「仮想モバイルインフラ」(VMI)の不思議発見!
iPhoneから(Windows経由で)Androidアプリを動かしてみた(1/2 ページ)
iPhoneからリモートで動作中のWindows PCに接続し、Androidアプリを動かせるのか? そんな一見無駄に思えることでも試してみる価値はあるようだ。
仮想モバイルインフラ(VMI)を導入する理由がある場合は、専用のVMIプラットフォームが必要だろう。だが米Appleの「iPhone」で米Googleの「Android OS」をただ動かしてみたいという場合は、仮想化と「リモートデスクトッププロトコル(RDP)」を利用してAndroid OSを試してみることができる。
仮想モバイルインフラ(VMI)になじみがない場合は、リモートデスクトップを想像してみてほしい。異なるのは、GoogleのAndroid用という点だ。Android搭載のスマートフォンで実行しているAndroidアプリを管理するのではなく、Android OSとAndroidアプリをデータセンターに配置し、リモートプロトコル経由でAndroidのUI(ユーザーインタフェース)を配信するという仕組みになっている。他の側面もあるが、端的にいうとVMIとはそういうものだ。
Windows搭載PCにAndroid仮想マシンを作成する方法
英ロンドンで「BriForum London」が開催される前のある5月中旬の朝、筆者は早朝3時に目が覚め、横になったまま時差ぼけに苦しんでいたときにふと思い付いたことがある。それは、筆者が使い慣れた仮想化テクノロジーとRDPを使用して、VMIの概念を手早く実証できるのではないかというものだ。必要なのはAndroidを動作させる方法だけだったが、その答えにはすぐたどり着いた。それは、米BlueStacksの「BlueStacks App Player」(BlueStacks)を使用することだった。
BlueStacksは、米Microsoftの「Windows」搭載PCにAndroid仮想マシンを作成するアプリケーションだ。このアプリケーションは、このデモで使用するのに申し分なかった。その理由は2つある。1つ目の理由は、BlueStacksが、仮想マシン(VM)を作成するハイパーバイザーではなく、アプリケーションとして提供されていること。2つ目の理由は、BlueStacksにインストールしたAndroidアプリに対応するWindowsのショートカットが作成されることだ。つまり、Microsoftの「Microsoft RemoteApp」の組み込み機能を使用して、簡単にBlueStacksアプリケーションのみをリモート配信することができる。そして、BlueStacksを通じて任意のアプリを自動的に起動することが可能だ。本稿では、英King Digital Entertainmentのアプリ「Candy Crush」をサンプルとして使用した。
ごくわずかな調整だけで、約30分後にはデモ環境は稼働していた。iPhoneからRDPを通じてリモートで動作中のWindows PCに接続し、Android版のCandy Crushを動かした。新しいRDPクライアントはタッチスクリーン対応のアプリやジェスチャーを認識するため、タッチ入力をWindows PCにリモートで返すことができる。スワイプ操作を使用するゲームプレイは実に快適だった。
上記のスクリーンショットから読み取れる実機ではない証拠は画面上部のRDPクライアントメニューだけだろう。
今回のデモで達成できなかった点
これはすばらしい簡易デモだが、制限はある。誤解のないようにお伝えしておくが、このデモは専用のVMIプラットフォームの導入を回避する方法として提示しているわけではない。VMIのユースケースが存在する場合は、必要な全ての動作をサポートする専用の製品を探すべきである。この簡単なモックアップのデモは、できることよりもできないことの方がずっと多い。例えば次のようなことだ。
- 入力してはならない。iPhoneキーボードからの入力はWindowsまでなら伝達される可能性がある。だが、Androidのソフトウェアキーボードとは連係しない。
- 表示は依然としてデスクトップ用に最適化されている。そのため、画面下部のAndroidメニュー項目は使用に耐えないほど小さい。
- VMIプラットフォームは、スマートフォンのセンサーを利用してリモートアプリケーションにデータを送り返すことができる機能を備えている。このようなセンサーには、GPS、カメラ、加速度計などがある。Androidのリモートインスタンスを通じてGoogleの「Googleマップ」にアクセスすると、サーバがある場所ではなく、スマートフォンの現在位置が表示される。だが、このデモでは、そのような結果にはならない。
- VMIプラットフォームではプッシュ通知を処理する先端技術が用いられている。だが、このデモにそのような機能はない。
- VMIプロトコルは、モバイルネットワークを通じてモバイルアプリを配信することを専門にしている。だが、このデモはそうではない。
とは言うものの、金曜日の午後に暇を持て余しているなら、手軽に実行できる面白いデモである。実際に動作しているところを見れば、この活用方法をすぐに考え始めるだろう。ユーザーがアクセスしているのと全く同じ仮想デスクトップを利用して、(Windowsのリモートアプリのさまざまな長所と一緒に)Androidアプリも配信できるとしたらどうだろうか。それから、WindowsストアアプリとAndroidアプリの両方を所有していて、その両方をスマートフォンから利用したい場合には役立つのではないだろうか。
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