に足りないもの
Amazon Web Services(AWS)のリザーブドインスタンスは、インスタンスの長期利用を見込んで予約金を支払う利用形態だ。このリザーブドインスタンスをめぐって、AWSユーザーからはさまざまな意見が寄せられている。
米Amazonは柔軟性の向上を目的として、Amazon Web Services(AWS)のリザーブドインスタンスの管理方法を変更した。クラウドコンピューティングのユーザーは、これをきっかけにインスタンスのタイプが増えることを期待している。
リザーブドインスタンスは同一リージョン内ならばアベイラビリティゾーン間で移動させることができる。AWSのアカウント(利用者)がEC2-Classicネットワークを所有している場合は、EC2-VPC(Virtual Private Cloud)に移行することができる。
AWS専門のコンサルティング会社、米G2 Technology GroupのCEOであるグレン・グラント氏は、リザーブドインスタンスをアベイラビリティゾーン間で移動できるようになったことはとりわけ大きな魅力だと感じている。
「1つのアベイラビリティゾーン内に多数のリザーブドインスタンスを購入していた顧客もいただろう」と同氏は語る。「(購入済みの)リザーブドインスタンスを無駄にすることなく、顧客のシステムを高可用性アーキテクチャに移行させるという提案がコンサルタントとしてできるようになった」(グラント氏)
それでも、リザーブドインスタンスにさらに柔軟性を持たせてほしいと語るAWSユーザーもいる。
「(AWSが)そのうち複数リージョンの利用も認めてくれればいいのだが」と、Webベースのデータ分析会社、米EkhoのCEO、ケント・ラングリー氏は話す。「AWSを利用していると、全てのリージョンをメタデータセンターとして扱いたくなることがある。人為的に制約を設けているところが気に入らない。世界各地の複数リージョンを利用して流動性を高めたいのに現状ではそれができない」(ラングリー氏)
リザーブドインスタンスの新機能に関するAWSのブログ記事に対してコメントを書き込んだユーザーは、リソースプールの一定の範囲内でインスタンスをリサイズする機能も追加してほしいと提案している。
「リザーブドインスタンスの柔軟性はある程度しかなく、オンデマンドインスタンスほどではない。AWSは使用量のプランニングとビジネスの予測についてはリザーブドインスタンスに依存しているからだ」と、フランスを拠点としてクラウドコンピューティングのモニタリングソフトウェアを開発する新興企業Teevityの創立者ニコラス・フォンローズ氏は、インタビューの中で語っている。
リザーブドインスタンスのビジネスモデルと、ユーザーが本当に求めているものとはかみ合っていない部分がある。AWSが用意しているのはリージョンを指定する機能だけなのに対して、(ユーザーが指定したいと考えているのは)今後数カ月または数年のうちに実現したい演算能力と強度のレベルだ。そこで、「AWSが現在顧客に提供しているものとユーザーが求めているものの間には間違いなくギャップがある」とフォンローズ氏は言う。
この意見に異を唱えるAWSユーザーもいる。
「こういう場合は、ほどほどで妥協しながらAWSを上手に利用すればいい」と話すのは、クラウドコンピューティングのモニタリングサービス会社、米Stackdriverのクラウドプラットフォームエンジニアであるジョーイ・インバスチアーノ氏だ。「われわれが容量計画を用意しておく必要があるのと同じように、AWSもプランニングのために(リザーブドインスタンスを)使用している。こうした特性のために、Amazonにとってはプランニングが大きな課題になっていると思う」(インバスチアーノ氏)
現在のところ、リザーブドインスタンスの使用量を変更したいユーザーは、スポットインスタンスのマーケットプレイスを利用して、未使用分を他のAWSユーザーに転売できる。リザーブドインスタンスの利用料金に変更はない。小さいインスタンスの軽度使用の場合、1年間の予約金は1時間3セント、これに61ドルの前払い金が必要になる。
Amazonの広報担当者は、サービスに関して顧客からの意見は大歓迎だとコメントしている。
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