OSの更新頻度をより細かく設定
「Windows 10」の企業向け「Windows Update」は更新の「早い」「遅い」を選べる
米Microsoftの新たな更新管理機能「Windows Update for Business」は、「Windows 10」にアップデートを適用するタイミングをIT管理者側でコントロールすることができる。OSの更新に関するトラブルや課題の解決につながるのだろうか。
米Microsoftは今後、企業向けソフトウェア更新管理ツール「Windows Server Update Services」(WSUS)に加えて、新たなアップデートオプション「Windows Update for Business」を提供する。Windows Update for Businessでは、「fast」と「slow」という2つのグループ(ring)があり、OSの更新頻度をより細かく設定することができる。「Microsoft Ignite 2015」カンファレンスでは、この新たな更新プロセスの背景が明らかとなった。
IT管理者はユーザーがアップデートを受け取るタイミングをグループで設定することができる、とMicrosoftの関係者は話す。例えば、OSの更新頻度をfast ringに設定したWindows 10の検証環境を用意すれば、いち早くアップデートを適用して問題がないかを確認することができる。その一方で、クライアント端末では、業務アプリケーションで互換性問題などが発生してはいけないため、更新を受け取るタイミングの遅いslow ringを設定する。いずれのringが設定されたクライアント端末であっても、致命的なセキュリティアップデートは引き続き受け取る仕組みである。
さらにMicrosoftは、ミッションクリティカルな環境向けのオプションとして、「Long Term Servicing Branch」(LTSB)を提供する。LTSBでは、追加機能のアップデートを受け取らない。そのため、病院の緊急救命室や飛行場の管制塔といった安定性が求められる環境での利用が想定されている。
Microsoftは、IT管理者がどうやってringを管理することができるのかといった詳細を明らかにしていないが、「Active Directory Group Policy」と「System Center Configuration Manager」を通じて管理することを示唆している。
同社関係者は、IT管理者はすぐにWindows Update for Businessを導入する必要はないと強調する。
「Windows 10にアップデートしたくて、そのためのインフラがあればそれで十分だ」とMicrosoftでプログラム管理担当ディレクターを務めるマイク・ベック氏は話す。
「Microsoftにとっては大きな前進であり、消費者および小規模企業と、大規模企業の間の溝を埋めるものだ」と、米テクノロジーコンサルティング企業のWest Monroe Partnersでインフラおよび運用担当アーキテクトを務めるフランク・レスニアック氏は指摘する。
同氏によると、Windows Update for Businessのメリットの1つは、ソフトウェアアップデートの品質に関するデータをMicrosoftへ送信することにあるという。
「Windows Update for Businessはゲームチェンジャーである。というのは、アップデートに関する測定データをMicrosoftへ送信し、切望されるフィードバックループを提供できるからだ。エンタープライズ企業であってもだ」(レスニアック氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[オーティファイ株式会社] AIでコーディングは加速したのにテストはそのまま? いまQAに必要な進化とは -
事例
[オーティファイ株式会社] QAで開発サイクルを遅延させない 8社の事例に学ぶ「テスト工程」の課題解決策 -
製品資料
[株式会社ガラパゴス] 「AIっぽい広告」の山に埋もれさせない AIマーケで着実に成果をだす秘訣とは? -
製品資料
[株式会社ガラパゴス] 「広告投資」調査レポート2026:勝ち組企業は何に投資しているのか? -
製品資料
[株式会社Helpfeel] 「問い合わせの渋滞」を解消、情シスの負担を軽減する“次世代型AI”活用方法
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
2
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
3
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
4
9割が頓挫する「AI内製化」 差がついたのはツールより設計力
-
5
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
6
「IBM i(AS/400)はクローズドなシステム」という誤解 DXに寄与する一歩
-
7
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
8
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
9
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
-
10
AIエージェントが自社を襲う 人間より危険な「非人間ID」の盲点
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
4
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
-
9
少額減価償却資産が40万円未満へ拡大、令和8年度税制改正で押さえるべき変更点
-
10
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー