FinTechへの投資は2025年後半に持ち直す? その根拠とは「厳しい時代」を迎えたFinTech

KPMGによると、FinTech企業への投資は2025年後半に回復する可能性がある。回復の兆しが見える背景には、どのような要因が考えられるのか。

2025年02月26日 05時00分 公開
[Karl FlindersTechTarget]

関連キーワード

金融


 FinTech(金融とITの融合)への投資は、2025年後半に回復する可能性がある。コンサルティング企業/国際会計事務所KPMGによると、英国のFinTech企業への投資額は2024年、前年比で4分の1以上減少したが、回復の兆しが見えているという。

回復の兆しが見える背景とは?

 KPMGによると、2024年の英国のFinTech企業への投資額は99億ドルだった。前年の136億ドルから27%減少した。2024年の欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域での総投資額は203億ドルで、前年の276億ドルから減少した。

 FinTech業界の専門家クリス・スキナー氏は、「FinTech業界は厳しい時代を迎えている」と語る。「FinTech業界は2023年に打撃を受け、投資額は2022年に比べて48%減少した。2025年を迎え、さらに減少した」(同氏)

 KPMGは、地政学的な不確実性、高水準のインフレ、高金利が「英国のFinTech投資の低迷につながった」と指摘する。同社の英国FinTech担当リード兼パートナー、ハンナ・ドブソン氏は「2024年はFinTech投資にとってまたも厳しい年となり、事業の失敗や統合が相次いだ」と指摘。「利益の追求とコスト管理に焦点が当たり、長期的にはより持続可能な事業、売却可能な事業への投資が進む」とみる。

 さらにドブソン氏は、「2025年前半の投資額は、低調なまま推移する」と予測する。しかし「金利が低下するにつれ、2025年後半に回復し始める可能性がある」との見方を示す。

世界全体のFinTech投資にも「明るい兆し」

 投資が減少したのはEMEAだけではない。世界的に見ると、2024年のFinTech企業への投資額は950億ドルと、2023年の1137億ドルから7年ぶりの低水準に落ち込んだ。

 KPMGの金融サービス部門グローバル責任者および英国責任者、カリム・ハジ氏は、幾つか「明るい兆し」もあると述べる。ハジ氏は「決済分野やRegTech(金融業界の規制への対処を効率化する技術)に注目が集まっている」と指摘する。決済分野における世界全体の投資額は、2023年の約172億ドルから2024年には310億ドルに成長した。

 ハジ氏は「金利の引き下げや資金調達コストの低下により、さまざまな取引が成立し始めている」と述べる。一方、国際貿易の変化がインフレや金利、市場の変化にどのような影響をもたらすかは分からないと付け加えた。

TechTarget.AIとは

TechTarget.AI編集部は生成AIなどのサービスを利用し、米国Informa TechTargetの記事を翻訳して国内向けにお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

事例 双日テックイノベーション株式会社

ニッセイ情報テクノロジーに学ぶスマートワーク推進、会議&外線電話の課題解消

ニッセイ情報テクノロジーでは、テレワークから出社へ移行する中で、会議の効率化と外線電話の対応が課題となっていた。そこで同社は、テレビ会議システムやクラウドPBXを活用し、柔軟な働き方を実現するための環境を整備した。

製品資料 株式会社ジャストシステム

紙を用いた業務から脱却、製造業でのペーパーレス化を推進するための打開策とは

製造業では、紙ベースの業務が依然として多く残っているが、業務効率やセキュリティの観点で考えると、ペーパーレス化の必要性は高い。本資料では、その推進を支援するノーコード開発に対応したクラウド型の業務管理システムを紹介する。

製品資料 株式会社ジャストシステム

社内に眠る情報を徹底活用、「データドリブン」に向けて押さえたいポイント

会社内には多種多様な情報が存在している。そこには、ビジネスをドライブし新たな価値創出につなげる起点となる貴重なデータもあるはずだ。そうしたデータを生かし、データドリブンを実現するためのヒントと具体的方法を紹介する。

製品資料 株式会社ecbeing

受注業務DXを基礎から解説:得られる効果から実現するための手段まで

昨今、受注業務をWebに移動することで新規顧客の獲得や売り上げの増加へとつなげる取り組みが加速している。そこで本資料では、受注業務のDXがもたらす効果や、DXを実現するための2つの手段などを分かりやすく解説する。

製品資料 株式会社ecbeing

顧客との取引を変革する受発注システム、効率化できる4つの業務と注意点を解説

企業間の取引を効率化すべく、受発注システムの導入が広がっている。その活用で具体的にどの業務を効率化できるのか、また導入に当たってどのような点に注意すればよいのか。受発注システムの導入で押さえておくべきポイントを解説する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。