計画に向けて考えたい4つのステップ
ハイブリッドクラウド構築、数Pバイトのデータを持つユーザーだけが分かっていること(2/2 ページ)
ステップ3:ハイブリッドを知る
ハイブリッドクラウド戦略の最重要ポイントは、データセンターとクラウドをつなぐコンポーネントだ。ほとんどの場合、これはアプライアンスやVMの形を取る。だが、環境内の全サーバにインストールするエージェントの場合もある。アプライアンスがもたらす価値は、オンプレミスからクラウドに変換処理がオフロードされることだが、全てのデータが1台のアプライアンスを経由しなければならないため、アプライアンスがボトルネックになる可能性もある。一方、エージェントがもたらすメリットはデザインの拡張性で、全てのサーバが同時にクラウドにアクセスできる。ただし、各サーバにはエージェントがインストールされていなければならないというデメリットもある。
ステップ4:何をハイブリッドにするのか
最後のステップとして、クラウドに持ち込むものを判断しなければならない。多くの企業にとって最優先事項となるのはバックアップだが、これはクラウドで大容量のデータを長期間保存する課題と相反するものだ。クラウドはバックアップのストレージとして理想的だが、企業にとってのベストプラクティスは直近のバックアップだけをクラウドに保存することだ。災害時に最も必要となるのは、直近のバックアップデータである。
長期保管を目的としたバックアップデータとアーカイブは、企業のクラウド環境に保存できる。ハイブリッドアプライアンスは、ローカルのマウントポイントおよびクラウドのキャッシュの役割を果たす。だが、ここでも長期にわたる大容量のストレージが問題となる。企業はそのストレージの5~10年間のコストを算出する必要がある。また、その際には、現在の企業のストレージ容量に加え、将来の増加率も加味しなければならない。1年目に支払う金額と比較すると、10年目の容量に対して支払う金額は、ほんのわずかであるように見えるかもしれない。
筆者の経験上、数Pバイト以上のストレージを抱えるほとんどの企業が賛同していることがある。それは、クラウドに長期間保存のためのデータを保管するよりも、クラウドのようなテクノロジー(オブジェクトストレージシステム)を社内で使用した方がコスト効率がよいことだ。
他の潜在的なユースケースには、クラウドベースのアプリケーションの開発とテストはクラウドで行い、運用はオンプレミスで行うものがある。このユースケースでは、ハイブリッドアプライアンスはクラウドに配置され、データセンターのデータはクラウドにキャッシュされる。そのため、アプリケーション開発と品質管理チームは運用データに近いデータのコピーを使用してテストを行うことができる。コードの安定性が確認されたら、データセンターにコードを移行して、本格的な運用が開始可能になる。
ハイブリッドクラウドのアプローチは、非常に合理的である。だが、大規模なデータセンターの標準的な規模から、クラウドの総コストについて検討すべきことがある。大半の企業にとってクラウドには何かしらの使い道があるだろう。だが、短期間で業務の拡縮が行われる場合の一時的な用途になることが予想される。とは言うものの、ほぼ全ての大企業は、オブジェクトストレージのようなクラウドの概念を借用して、自社のデータセンターに適用することはできるであろう。
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