Chrome、Firefoxがまたアップデート……
頻繁なソフトウェア自動更新に振り回されるユーザーができること
Webブラウザに代表されるように、ソフトウェア更新が頻繁にリリースされるアプリケーションが増えている。アプリケーションの動作を正常に保つために、どう対処するのが最適か。
ソフトウェアのアップデートは突如として、「早期リリース、頻繁なリリース、繰り返し」という新基準が出来上がった。アップデート版が例えば半年ごとといったスケジュールで定期的にリリースされるのであれば、それほどの負担にはならない。だが、もし自分が管理するIT環境で、特定のエンドユーザープログラムのアップデート版が2週間ごとに公開されるとしたらどうだろうか。
それほど頻繁で厄介なソフトウェアアップデートに対応したいと思う管理者はほとんどいないはずだ。ましてやユーザーにユーザー自身の環境でソフトウェアのアップデートを認めるような管理者は存在しない。ユーザーのソフトウェアが監視されないまま更新されるのを許す管理者もいないだろう。
更新間隔の短い2つのプログラムとして、人気Webブラウザの「Mozilla Firefox」と「Google Chrome」(Chromium)が挙げられる。両方とも、頻繁なソフトウェアアップデートに対する企業の対処方法を探る実例として取り上げる価値がある。
方法1:ポリシーを使ったアップデートの無効化
この問題への最も直接的な対処法は、ポリシーの仕組みを使って自動更新を無効にすることだ。ただし問題のアプリケーションがその仕組みを備えていることが前提となる。FirefoxとChromeはいずれもその仕組みを持っているが、方法は大きく異なる。
Googleが提供している「Chrome for Business」というChromeの特別バージョンには、Chrome導入のポリシーオプションが100以上ある。この中で最も分かりやすい自動更新のオプションは、Chrome for Businessではデフォルトで有効になっている。これは、Chrome MSI(インストールパッケージ)を組織に導入する際に、“NoGoogleUpdating”というスイッチを使って無効にできる。
Googleは、自動更新は良いことだというスタンスを取っている。これを無効にすると、最新のセキュリティアップデートが受け取れないためだ。
一方で、自動更新機能によって自分の組織が必要とする機能がいつの間にか使えなくなることもある。これは企業にとって、少なくともソフトウェアアップデートと同じくらい差し迫った問題だ。例えば最近のChromeのアップデートではJavaの仕組みに変更が加えられた。これが原因で、私が使っていたブラウザアプリケーションの少なくとも1つは正常に動作しなくなった。
Chrome for Businessには管理者のために、1つではなく2つの更新の仕組みがある。1つ目はGoogleの「Omaha Updater」で、これはChrome自体が更新を実行するために使っているのと同じアプリケーションだ。スタンドアロンのユーティリティとしても利用できる。
もう1つの「Chrome Component Updater」は、Chromeの内部コンポーネントを最新の状態に保つ。自動更新を無効にするとComponent Updaterも変更を検出できなくなるが、Googleはこれも推奨していない。
一方のFirefoxは、組織に導入するためのツールセットの提供には長い間無関心で、その作業の多くをサードパーティーに任せていた。例えばオープンソースプロジェクトの「FirefoxADM」では、Firefoxの設定をグループポリシーとActive Directory経由で管理できる。
もう1つのツール「CCK Wizard」では、Firefox導入のための高度なカスタマイズとリパッケージ(別のサードパーティーツールを利用)を実現する拡張機能が作成できる。どの仕組みを採用するにしても、“app.update.enabled”を無効にすれば、自動更新は防止できる。
方法2:サードパーティーの導入ツールを使った修正版の利用
システムにプログラムをインストールする最も一般的な方法は、開発元からそのプログラムを入手して、MSIなどのインストーラをインストール先のマシンに配信することだ。だがそれとは別に、独自のソフトウェア更新の仕組みを持ったサードパーティーのソフトウェア配信システムを使うという手もある。
そうしたシステムの1つ、「PortableApps」は、システムに正式にインストールすることなく実行できるようにリパッケージされたオープンソースの無料ソフトウェアスイートだ。それぞれの「ポータブルアプリ」は、どこであろうと展開先のディレクトリ内で動作し、システムの他の部分には変更を加えない。消去するにはフォルダを削除するだけで済む。
さらに、PortableAppsで提供されているプログラムの多くは、通常はChromeやFirefoxのように自動更新の仕組みを備えているが、リパッケージの一環としてその仕組みを無効にしている。つまり、管理者は問題のプログラムのPortableAppsパッケージ版を入手して導入し、自分のペースでそのアプリケーションを更新版に入れ替えられる。
また、PortableAppsライブラリでは万が一、前のバージョンに戻すことが必要になったときに備えて、プログラムの以前のバージョンが利用できる(例えばFirefoxなど)。
PortableAppsを使う場合、念頭に置くべきことが3点ある。まず、自分が導入したいプログラムが全てアプリライブラリにそろっているとは限らない。ライブラリは豊富で常に拡大し続けていて、提案も受け付けているが、特定のプログラムが利用できるという保証はない。
次に、PortableAppsには、PortableAppsを整理、実行、更新するためのランチャーアプリケーションがある。このランチャーは、Group Policy Object(GPO)などの標準的なソフトウェア展開ツールでは容易に管理できない。例えばそれ自体の自動更新の仕組みを手動で無効にすることができない。従って、導入手順の一環としてこれを使わないのが最善だ。
第3に、PortableAppsを通じてリパッケージされた全てのアプリで自動更新の仕組みが無効になっているわけではない。まずテストしてみて、自動更新が無効になっているかどうか調べた方がいい。
頻繁なソフトウェアアップデートに対処する最も「公式な」手段は、どのような形態であれ、そのプログラムがサポートしているポリシーの仕組みに従うことだ。もしそのプログラムが、プロフェッショナル環境での利用を少しでも想定して開発されていれば、ポリシーを通じたある程度の管理機能はあるはずだ。だが、もしそうでない場合、自動更新されないリパッケージ版に目を向けて、使ってみるのもいいだろう。いずれにしても、そして最も重要なのは、新しいリリースに目を配ってユーザーに更新版を配布する責任は自分にあるということだ。
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