もはや単なる低価格サーバではない
“無印”サーバ vs. 有名ブランドサーバ、これから買うならどっち?(2/2 ページ)
仮想化機能
ホワイトボックスで構成された環境は、データセンターの他の既存システムと正しく連係できなければならない。米VMwareの「vSphere vMotion」などが備える仮想マシン(VM)マイグレーション機能では、あるサーバのメモリから別のサーバのメモリにVMインスタンスが移動する。「VMware vSphere」は、新しいVMを作成する際に利用可能なプロセッサ機能をチェックし、VMのパフォーマンスを高めるためにこれらの機能を利用する。だが、これはマイグレーションの際に問題となる可能性がある。
VMを元のサーバ(移動先のサーバよりも古いプロセッサや系列が全く異なるプロセッサが使われていることが多い)から別のサーバに移動した場合、そのVMで想定された機能の一部が移動先のサーバでサポートされないために、VMがクラッシュする可能性がある。プロセッサ間に互換性があれば多少の差異は覆い隠されるが、それは完全なものではなく、重要なプロセッサ機能が欠落しているシステムでVMのパフォーマンスが低下するのは免れない。VMwareのvMotionでは、ホワイトボックスサーバとブランドシステム間だけでなく、ブランドシステム同士の間でも問題が発生する可能性がある。
Open Computeサーバとホワイトボックスサーバ
ベンダーに依存しないホワイトボックスサーバは、低価格でエネルギー効率の高いサーバ/ストレージ/機械的搭載スキームを目指した「Open Compute Project」構想と共通する部分が多い。
Open Compute Projectのサーバ(以下、Open Computeサーバ)は電力効率に優れ、最小限の機能だけを備えた量産型/低価格志向のシステムで、大規模データセンターでの障害時にシステムを容易に交換できる設計となっている。Open Computeサーバには、米AMD、英ARM、米Intelなどのプロセッサ用に設計されたシステムの他、高可用性を重視したサーバや、システム・オン・チップ(SoC)を搭載した専用サーバなどさまざまな種類が出回っている。
Open Computeの設計は、必ずしもホワイトボックスサーバとして分類されることを意図したものではない。だがサーバデザインに対するOpen Computeのアプローチは、ホワイトボックスシステムのシンプル/低価格/量産型コンピューティングという傾向に一致する。
Open Computeサーバは、仮想化/クラスタ化された負荷分散型サーバファームにおける拡張可能なコンポーネントとして位置付けられる。この種のサーバファームでは、ワークロードがインフラ群の中で分散処理される。この方式は、Open Compute Projectを立ち上げた米FacebookなどのWeb規模の企業にとっては、従来型のコンピューティングアーキテクチャをベースとするハイエンドの汎用サーバを利用するよりも費用対効果が高い。
自社でサーバを構築すべきか
「自社で独自のサーバを構築すべきなのだろうか」という質問に対しては、「恐らくその必要はない」というのが私の答えだ。
今日の大多数の企業は、Facebookや米GoogleのようなIT企業ではないので、自社のコンピューティングニーズに対応するには数十台あるいは数百台のサーバがあれば十分だ。Open Compute仕様を採用するにせよ、従来型の市販コンポーネントを利用するにせよ、スクラッチからサーバを設計して製作を外部に発注するのは費用対効果の面で問題だ。大抵の企業は、従来型のカスタマイズ可能なラックデザインを手掛ける米ABMXや米ServersDirectなどの企業から汎用型ホワイトボックスサーバを購入している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー