プライバシー保護優等生のAppleがライバル批判
Appleのティム・クックCEOがあきれるネット企業のプライバシー侵害、なぜ放置?(2/2 ページ)
CIOは無力なのか
情報プライバシー保護に対するCIO(最高情報責任者)の責任はケースバイケースだと米調査会社Gartnerのプライバシー担当アナリスト、カーステン・キャスパー氏は解説する。CIOは会社の戦略目標に縛られる。もしそれが個人情報と引き換えにサービスを提供することだったとすれば、CIOはIT戦略をその目標に沿わせる必要がある。
キャスパー氏は、消費者のプライバシーに対する企業の姿勢に一片の幻想も抱かない。「心からプライバシーに配慮する企業など存在しない。配慮する企業があったとしても、それは顧客を他社に取られた場合の収益が絡むからにすぎない」と同氏。
次から次へと顧客の情報が流出して被害が出ていることに対しても、われわれがいら立ちを募らせることはないだろうと451 Researchのサナブリア氏は指摘する。
「例えば、米Dropboxでは3~4回の情報流出が起きているはずだが、同社の業績には全く何の影響も出ていない。規制する法律ができない限り、この姿勢は変わらない」と同氏は見る。
ただ、ティム・クックCEOが今回の講演で見せたような熱心な姿勢が救いになる可能性はある。ただしそれは、メディアの脚光を浴びて注目されることが前提だ。当面の間はCIOやCISO(最高情報セキュリティ責任者)が経営陣を説いて、このプライバシーの問題が会社に与える影響とセキュリティの影響の両方について認識させる必要がある。
「経営陣を『これは顧客のためになるだけでなく、売り上げの伸びにもつながる』と納得させることができれば、そして顧客が実際にプライバシーを気にしていること、それが顧客の増加につながることを裏付ける数字を示せれば、CIOもある程度は個人情報の取扱に影響を与えられると思う」とサナブリア氏はそう語った。
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