資金調達に苦しむFinTech企業が「収益」を伸ばしている“なるほどの理由”“冬の時代”の生存戦略

金融とITを融合させている「FinTech」企業に対する投資が減少したにもかかわらず、収益が伸びていることが、コンサルティング企業の調査で分かった。その理由はある“変化”だという。どういうことなのか。

2025年07月06日 06時00分 公開
[Karl FlindersTechTarget]

 FinTech(金融とITの融合)企業は活況を呈している。コンサルティング企業Boston Consulting Group(BCG)によると、2024年、全世界におけるFinTech企業の収益は前年比で21%増えた。これは2022年から2023年の増加(13%)を上回っている。資金調達の困難といった逆風がある中、FinTech企業はなぜ収益を伸ばしているのか。

FinTech企業の収益が伸びている理由はこれだ

 コンサルティング企業/国際会計事務所KPMGによると、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)地域におけるFinTech企業への投資額は、2023年の276億ドルに対して、2024年は203億ドルとなり、約26%減少した。英国に関していえば、同時期に投資額は136億ドルから約27%減の99億ドルに落ち込んだ。

 こうした中、FinTech企業の収益が伸びているのは、投資家による圧力もあって「収益重視」にかじを切る動きがあるからだ。BCGによれば、2024年、上場しているFinTech企業の69%が黒字決算だった。以前と比べて資金調達が困難になったことを受けて、FinTech企業は売り上げ拡大よりも堅調な財務基盤の構築に重点を置くようになったとBCGは説明する。

 BCGマネージングディレクター兼シニアパートナーのディーパック・ゴヤル氏は、FinTech企業について「ビジネスの成熟度が高まっている」と述べる。同氏によれば、投資家による圧力に加え、規制当局もFinTech企業に対して説明責任を強く求めるようになったことが背景にある。

 今後、FinTech企業の成長分野になり得るとBCGが注目しているのが人工知能(AI)技術だ。同社によると、特にAI技術によってさまざまな作業を自動化する「AIエージェント」の利用が業務の効率化につながり、FinTech企業に新たな収益向上の機会をもたらす可能性がある。

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