オールフラッシュアレイ vs. HDDアレイ
「SSDの価格はもうHDDと同等」のウソとホント、価格差に惑わされないコツとは(2/2 ページ)
オールフラッシュをめぐる誤解
現在、一部のベンダーは、オールフラッシュデータセンターの登場を予想している。だが、この予想は、HDDメーカーとHDDストレージシステムベンダーがイノベーションを怠り、現状に維持し続けることが前提だ。実際、数年間にわたってドライブ当たりの容量が頭打ちになっていたが、そうした時代は過ぎ去った。ヘリウムドライブやシングル磁気記録(SMR)のおかげで、ドライブ当たりの容量は再び増加に転じている。8Tバイトのドライブが徐々にデータセンターに導入されており、10Tバイトドライブも2015年末までに選択肢に加わりそうだ。
ストレージシステムベンダーは、データセンターで大容量ドライブを活用する新しい方法を提供している。特に注目されるのがオブジェクトストレージ(※)だ。こうしたシステムはスケールアウト型で、新しいデータ保護技術を利用して、長い時間がかかるドライブの再構築を回避している。また、1つのボリュームに保存できるファイル数には制限がない。容量の観点から見ると、前述したデータ効率を向上させる技術を適用しなくても、Tバイト単価がフラッシュシステムよりもはるかに安くなる場合がある。
※データ本体に加えて「メタデータ」と「属性情報」をセットにした「オブジェクト」を単位として、データを保存、管理するストレージ。
こうしたオブジェクトストレージのシステムは、非構造化データの保存に使われる。これはデータセンターで最も急増しているデータの種類だ。非構造化データの例には、ユーザーがOfficeアプリケーションで作成するファイルに加え、各種の機器やセンサーから取り込まれるデータなどがある。こうしたデータは生成速度が極めて速く、重複排除できないことが多い。フラッシュストレージがオブジェクトストレージシステムと肩を並べる価格になることは、不可能ではないとしても、非常に難しいだろう。
以上で見てきたように、フラッシュストレージアレイの価格は実際に、高パフォーマンスのHDDアレイ並みになってきている。ストレージインフラの中でも仮想化環境やデータベース環境は、近いうちにオールフラッシュになりそうだ。しかし、それらが拡大するペースは、非構造化データセットの増加ペースよりも緩やかだろう。非構造化データセットは、HDDベースシステムの方が扱うのにはるかに適している。
こうしたことから、ほとんどのデータセンターでは2つのストレージ層が使用されることになりそうだ。すなわち、仮想インフラとデータベースのためのフラッシュストレージ層と、非構造化データセットを保存する大容量のオブジェクトベースストレージの層だ。データセンターの全てのデータを1つのストレージシステムに集約することはできそうもない。だが、この2層のストレージアーキテクチャでは、2つの大きく異なる作業用のツールを最適に利用できる。
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