ユーザーデータが収集される?
“無料OS”「Windows 10」を怪しむ人たち(1/2 ページ)
多くのユーザーが新しい「Windows 10」のプライバシーポリシーを非難している。彼らは本当にでたらめを言っているのだろうか。
評論家とユーザーは「米Microsoftは『Windows 10』で成功した」ということに同意している。新しく改良されたこのOSは、刷新されたUI(ユーザーインタフェース)やスタートメニューと同様に、強化されたセキュリティと仮想アシスタント「Cortana」を含めたサービスとしてのWindowsエコシステムの利点を、ユーザーが簡単に活用できるようにしている。その上、既存のWindowsライセンス保持者にはアップグレードが無料で提供される。
しかし、他の多くのデジタルサービスの場合と同様に、「無料」にはそれなりの事がつきまとう。
「MicrosoftがWindows 10を無料のアップグレードにしたのは、その上で稼働するインターネットサービスや広告、アプリ、ゲームから収入を得ることを明確なゴールとしているからだ」とウォール・ストリート・ジャーナルのジェフリー・ファウラー氏は言う。このモデルは「顧客生涯価値」(企業にとってある1人の顧客が生涯にわたって企業にもたらした価値の合計)と呼ばれている。
言い換えれば、ユーザーは現金で支払うことはないが、ユーザーが最後のWindowsライセンスを購入するかPCを放棄したずっと後で、Microsoftはユーザーのデータから収入を得続けることを望んでいる。
1例を挙げると、仮想アシスタントのCortanaは、Microsoftの検索エンジンであるBingと共にWindows 10に戻ってきた。Cortanaはユーザーのオンライン検索アクティビティとロケーションを追跡するだけではなく、ユーザーの好みを学ぶために電子メールを綿密に調べる。またCortanaは、そのような情報の全てを保存するBingに統合された。Microsoft Search Advertisingのゼネラルマネージャーであるデビット・パン氏は、「この統合の結果として、9月までの検索量が10%から15%増加する」と予測している。
データのプライバシー擁護者の憤慨
当然のことながら、Windows 10のプライバシーポリシーとデータ収集システムは論争を引き起こしている。例えば、米BGR Newsのザック・エプスタイン氏は、OSは実際にユーザーをスパイしていると主張し、米Slateのデビット・アウアーバッハ氏は、この新しいOSに「緊急に改革が必要なプライバシーの泥沼」という名前を付けた。
エブスタイン氏、アウアーバッハ氏やその他の人々にとっての1つの懸念は、新しいWindows 10のプライバシーポリシーにおける、このいささか脅迫的な響きのセクションである。プライバシーポリシーは、オンラインでユーザーがすること、PC上ですることの両方に適用されるものだ。
われわれはそうすることが必要だという誠実な信念を持つ場合には、ユーザーのコンテンツ(電子メールの内容、その他のプライベートな通信情報、個人的なフォルダの中のファイル)を含めた個人データにアクセスし、開示し、保存する。
しかし私が話をした専門家によれば、Microsoftのデータ収集の手法は、必ずしも驚天動地の出来事ではない。
米Gartnerのモバイルおよびクライアントコンピューティンググループでリサーチ副社長を務めるスティーブ・クレイハンス氏は次のように述べている。インターネットを取り入れるという観点からすると、Windows 10は以前のいかなるPC用のOSをも超越している。そしてここが決定的要因だが、クラウドをベースとするその他のサービスのように、Windows 10の機能とサービスにフルにアクセスするために支払われる対価として、ユーザーはデータ収集の「副作用」を体験するだろう。
「もしクラウドベースの速度の認識エンジンや機械学習のようなものを使いたい場合、または予定が近づいたときに通知する個人的なアシスタントを使いたい場合、それらのサービスにはデータへのアクセスが必要となる」と彼は電子メールに記載している。クレイハンス氏と米Forresterのプリンシパルアナリストであるデビット・K・ジョンソン氏は、「Windows 10はスパイウェアも同然だ」というこれらの主張は度を超していると信じる。
「スパイウェアという用語は、ソフトウェアによって収集された情報が不正な目的のために使用されることを意味する」。そしてMicrosoftはそのようなことはしていないと実証するための措置を講じている、とジョンソン氏は言う。
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