キャリアパスがより細分化
情シス担当者が転職を決意する時 調査結果が示すリアルな姿
企業ビジネス成功の鍵を握るITインフラ。それを支えるシステム担当者の仕事は日々プレッシャーに満ちている。彼らは仕事への満足度や今後のキャリアパスについてどう考えているのか? 読者調査の結果から探る。
企業のデータセンターの管理を担当するITプロフェッショナルは、システム連係や自動化、セキュリティ、施設の問題など、実に多くの課題を抱えている。今日のビジネスの成否を左右する可能性がある彼らの仕事はプレッシャーに満ちている。
では、データセンター管理者という仕事で得られるものは何だろうか、そして次のキャリアステップに踏み出すべきタイミングはいつなのだろうか。米TechTargetは先ごろ、約400人のITプロを対象として、彼らの関心事、職業的特徴、待遇、労働環境などに関する調査を実施した。あなたのIT業務と比較してみてはどうだろうか。
2014年の課題と技術展望
主な業務について質問したところ、155人のITプロが「データセンターの管理に大半の時間を費やしている」と答えた。2014年に向けた課題として、これらのITプロの31%が「今後もデータセンター管理の業務が最大の関心事だ」と答えたのに対し、「仮想化に取り組む」と回答した人は30%、「セキュリティ問題に対処する」という回答は23%だった。
ITプロは技術的課題に取り組む一方で、ビジネス部門に価値を提供しなければならない。これは、過去数年間でIT部門を企業の重要なビジネスパートナーへと進化させた重要なトレンドだ。
ITをめぐる今後の計画として、回答者の59%が「IT業務を効率化してビジネスに貢献したい」と答えた。具体的な方法としては、サービスの自動化技術(サービスチケット発行/追跡システム)やシステム監視ソフトウェア、キャパシティープランニングソフトウェアなどを活用することが考えられる。
ホステッドサービスプロバイダーの米VirtualQubeのスコット・ゴースター最高経営責任者(CEO)は「データセンターはモバイル端末管理ツールやドメイン管理ツールなどの新しいソフトウェアを追加して、ユーザー管理を効率化する必要がある」と指摘する。
その他の優先課題としては、回答者の56%が「2014年にはITで従業員の生産性を向上する必要があると考えている」と答えた。この目標を達成する手段としては、アプリケーションの新規導入やアップグレード、プライベートクラウドプロビジョニングなどのセルフサービス機能などがある。また回答者の46%が「新しいツールや技術でビジネスプロセスを簡素化するという形でITの価値を提供したい」と答えた。具体的には、効率的なデータ保護対策やコンプライアンス対策を導入するといった取り組みを挙げている。
「俊敏性を高める手段としてクラウドサービスとクラウドの自動化の重要が高まっている」と指摘するデータセンターマネジャーもいた。
経験と報酬
調査の回答者の大多数はIT分野で10年以上の経験の持ち主だったが、過半数のITマネジャーは現在の職種での勤務年数が5年以下だった。
「IT分野での経年年数が11~20年」と答えたのは回答者の39%だった。「経験年数が21~30年」と答えた人は34%、「30年以上」は13%だった。「経験年数が6~10年」は12%、「6年未満」は2%だった。
データセンター管理業務に限定すれば、「現在の職種に就いてから1~5年」と答えたITプロは50%だった。「現在の職種に就いて6~10年」という回答は20%、「10年以上」と答えたのは17%、「1年未満」は13%だった。
現在の職種に就いてから1年未満のITプロの多くは、「新しいチャレンジを求めて」あるいは「給料が良いから」という理由で今の職種に移ったと答えた。「前の職種が廃止された」という理由を挙げた人もいた。
データセンター管理者の給与水準は全般的に高く、平均年収(給与、歩合、ボーナスの合計)は11万7793ドルだった。また、データセンター管理者の48%が2014年に昇給を見込んでおり、ボーナスを期待している人は23%だった。「2014年の年収は現状維持の見込み」という回答は24%、「年収が減少する見込み」と答えた人はわずか1%だった。
報酬をめぐる議論は従業員の価値とも関連しており、多くのITプロが自分の技術知識と業務効率を改善するためにトレーニングや専門講習などの機会を利用している。
ITサービスを専門とする米InfoCuresのIT管理者、ロン・ザウォラ氏は「私の場合は、専門書を読んだりオンライン講習に参加したりするなど、自分のペースで学習できる方法を利用している」と話す。ベンダーの講習や大学の講義などの正式なトレーニングに参加するようにしているというITプロもいる。
だがIT部門の全般的な士気が必ずしも報酬に反映されるわけではないようだ。データセンター管理者の38%は、ITをめぐる状況を楽観視しており、その理由として「イノベーションの奨励」「数年前と比べてビジネス環境が改善していること」「強力な経営陣のリーダーシップ」などを挙げている。一方、回答者の35%がITを取り巻く雰囲気を悲観的に見ており、「キャリアアップの機会が限られている」「経営のやり方がまずい」「予算が縮小された」「アウトソーシングの増加」などの理由を指摘している。「ITをめぐる状況は良くも悪くもない」と答えた回答者は26%だった。
データセンター管理者の成功とは
成功を望んでいないITプロはいないが、“成功”の基準は個人によってもIT目標によっても異なる。データセンター管理者の場合、「ITサービスの信頼性を確保すること、すなわち条件や状況にかかわらずデータセンターを中断なく機能させることが成功の基準」と答えた人が66%だった。一方、「プロジェクトをスケジュール通りに完了することによって、ビジネスにメリットをタイムリーに提供することが成功の基準」という回答は41%、「革新的な技術を導入し、プロセスを効率化することによって製品やサービスデリバリーを改善すること」という回答は39%、「生産性改善の目標を達成すること」という回答は36%だった。
ザウォラ氏は「仕事への満足度は、目標達成による充足感とビジネスの費用対効果への貢献度によって測ることができる」と説明する。
「私のユーザーが成功したのであれば、私は成功したということだ。重要なのは収益への貢献だ。私がより多くの経費を節減すれば、それだけ多く稼いだということになる」と同氏は話す。
仕事を変えることが成功につながる場合もある。データセンター管理者の少なくとも25%はIT部門での昇進を狙っているのに対し、部署にこだわらない昇進を狙っているのは21%だった。また「現在の業務にとどまるつもり」と答えたのは17%、「より大きな企業への転職を狙っている」という回答は13%だった。ある大手金融会社のインフラ担当ディレクターは「もうすぐアプリケーション配信ディレクターという職務に就く予定だ」と述べている。
ザウォラ氏は「私がさらに上のレベルのリーダーになるためには、スキルの幅を広げる必要がある。総合的な能力を磨くことで次のポジションを選べるようになる」と語る。
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