米国における調査結果は、企業のCIOでも性別によって給与に差があることを示す。この不平等をなくすには男女が持つ固定観念を乗り越える必要がある。
IT幹部と最高情報責任者(CIO)の給与には、性別が影響しているようだ。米TechTargetが実施した「TechTarget IT給与調査2012」によると、概してCIOとIT幹部の年棒は女性の方が男性よりも少ない。
上級IT管理職(※)の地位にある回答者778人のうち、女性は138人で平均給与は8万6294ドルであったのに対し、男性は631人で平均給与は10万8741ドルだった。さらに年棒水準が8万9000ドル未満の回答者は女性では60%に上るが、男性は40%にとどまっている。
※VP、CIO、あるいは上級役員クラス(以下、Cレベルエグゼクティブ)。
報酬における不平等は、IT業界で働く女性だけの問題ではない。平均給与の男女格差はさまざまな業界で見られる。しかし、男女平等の実現に取り組む米国大学婦人協会(AAUW)で研究部長を務めるキャサリン・ヒル氏によると、上級職レベルでの報酬格差は特に大きいという。今回の米TechTargetの調査結果は、AAUWが2012年に実施した「The Simple Truth About the Gender Pay Gap」(報酬における男女差についての真実)でも明らかにされているように、全米で見られる傾向だ。
「高学歴で幹部レベルにいる女性が、最も甚大な報酬格差を経験している場合がある。特定の分野では上級職に女性が多いため、かなり男女間の格差はなくなっているといわれるが、詳しく調べてみると、上級管理職レベルでは報酬格差が大きいことが多い」とヒル氏は現状を明かす。
2011年の米国勢調査によると、女性就業者のうち10万ドル以上の報酬を得ているのは約6%であるのに対し、男性就業者では15%である。別の表現をすれば、「年収が10万ドル以上の労働者に占める女性の割合は約4分の1だが、全就業者の約半分は女性だ」(ヒル氏)
TechTarget IT給与調査2012でも、給与レベルが高い回答者間で同様の傾向が見られた。男性回答者のうち給与が19万ドル以上であるのは5%強だが、女性回答者でこのレベルの給与を得ているのは1.5%にすぎない。実際、給与平均が13万ドルを超える女性回答者の割合(14%)は、男性回答者の割合(27.2%)よりもはるかに低い。
TechTarget IT給与調査2012の女性回答者に話を聞いてみたところ、1人として調査結果に驚きはしなかったが、この格差が性別によるものだと即座に認めることもなかった。匿名を条件に、今回の調査で判明した給与格差についてコメントを得ることができた。以下、人物名は仮名だが、役職と会社の所在地は実際のものである。
彼女たちはいずれも、部下の給与を決定する立場にあり、実際、給与規定に従って、公平な給与が支給されるようにしている。しかし、自分自身の給与は、別の話になることがあるようだ。
シアトルにあるデジタルマーケティング会社のプロジェクト管理担当副社長「ナンシー」は、現在は公平な報酬を得ていると思っているが、最初からそうだったわけではない。
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