OpenStackが普及するために必要なこと
クラウドに興味を持つ者全てが望む「オープンソース連係」
クラウド技術の専門家が、OpenStackの動向とオープンソースクラウド標準をめぐる2013年~2014年の動きを分析した。
「OpenStackをベースとするオープンソースクラウドは2013年に人気を博したが、理想的なプラットフォームになるには、まだ課題が残されている」。そう指摘するのは、ホスティング型マーケティングソフトウェア企業の米HubSpotのジム・オニール最高情報責任者(CIO)だ。
クラウド技術の専門家であるオニール氏は、2013年における同社のプロジェクト、業界の変化、そしてオープンソースクラウド標準をめぐる2014年の展望について語った。
―― 2013年はどんなクラウドコンピューティングプロジェクトに取り組んだのですか? その成果も聞かせてください。
オニール氏 各種のパブリッククラウドおよびプライベートクラウド構想に取り組み、当社の業務用SaaS(Software as a Service)アプリケーションと社内IT部門の両面で、今後の成長を見据えた拡張を行いました。また2013年は、SaaSを中心とする各種のクラウド製品を連係し、バックオフィスの統合化を進めました。
―― 2014年にはどんなクラウドコンピューティングプロジェクトを計画しているのですか? また、それによってどんな問題が解決されるのでしょう?
オニール氏 今後もパブリッククラウドとプライベートクラウドの両方を活用することによって、当社の業務処理と製品基盤の拡大に対応するつもりです。また、一部の社内アプリケーションを何らかの形でクラウドに移行し、当社のバックオフィスのコロケーション規模を抑制するつもりです。さらに、バックオフィスの各種SaaS/クラウドアプリケーション間で深い連係も進めていこうと考えています。パブリッククラウドとプライベートクラウドを今後も推進し、ワークロードとQoS(Quality of Service)の管理を改善するつもりです。
―― クラウド分野における2013年の最大のニュースは何ですか? どんなトレンドや出来事に注目しましたか?
オニール氏 突出したニュースや出来事はなかったと思います。話題になったことはたくさんありますが、私の考えでは、具体的な製品という形では特に注目されるような発表はありませんでした。OpenStackは非常に有望ですが、普及はまだこれからというところです。話題だけが先行しているのです。米Amazon Web Services(AWS)はサービス内容の充実を図る一方で、コンピューティングサービスのように競争の激しいサービスや有望なサービスの分野では低価格化を進めています。
―― 2014年にはクラウドコンピューティング分野で、どんなことを期待していますか?
オニール氏 OpenStackプロジェクトと関連ソフトウェアが安定して、製品展開の方向が明確になればいいと思います。複雑性と流動性の低いワークロードに対しては、OpenStackは実用段階に入っていますが、AWSほどには成熟してはいないように思えます。
また、クラウドAPI(Application Programming Interface)の標準化団体が設立され、各種クラウド間の互換性に関する標準策定作業が始まることを望んでいます。AWSは最大の基盤を持っており、さまざまなベンダーやプロバイダーに加え、OpenStackもAWSとの互換性を提供していますが、標準化に向けた共同作業が進んでいるようには思えません。
SaaS製品に関していえば、SaaS連係フレームワークの面でオープンソースの取り組みと投資が活発化するのを期待しています。米DellのBoomi、米IBMのCast Iron、米Bedrock Dataのサービスなどはいずれも優れた製品ですが、セットアップや構成、開発の方法がそれぞれ異なります。当社(HubSpot)は、大手SaaS/クラウドプロバイダー間の社内連係をかなりのレベルまで実現しており、今後、オープンソースのツール、ライブラリおよびフレームワークを有効に活用していくつもりです。
―― クラウドコンピューティング分野で2014年に起きてほしくないことはありますか?
オニール氏 OpenStack Foundationが宣伝文句に惑わされ、さらに分断化が進むのは困ります。メディアでは既に分断化の兆しが現れています。その影響はまだ見えませんが、やや危惧を感じています。
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