“いつもと同じ”で取り残されないために
“PC刷新でWindows XP移行”はもう古い 多様化する移行方法
「Windows XP」から新OSへの移行は、“いつもと同じに”行う必要はない。例えば、DaaSを活用する選択肢がある。一方で、業界によっては、旧OSを使い続けることの影響が思うように理解されないケースもある。
米Microsoftは、「Windows 8.1 Update」をリリースすると同時に、「Windows XP」のサポートをついに終了。同社の最も安定したオペレーティングシステム(OS)の1つに終止符を打った。
企業のIT部門が新OSへの移行をどのように進めるかは、各社の事情に応じてさまざまだ。しかし、1つだけ確かなことがある。従来通りにPCを刷新する必要はないということだ。むしろ、“いつもと同じに”という姿勢では、取り残されかねない。
すぐにOSを移行したい企業は、仮想デスクトップインフラ(VDI)やDesktop as a Service(DaaS)の活用を検討している。
DaaSを導入すれば、クラウドサービス事業者の力を借りて、従業員のデスクトップ環境をWindows XPから新OSにアップグレードできる。このアプローチでは、従業員が使用する端末の種類に関係なくWindowsのデスクトップ環境とアプリケーションを提供でき、従来型のPCよりも柔軟性が高まる。
米VMwareは2014年3月、新しいDaaSプラットフォーム「VMware Horizon DaaS」を発表した。米Amazon Web Services(AWS)には「Amazon WorkSpaces」がある。Microsoftも、計画に言及していないものの、「Mohoro」(開発コード名)でDaaS市場に参入するといわれている。
米ソフトウェア開発会社Automated Business Designs(ABD)はDaaSの導入を検討中だ。
同社はWindows XPからの移行を済ませたが、顧客のトラブルシューティングを行う目的で一部のWindows XPマシンを残している。だが、ABDのマネージドサービス責任者イグナシオ・プルネダ氏は、Windows XPへの対応は間もなく終了する予定だと話す。
同氏によると、ABDでは米DaaSプロバイダーdinCloudのクラウドサービスを利用しており、柔軟性確保のために同じくdinCloudのDaaSを導入することを検討しているという。ABDの顧客も「Windows 7」へのアップグレードの一環として、DaaSの導入を考えている。Windows XPをいまだに使っているIT部門は、サーバも古くなっているのが一般的で、OS刷新の際には、新しいサーバ用ハードウェアを購入しなければならないだろう、とプルネダ氏は説明する。
DaaSであれば、ハードウェアのアップグレードコストを低く抑えられるので、低コストでWindows XPから移行できる。クラウドデスクトップには、さまざまなユーザー端末やシンクライアントからアクセスでき、デスクトップPCやノートPCより安価に済ませることが可能だ。ただし、Windowsのクライアントライセンスは購入する必要がある。
VDI環境をオンプレミスで構築し、WindowsやMicrosoftアプリケーションを仮想化する方法もある。ただ、その際には、仮想デスクトップの配布とサポートのために、ITインフラを刷新しなければならないケースが多い。これには、VMware、Microsoft、米Citrix Systems、米Dellなどの選択肢がある。
例えば、Citrixの「Citrix XenDesktop」と「Citrix XenApp」を使って、デスクトップとアプリケーションの仮想化、一元管理、リモートエンドユーザーへの配布を行うことが可能だ。Microsoftの製品でも、VDIを使ってデスクトップを管理でき、「リモートデスクトップサービス」を利用してエンドユーザーアプリを展開・管理できる。
Windows XPの継続利用がもたらすセキュリティの危険性
OSをアップグレードする手段はいろいろあるにもかかわらず、米調査会社NetMarketShareが実施した2014年3月の調査によると、稼働中のデスクトップOSの約28%が依然としてWindows XPだという。
多くの機器でいまだにWindows XPが使われている状況は不安の種になっており、産業用ソリューションを手掛ける米GE Intelligent Platformsも、顧客企業のセキュリティが危険にさらされることを懸念している。
同社のオートメーションソフトウェア部門でゼネラルマネジャーを務めるマシュー・ウェルズ氏は、「水道業界の75%がまだWindows XPを使っている」と話す。これは水道業界のみならず、他の業界にも影響するという。
GE Intelligent Platformsのような企業が、コストの掛かるWindows XP移行を顧客に促すのは難しい。業界に特化した同社顧客は、企業のIT部門とは文化が異なり、古いOSを使い続けることで生じる影響にあまり敏感であるとはいえない。
「これには時間が必要だ。それにこの業界はIT業界とは違う」と同社のオートメーションソフトウェア部門でグローバルマーケット開発マネジャーを務めるバーナード・クビゾー氏は語った。「最後の最後になるまで変えようとしないだろう」
Microsoftは、移行プロセスを支援する暫定対策として、Windows XPのカスタムサポートを提供することを表明している。また、同社のマルウェア対策ソフトウェアは、2015年までサポートが継続される予定である。
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