教育ITニュースフラッシュ
高校生が「大学のネット講義」で勉強、工学院大附属高が挑戦
統合型システムを使って学内情報基盤を短期間で刷新した大阪工業大学の事例から、教育委員会のIT投資を抑えるWindowsクラスルーム協議会の支援策まで、注目の教育IT関連ニュースをお届けします。
教育機関のIT導入事例、教育機関向けの新製品に関するニュースを紹介する教育ITニュースフラッシュ。システム構築に必要なハードウェアやソフトウェアを事前構成した統合型システムを導入した大阪工業大学の事例から、業界団体が始めた教育委員会のIT投資を抑える支援策まで、さまざまなニュースがありました。
工学院大学附属高等学校が「MOOC」利用の「反転授業」を開始
NTTナレッジ・スクウェアとNTTドコモが共同運営する大規模公開オンライン講座(MOOC)「gacco」で2014年10月に開講した、首都大学東京 准教授の渡邉英徳氏によるオンライン講座「デジタルアーカイブのつくり方 ~ビッグデータ・オープンデータを紡いで社会につなぐ~」を活用する。同年11月に、同オンライン講座と渡邉准教授の直接指導を組み合わせた授業を開始。オンライン講座を使って生徒に基礎事項を予習してきてもらい、教室ではディスカッションなどの発展的な学習を対話的に進める「反転授業」に取り組む。本授業を受けるのは、1964年の東京オリンピック当時から現在までの変遷を写真やインタビューなどで可視化するデジタルアーカイブプロジェクト「東京五輪アーカイブ1964-2020」(首都大学東京と朝日新聞が共同運営)に有志で参加している生徒だ。一連の取り組みで、生徒のIT活用スキルや思考力の向上を狙う(発表:NTTナレッジ・スクウェア<2014年10月27日>)。
大阪工業大学が統合型システム導入 情報基盤刷新を45日で
2014年4月に刷新した学内情報基盤「教育研究系システム」に導入した。同大学は過去に複数ベンダーの製品を組み合わせるマルチベンダー構成でシステムを構築したものの、障害の切り分けや問い合わせに苦労したことがあり、統合型システムの導入を決断。ネットワールドが販売する「Vblock System 320」(開発:米VCE)を採用した。Vblock System 320は、サーバ、ネットワーク、ストレージ、仮想化基盤、運用管理ツールなどの組み合わせを事前検証した上で、これらの要素をラックに搭載した状態で提供する。今までは機器手配だけで数カ月掛かっていたシステム構築が約45日で完了するなど、統合型システムならではのメリットを享受できたという。システム構築はリコージャパンが担当した(発表:ネットワールド<2014年10月30日>)。
東京工業大学が学生の私物スマホを講義で活用 「アクティブラーニング」促進
同大学工学部電気電子工学科で2014年度前期に開講した科目「電気機器学」の講義で活用した。教員は講義終了後、学生が持つスマートフォンへ宿題を配信。次回講義の前までに、その宿題に最も早く正解した学生を解答の解説役に指名するようにした。指名を受けた学生は、事前に解説の準備をして講義に臨むので、講義中にいきなり解説役に指名されるよりも解説内容を工夫する時間が取れる。結果として分かりやすい解説になり、他の学生の理解度も向上するなどの効果が得られたという。システムには、インフォテリアのモバイルコンテンツ管理(MCM)製品「Handbook」を採用。同学科は同様の取り組みを他の講義にも広げ、学生の主体的な学びである「アクティブラーニング」を促進する考えだ(発表:インフォテリア<2014年10月28日>)。
信州大学、災害時に無線LAN経由で情報提供
同大学は2014年2月に地上一般放送局の免許を取得し、災害発生時に学生や教職員に最新情報を伝えるエリアワンセグ放送(特定エリアに限定したワンセグ放送)を運用するなどの災害対策を進めてきた。だが放送範囲を同大学の全5キャンパスへ広げるには放送局免許を設置地域ごとに取得する必要があり、導入は大学本部のある松本キャンパス(長野県松本市)にとどまっていた。加えてワンセグ視聴機能を備えた端末でしか視聴できないなどの課題があり、他の情報伝達手段を模索していた。2014年10月に、無線LANアクセスポイント(AP)から複数端末に向けて同時にパケットを送信する技術「マルチキャスト」を利用した情報配信システム「potaVee」(販売:電通国際情報サービス)を導入。各キャンパスのAPを利用し、ワンセグ放送が視聴できない端末からでもエリアワンセグ放送と同様の情報を取得できるようにした(発表:電通国際情報サービス<2014年10月28日>)。
九州産業大学、九州造形短期大学がネット経由の寄付受け付け開始
中村産業学園(福岡県福岡市)が運営する両大学が2014年10月23日、公式Webサイトに寄付金受け付けページを開設した。寄付希望者は、寄付金受け付けページにクレジットカード情報といった必要情報を入力して寄付をする。コンビニエンスストア決済や電子決済サービス「ペイジー(Pay-easy)」を利用した寄付も可能だ。両大学では以前から「教育・研究環境整備充実募金」として寄付を受け付けてきた。新たにインターネット経由の寄付を可能にして、寄付希望者の利便性を高める。システムにはフューチャーコマースのインターネット寄付金収納サービス「F-REGI 寄付支払い」を導入した(発表:フューチャーコマース<2014年10月28日>)。
複数教委の共同調達でITコスト削減、Windowsクラスルーム協議会が新施策
初等・中等教育向けにWindowsを基盤としたIT製品の活用促進を図る業界団体「Windowsクラスルーム協議会」は、教育委員会向けのIT投資/活用支援を強化する。同協議会が2014年10月27日に発表した「Windowsクラスルーム圏域包括プログラム」では、同一の都道府県下にあり、かつ同種の整備計画を持つ複数の教育委員会が、タブレットや電子黒板、デジタル教材といったIT製品を共同購入できるようにした。同協議会の参加企業やその販売代理店からIT製品を購入する。同協議会の試算では、調達量増加によるボリュームディスカウントで、1校当たりのコスト圧縮効果は年間約400万円になるという。その他、タブレットの運用管理やセキュリティ対策に関するノウハウの提供、事例を紹介するシンポジウムの開催なども併せて進める(発表:Windowsクラスルーム協議会<2014年10月27日>)。
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