「顧客を非難する」「モバイル機器から使えない」
カスタマーサービスで分かる ダメな会社を見抜く6つのシグナルとは
カスタマーサービスに失敗することで顧客が離れてしまうケースが増えている。顧客がその企業に愛想を尽かすカスタマーサービスの6つの対応を明らかにしよう。
米IT・ビジネスコンサルティング会社Cimphoniの社長兼CEO(最高経営責任者)のリック・デビッドソン氏は、2015年3月に米国で開催されたシンポジウム「Fusion 2015 CEO-CIO Symposium」において、CIO(最高情報責任者)は顧客経験を向上させる特別な立場にあると話した。CIOは、CEOやCFO(最高財務責任者)と同様、いわゆる“企業規模”視点で自社のことを考える立場である一方、顧客との効果的なやりとりのためにこれからますます活用が求められるデジタル技術を理解している立場でもあるという。
「CIOならプロセスの仕組みやそれを実現するテクノロジー、それに問題の所在も把握できるだろう」とデビッドソン氏は述べた。同氏は米ロードサービス・旅行サービス団体AAA Mid-Atlantic(以下、AAA)の暫定CIOも務めている。
「顧客の時代」が到来した現在、カスタマーエクスペリエンスに変革と改良をもたらす力を持つことが、かつてないほど重要になっていると同氏はいう。
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「顧客をサポートし、顧客にとって利用しやすい手段を提供しないと、顧客はよそへ行ってしまう」と同氏は話し、昨今の顧客は「せっかちなナルシスト」だと表現した。彼らは企業とのやりとりに、スマートでシンプルで使いやすい経路を求める。
デビッドソン氏は、CIOはカスタマーエクスペリエンスの変革を主導すべきだと提唱した。そのためには、CEOの支持とカスタマーサービス部門の協力を獲得する必要があるという。「(カスタマーサービス部門は)進んで協力するだろう。CIOが改善に乗り出せば喜ばれる」
だが、改善が必要な部分をどうやって見つければよいのか。デビッドソン氏は、企業のカスタマーサービスの問題点は以下の6つの兆候に表れるという。
1.顧客がマニュアルを参照したりカスタマーサービスに問い合わせたりする必要が生じる
「顧客がユーザーマニュアルやカスタマーサービスを必要とするような商品やサービスは使いやすいとはいえず、既に問題がある」とデビッドソン氏はいう。
同氏は、米国のあるレンタカー会社で経験した話を例として紹介した。デビッドソン氏はその会社をよく利用しており、たまっていた50万ポイントを妻のアカウントに移したいと考えた。そこでそのレンタカー会社のWebサイトを見たが、45分かかっても方法が見つからず、カスタマーサービスに電話した。対応した担当者は、妻がゴールドメンバーならポイントを移すことができると答えた。妻はゴールドメンバーではなかったので、デビッドソン氏は妻をゴールドメンバーに登録することにした。ところが、ゴールドメンバーに登録してから48時間後でないとポイントは移せないと言われたという。
最終的に目的を果たすことはできたものの、手続きは煩雑だった。理想としては、15分程度でできるようにしてほしいし、全てオンラインで済ませられるようにすべきだと同氏はいう。
この点で優れている例が電子健康記録ポータルの「MyChart」だ。このサービスはオンラインで利用できる他、アプリケーションとしてダウンロードすることもでき、患者は診療予約を入れたり、キャンセルしたり、検査結果を参照したりなどの操作ができる。デビッドソン氏はアプリケーションをダウンロードするだけで全て問題なく利用できたという。
2.顧客対応担当者に裁量や情報が与えられていない
顧客対応担当者は、顧客に応じたサービスを提供するためにそれぞれの顧客や顧客データを把握する必要がある。顧客が「王族であるかのように」接するべきだ、とデビッドソン氏は電子メールに書いている。
「ケーブルテレビ会社や電気通信事業者はこの点がうまくできていない」とデビッドソン氏は指摘する。「カスタマーサービス担当者が顧客からの連絡の全体やいきさつを把握していないことが多い」
これに対し、カナダに本部を置く国際的ホテルチェーンFour Seasonsは、従業員に顧客の状況を知る権限が与えられている良い見本だ。「従業員には、客のためになる決定を行う権限や、客の好みを次回利用時に役立てる裁量が与えられている」とデビッドソン氏は述べている。
3.顧客に不合理な行動をさせる
デビッドソン氏の友人は、ある大型家電店のオンラインショップでテレビが割引価格になっているのを見つけた。そこで実店舗へ行ったが、店員はオンラインショップで買わないとその値段にはならないと言った。そこで彼は店の外へ出てスマートフォンを使ってオンラインショップでそのテレビを買い、店舗受け取りオプションを選択し、店内に戻り、店員にレシートを見せて、商品を今すぐ受け取れるかと聞いた。店員は「はい」と答えたという。
「これは恐らく、マーケティング部門の誰かがオンラインの売り上げを実店舗より伸ばしたかったのだろう。オンラインの売り上げでボーナスの額が左右されるとか、そういう理由でオンラインの方の売り上げを高めようとしたのではないか。顧客の利益は全く関係がなく、本社の誰かのボーナスが重視されている」(デビッドソン氏)
4.顧客から受けた指摘に対処しない
「Fusion」シンポジウムの参加者の1人は、この5年間、彼の利用する大手多国籍電話会社が旅行時の国際電話設定の切り替えを忘れてばかりいると話した。5年間ずっとこの問題を指摘しているのに、同じことが続いているという。
デビッドソン氏は、顧客から2度、3度と指摘を受けながら何も変わらず、顧客の要望を聞こうともしない会社は、カスタマーサービスが破綻していると述べた。
同氏が暫定CIOを務めるAAAはそうではないという。AAAでは会員のライフステージから旅行先など、会員に関するあらゆる情報を認識しており、AAAのWebサイトには会員が要望を入力する欄もある。
5.顧客を非難する
デビッドソン氏は、アメリカの大手航空会社に飛行機の予約をしたとき、事前チェックインと座席指定を選択することもできたが、急いでいたので行わなかった。ところが、空港のゲートへ着くと、オーバーブッキングのため搭乗できないと言われた。ゲートの係員は「前日の夜にログインして座席を確認した方がいいということを知らなかったんですか」と言ったそうだ。
「オーバーブッキングしたのは航空会社なのに私が非難された。間違いを犯したときに顧客を責めてはいけない。そもそも間違いが起こらないように努めるべきだ」
6.モバイル端末から利用できない
顧客とのやりとりにモバイル端末を使えないと手続きが煩雑になる、とデビッドソン氏はいう。
米Uberは「モバイルアプリを使ったビジネスを展開している」とデビッドソン氏は説明する。このモバイルアプリは使い方が簡単で、配車依頼から車の現在位置確認、料金精算までのあらゆるサービスを1つのアプリで利用できる。「顧客の利便性が重視されている」とデビッドソン氏は述べている。
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