4四半期連続で市場はプラス成長中
x86サーバ新製品を相次ぎ投入、主要ベンダー4社の動きをまとめた
クラウドやモバイルデバイスの普及などを背景に国内x86サーバ市場が活況を呈している。2014年に入り、主要ベンダーが相次いで新製品を発表。その概要をまとめた。
米IBMが2014年1月23日(現地時間)、中国Lenovoにx86サーバ事業を売却することで合意したと発表した。売却対象となる製品事業は、x86サーバ製品群「IBM System x」、ブレードサーバ「IBM BladeCenter」、x86ベースの垂直統合型システム「IBM Flex System」、データセンター向け高密度サーバ「IBM NeXtScale System」などが含まれる。今後、サーバ市場にグローバルでどのような影響を与えるのかが注目される。
国内市場の動向はどうだろうか。IDCジャパンが2013年12月に発表した「2013年第3四半期 国内サーバー市場動向」によると、2013年第3四半期の国内サーバ市場規模は前年同期比(2012年第3四半期)12.2%増加の1317億円となり、出荷台数は前年同期比で0.6%増加の15万6千台となったという。特に、x86サーバの出荷額が前年同期比で19.4%増加し、2012年第4四半期(10~12月)から4四半期連続のプラス成長を続けている。同社は「国内のx86サーバ市場は今後もクラウドやモバイルデバイスの普及により、インターネット事業とITサービス分野向けの出荷が堅調に推移する」と予測している。
こうした中、国内の主要なサーバベンダーが2014年に入り、x86サーバの新製品を相次いで投入している。本稿では、各社の新製品の概要を紹介する。
新アーキテクチャ搭載も、Lenovo売却の影響は? 「IBM System x」
日本アイ・ビー・エム(IBM)は2014年1月17日、同社のx86サーバアーキテクチャ「X-Architecture」の第6世代(X6)技術を採用したサーバ製品群を発表した。ラックマウント型サーバの4U(4ソケット)「IBM System x3850 X6」、ラックマウント型8U(8ソケット)「IBM System X3950 X6」、ブレード型「IBM FlexSystem x880 コンピュート・ノード」の3製品を2014年第1四半期中に順次販売する予定。
今回の新製品では「eXFlash メモリー・チャネル・ストレージ」技術により、NANDフラッシュである「eXFlash DIMM」をメモリスロットに最大12.8Tバイトまで搭載できる。PCIeフラッシュと比較して高いI/O処理性能を実現する。
また、サーバのコンポーネントに「ブック」と呼ばれるモジュールを採用。「コンピュート・ブック」「I/Oブック」「ストレージ・ブック」などコンポーネントごとに導入や追加、アップグレードすることができる。
日本IBMによると「CPUが世代交代した場合、従来は筺体ごと交換する必要があるが、プロセッサとメモリを搭載するモジュールであるコンピュート・ブックを交換することでアップグレードが完了する」という。さらに、ファームウェアが搭載する、異常や障害などを未然に検知するRAS機能が追加・拡張され、CPU障害に対する自己修復機能やメモリページの修正可能エラー数を監視・カウントする機能、システム停止を回避するために必要な場合にメモリを隔離する機能などを備えている。
この発表後の2014年1月23日、冒頭で述べたように、IBMと中国Lenovoはx86サーバ事業の売却合意を発表した。IBMは売却後も、x86プラットフォームにおけるWindows、Linux向けソフトウェアの開発とアップグレードを継続する。関連するカスタマーサービスや保守業務はLenovoが引き継ぐ。また一定期間はIBMがLenovoに変わって保守サービスを提供するため、既存ユーザーへの影響はほとんどないと説明している。
カートリッジ型「HP Moonshot System」、自働化サーバ「HP ProLiant サーバー G8」などを発表
日本ヒューレット・パッカード(HP)は2014年1月9日、スケールアウト型サーバ製品群「HP Moonshot System」(以下、Moonshot)の新機種を発表した。
Moonshotはサーバ構成を大幅に簡略化したカートリッジ型を採用し、1シャーシ(4.3U)当たり最大45基のカートリッジを搭載でき、「SoC(System on a Chip)」を採用することなどで省電力や省スペースを図っている。また、用途ごとに特化したモデルを提供することも特徴の1つで、2013年4月に第一弾となるホスティング事業やWebフロントシステム向け製品を提供していた。
今回発表された製品は、「HP ProLiant m700 サーバーカートリッジ」(以下、HP ProLiant m700)と「HP ProLiant m300 サーバーカートリッジ」(以下、HP ProLiant m300)の2機種。
HP ProLiant m700は、製品シリーズでは初となる4ノードモデル。AMDが提供するCPUとGPUの機能を統合したAPUプロセッサ「AMD Opteron X」を搭載する。Microsoft のWindows 7などのクライアントOSに対応し、同社によると「一般的なVDI(仮想デスクトップインフラ)では満たせないグラフィック性能のニーズに対応し、仮想化しないリモートデスクトップ環境向けに提供する」という。日本HPは同日、シンクライアント「HP t620 Thin Client」を発表しており、リモートクライアント環境向け製品のポートフォリオを拡充した。
