一般向けβ版が提供開始
5分で分かるMac次期OS X「Yosemite」のビジネス向け機能
Mac向けOSの次期版「OS X Yosemite」の一般向けβ版が2014年7月にリリースされた。同社はこのところ、企業向けの対応を強化している。OS X Yosemiteの特徴や新機能を紹介する。
米Appleは2014年6月、開発者向けイベント「Worldwide Developers Conference 2014」(WWDC 2014)において、Mac向けOSの次期版「OS X Yosemite」を発表した。OS Xシリーズでは11番目のバージョンで、2014年7月には一般向けβ版がリリースされた。
同社はこのところ、HealthKitやAppKitをはじめとするAPIの提供やビジネス用アプリケーションの開発で米IBMと提携するなど、企業向けの対応を強化している。だが、Apple製デバイスの採用については、依然として難色を示す企業が多いのが現状だ。これは、導入後のサポート体制などを懸念しているためだ。
また、Appleが一般向けβ版を提供するのは非常に珍しいケースである。同社の思惑は何だろうか。
Appleはまず、6月のWWDC 2014での発表後、OS X Yosemiteのβ版をMac Developer Programに参加する開発者に限定で提供開始。その1カ月後の2014年7月には、先着100万人限定のパブリックβプログラムを開始した。
同社が開発段階の製品を一般ユーザーに提供するのは、過去にほとんど例のないことである。OS X Yosemiteのデザインや機能について、フィードバックをユーザーから受け付けている。
OS X Yosemiteでは、UIデザインの大幅な変更をはじめ、新たな機能やアプリケーションが追加される。
主な変更点の1つは、Apple製デバイス間の連携機能の強化だ。モバイルOSの次期版「iOS 8」とOS X Yosemiteが搭載するHandoff機能では、1つのデバイスで開始したタスクを別のデバイスで引き継ぐことができる。この機能は、企業でのApple製デバイスの利用をより容易にする可能性を秘めている。
OS X Yosemiteは、iOSの流れに沿う形でデザインを単純化し、機能性の向上を狙っている。例えば、「Mail」や「Safari」などのアプリケーションはデザインがシンプルになり、作業が容易になった。また、ウィンドウサイズの変更といったコントロール類も見直され、より直感的になっている。
米Microsoftの「Windows 7」から「Windows 8」に移行したときのような大きな見た目の差はないが、OSのアップグレードを正当化するには十分な変化である。
現在、多くの企業の経営幹部たちがiPadを業務に利用している。だが、一般的な組織でMacを見かける機会はまだ珍しい。
OS X Yosemiteの新機能は、先述のHandoff機能も含めて、Macの企業導入を促進するかもしれない。昨今、多くの人が社外や業務外での補助的なデバイスとして、タブレットを個人で購入して使っている。
「iCloud Drive」は、クロスプラットフォーム対応のクラウドストレージサービスで、MacとWindowsをはじめとする混在環境を企業で構築しやすくなる。それにより、BYODの採用が容易となる。さらに、ユーザーはiPhoneのホットスポット機能を使えば、リモートで仕事することも可能だ。
OS X Yosemiteでは、Markup機能やメール添付機能など、Mailアプリケーションが強化された。Safariも機能強化が図られている。こうした新機能により、オフィス環境でのMacの導入が加速するかもしれない。
また、Appleは、AppKitをはじめとする多様なAPIキットを提供することにより、Mac用アプリケーションの開発を支援している。開発者は、Handoff機能を自分たちのアプリケーションに取り込むことで、デバイス間の連携を強化できる。また、Mac Developer Programを通じて、OS X Yosemiteの開発関連の問題について、早期にフィードバックを提出することも可能だ。
これに、AppleとIBMによるアプリケーション開発の業務提携と相まって、あらゆる形、大きさのApple製デバイスを簡単に統合できるようになるだろう。
OS X Yosemiteの透明になったパネルデザインは、「Windows Vista」をほうふつとさせる。Windowsの次期版では、デバイスに合わせてルック&フィールが変化するとうわさされているが、これはAppleが既に実践している。
Surface Proの新型は、「ノートPCの代わりとなるタブレット」としてiPadに挑もうとしている。しかし、Windows 8の企業導入は進んでおらず、Appleが市場をつかむチャンスは残されている。
Appleは、企業向け対応の強化で積極攻勢を掛けている。だが、現在のエンタープライズ環境において、そのデバイスが何社製であるかは重要ではなくなり、ユーザーは自分が最も快適だと感じるデバイスを選択するようになっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
SNS認証や多要素認証も数分で実装、IDaaS基盤でデジタルビジネスはどう変わる? -
製品レビュー
「電子帳簿保存法対応」実践術:タイムスタンプ付与などの要件の手軽な実現方法 -
事例
「大企業のデジタル化」成功事例集【コクヨ、九州電力、ヨネックスなど21社】 -
製品資料
“顧客管理の課題”を簡単に解決する方法とは? -
製品資料
契約管理の“あるある課題”をノーコード開発で解決するためのポイント
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ソフトウェア開発生産性向上に取り組む企業は4割 調査で学ぶ「停滞」の正体
-
2
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
3
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
4
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
5
「技術屋」で終わらないために 情シスが今取るべき認定資格5選
-
6
Synologyがエンタープライズ向けユニファイドストレージを投入 その実力は
-
7
継続利用は4割どまり M365 Copilotが「効く業務」と期待外れの境界
-
8
迫る“インフラ崩壊”の危機 米英を相次いで襲った「PLC悪用攻撃」の全貌
-
9
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
10
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
4
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
「結局、一部の人しか使わない」 AI活用が業務に定着しない根本的な理由
-
8
AIエージェントで成果は出る? 調査結果に見る費用対効果の実態
-
9
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
10
ゼロトラストにおける「IDaaSの課題」と補完すべき重要機能とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー