IT雇用市場に男女格差
女性とテクノロジー業界、雇用の大幅増が意味するのは?
新しい技術やITスキルに対する給与面の優遇によって、IT部門は人の入れ替わりが激しい。2013年はIT関連業務で女性の雇用が大幅に増えた。
米アイオワ州アーバンデールを拠点とするテクノロジーとエンジニアリングのプロフェッショナルを対象としたキャリアサイト「Dice Holdings」が示した米労働統計局の2013年のデータによると、新しく創出されたテクノロジー関連業務の60%に女性が就いた。2012年の割合は全体の35%程度であったことを踏まえると、これは大きな変化だ。
数値は確かに増加しているが、IT業界ウオッチャーは、IT業界で男女格差がなくなったとは見なしていない。
IT業界に長年携わっているレイチェル・シャルマース氏は次のように話す。「2013年、技術職で女性の採用が増加したのは喜ばしいことだが、慎重に捉えている。変則的な結果が1年見られただけで、過去9年間のデータが示す傾向が覆されるわけではない。10年分のデータで証明されたら、私はこの傾向を喜んで受け入れるだろう」
一方、Dice Holdingsは今後のIT分野への女性の進出に関してこのデータを楽観的に見ている。
「確信するには早過ぎる。数カ月のデータでは確かな傾向とはいえない。しかし、しばらくの間、企業が積極的に推進してきたさまざまな計画の成果が今回初めて現れたといえる。失業率の低下と職業の選択肢の増加で、男女共にSTEM(Science, Technology, Engineering and Math:科学、技術、工学、数学)関連の職業に就くメリットを意識するようになっている」とDice Holdingsの社長、サルバン・ゴリ氏は話す。
テクノロジーは雇用市場で力のある分野の1つとなっている。IT業界に携わる女性が増えるのは当然の結果だ。
「長い目で見れば、男性のみを積極的に採用する企業が潜在能力を発揮するのは難しいだろう。新しい技術職に占める女性の割合が増え続けると、女性の技術者が技術者の代表として見なされるようになるだろう」とゴリ氏は話す。技術専門職に就いた女性は、技術専門職に就いた男性と同レベルの教育、職務経験、肩書を持っていることが多い。
「女性は同じ立場の男性に後れを取らないかと心配する必要はない。ただ、正当な理解を得たり、評価されたり、要望を伝えたりできる環境が必要だ。要職に就き、出世の階段を上っている女性の前例はある。仕事で成功を収めるには模範となる人物から学ぶことが重要だ」と同氏は話す。
好調が続くIT雇用市場
STEM分野の失業率は米国の平均失業率の約半分だ。
Dice Holdingsが提示した米労働統計局の統計によると、2013年第3四半期の技術専門職の失業率は3.9%、米国の平均失業率は7.3%だった。
雇用市場で最も活気があるのは、ソフトウェア開発だ。
「2000年以降、ソフトウェア開発者の平均失業率は非常に低い状態で推移しているが、それでも企業はソフトウェア開発のスキルを持つ人材を求めている。テクノロジースタックのアプリケーションレベルに近いスキルを持つ技術者ほど、昇給や、企業から必要とされる機会が増える」とゴリ氏は話す。
同氏によると、クラウドサービスプロバイダーからの報告の通り、政府が「データ処理およびデータホスティング」と呼んでいる分野でも雇用の拡大が見られる。
稼げるのは「ビッグデータ分析」
米Foote Partners LLC(フロリダ州ベロビーチを拠点とする独立系ITリサーチ・コンサルティング会社)は、2013年第4四半期の「IT Skills Demand and Pay Trends Report」(ITスキルの需要と給与の傾向に関する報告書)を公開した。この報告書には、IT認定資格および認定資格のないITスキルの所有者に対する給与面の優遇についての詳しい情報が含まれている。
2013年の第3四半期にIT認定資格の所有者に対する給与は1.5%増加した。これは四半期単位の増加としては2005年以降最大の増加だ。また、認定資格所有者に対する給与が2四半期連続で増加が見られたのは2006年以降初めてのことである。
認定資格を持たないエンジニアに対する平均給与は、第3四半期に0.4%とわずかに増加し、7四半期連続の増加となった。結果として、認定資格を持たないエンジニアに対する給与は、ここ36四半期で29回増加し、過去12カ月で1.8%増加したことになる。
報告書によると、2013年7月1日~10月1日に実施した調査の対象となったITスキルの所有者のうち、ビッグデータ分析は、最も高い賃金が支払われていることが判明した。予測分析、データ管理、データアーキテクチャ、インフラストラクチャ構築、IT管理スキルもビッグデータ分析に次いで上位を占めている。
同じ調査期間で給与額が最も高いことが判明したのはOpen Groupの「Master Architect」認定資格の所有者で、次いで「Cisco Certified Architect」「EMC Cloud Architect Expert」「Open Group Certified Architect」「PMI Program Management Professional」などがランクインした。
IT分野の雇用拡大
米労働統計局が発表した2013年10月の米国雇用者数では、一般的にIT担当者に関連するとされている4つの産業分野で1万400件の雇用が生まれたことが明らかになった。これは、ここ3カ月で最大の月単位の増加である。
この報告書のIT関連の月単位の雇用状況を見ると、増加の大半を占めているのは「管理と技術コンサルティング」および「コンピュータシステム設計と関連サービス」の2つの分野である。この2つ分野によって1万400件の雇用が米国従業員総数に加算された。これは、2013年の同分野における月平均の1万250件よりわずかに多く、8月(6600件)と9月(3500件)と比較すると大幅な増加だ。
通信とデータ処理およびホスティングと関連サービスの分野では、それぞれ500人の失業者が発生しているが、失業者数は前月よりも2000人減少している。また、2013年は毎月平均で1750件以上の新規雇用が生まれた。
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