HP ProLiant m300は、最新のサーバ向けプロセッサ「インテル Atom C2750」を搭載。日本HPは「コンテンツ配信やビッグデータのオンライン分析などの処理性能が求められる用途に適用可能」と説明する。HP ProLiant m700の販売価格は2141万8000円から、HP ProLiant m300の販売価格は1531万4000円から(いずれも税別:シャーシ、45カートリッジ、スイッチを含む)。
また、日本HPは2014年1月30日、「HP ProLiant サーバー Generation 8」の新製品となる5機種を発表。インテル Xeon プロセッサー E5-2400 v2製品ファミリーを搭載し、リモート管理、電力管理および制御、エージェントレス監視など自動運用・管理に関する機能を強化している。
一般業務、データセンター向け「Express5800シリーズ」7機種
NECは2014年1月16日、IAサーバ「Express5800シリーズ」を発表した。最大10コアの最新CPU「インテル Xeon プロセッサー E5-2400v2」製品群を採用し、ラック型、タワー型、モジュール型、ブレード型の7機種を提供する。
例えば、モジュール型サーバ「Express5800/E120e-M」は、Webサーバやデータベースサーバ用途にも対応できるようにI/O性能を従来比で最大1.7倍向上させて、データ転送を高速化した(従来機種「Express5800/E120d-M」との比較)。また、ラック型サーバ「Express5800/R120e-1E」「Express5800/R120e-2E」では「80 PLUS Titanium」電源を採用し、負荷時電力を従来比最大12%削減できる(従来機種「Express5800/E120d-M」との比較)。
NECによると、IAサーバ市場は業務や運用の効率化を進めるための「既存ICT領域」と、ビッグデータ利活用などの「新価値創造領域」への投資が拡大しており、今回の新製品は既存ICT領域における業務サーバやデータセンター向けサーバに位置付けている。
| 製品名 | 構成 | 搭載プロセッサ数 | 販売価格 |
|---|---|---|---|
| Express5800/E120e-M | モジュール型 | 2 | 25万4000円~ |
| Express5800/R110e-1M | ラック型 | 1 | 29万9000円~ |
| Express5800/R120e-1E | ラック型 | 2/1U | 32万7000円~ |
| Express5800/R120e-2E | ラック型 | 2/2U | 36万7000円~ |
| Express5800/T120e | タワー型 | 2 | 22万円~ |
| Express5800/T110e-M | タワー型 | 1 | 24万6000円~ |
| Express5800/B120e | ブレード型 | 2 | 31万5000円~ |
エントリー/ミッドレンジ向け製品を強化 「HA8000」シリーズ
日立製作所は2014年1月15日、IAサーバ製品「HA8000」シリーズのエントリー/ミッドレンジ向け新製品群を発表した。今回追加したのは、ラック型「HA8000/RS」の5機種、タワー型「HA8000/TS」の3機種、ネットワークストレージ型「HA8000/NS」の2機種の合計10製品。
エントリー向け「HA8000/RS110」「HA8000/TS10」では小規模かつ低コストのニーズに対応するため、「Pentium G3430」を搭載。残る8機種では「インテル Xeon プロセッサー E5-2400 v2製品ファミリー」を搭載し、Microsoftの最新のサーバOS「Windows Server 2012 R2」を搭載して提供する(搭載OSなしのモデルもある)。日立製作所によると、同社の従来製品比で処理性能を最大1.2倍向上させ、ストレージ容量を約1.3倍に拡張することなどで、クラウドサービス基盤向けに求められる性能を強化したという。
| 製品名 | 仕様概要 | 販売価格 |
|---|---|---|
| HA8000/TS10 | タワー型(1プロセッサ) | 23万5000円~(Windows Server 2012 R2 Standardプレインストールモデル) |
| HA8000/RS110 | ラック型(1プロセッサ) | 27万5000円~(Windows Server 2012 R2 Standardプレインストールモデル) |
| HA8000/TS20 | タワー型(2プロセッサ) | 45万4000円~(Windows Server 2012 R2 Standardプレインストールモデル) |
| HA8000/RS210 | ラック型(2プロセッサ) | 51万8000円~(Windows Server 2012 R2 Standardプレインストールモデル) |
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