基幹システムをクラウド環境で再構築
オンワード樫山が「SAP on AWS」全面導入、オンプレミスとの“比較表”を公開(2/2 ページ)
コールドスタンバイでコストを大幅削減
設計・構築の段階では、各サーバに適用する耐障害設計のパターンを決めた。具体的には、コールドスタンバイ構成、ホットスタンバイ構成、負荷分散構成のどれにするかを検討した(画像3)。特にAWSでのコールドスタンバイ構成は、必要になったときに利用を開始すればいいため、オンプレミスよりも大幅なコスト削減効果が見込めたという。
ただ、コスト優先で肝心の復旧時間の要件を満たせなければ、本末転倒になってしまう。そこでオンワード樫山では、あらためて各システムに必要な復旧時間を整理し、その上でサーバに適用する各構成を決定した。停止すると業務への影響が特に大きい「SOCサーバ(監視サーバ)」のみをホットスタンバイ構成とし、生産、物流などアクセスが集中する一部のアプリケーションサーバは負荷分散構成を採用。それ以外のサーバはコールドスタンバイ構成とした(画像4)。
AWSの導入前後で感じたギャップとは
AWSの導入前と導入後では、どのようなギャップがあったのだろうか。柔軟性と拡張性について、越智氏は当初、システムの増減やアクセス集中に対して、柔軟・迅速かつ容易に性能の増減ができると想定していた。
実際にAWSを使ってみて、「開発環境を小さく少ないサーバ台数で開始し、リリース前の検証時にテスト要件に応じて台数を増やすことができた。また不要となった環境は随時、停止/削除し、コストを削減できた」(越智氏)と想定通りだった点を挙げた。
ただ、本番運用においては、ソフトウェアやアプリケーションのライセンスなどに制約があり、サーバを柔軟に増減できるものではないとした。今回構築したシステムは、当初のイメージ通りにスケールアウトできるシステムではないという。
越智氏は最後に、エンドユーザーがシステムを利用する上で、インフラがクラウドだからといって制約や優位性は特にないと指摘する一方で、システム担当の立場からすれば、オンプレミスと比較するとハードウェアの調達や「持つことのデメリット」を回避できるとまとめた。
今後はリースアップ・保守切れを迎えるオンプレミスのサーバに対して、オンプレミスかクラウドかを再度検討し、最適な方法を見つけていきたいとしている。
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