“パスワード限界論”で再考する「認証システム」の現実解【第3回】
Windows 10も搭載、“パスワードのない世界”を作る「FIDO」とは?(2/3 ページ)
多要素認証
多要素認証でセキュリティ強度を高める場合、以下の3種類の認証要素を組み合わせるのが基本となる。「2要素認証」では下記から2つの認証要素、「3要素認証」では3つの認証要素全てを採用する。以下の認証要素はFIDOの仕組みを理解する上でも重要になるので、頭の片隅に置いておいてほしい。
- 知識要素
- ID/パスワードなど、エンドユーザーが知識として覚えている要素
- 所有要素
- トークンに表示されるワンタイムパスワード、従業員カードのID番号など、エンドユーザーが所有する要素
- 固有要素
- 指紋や虹彩など、エンドユーザーの生体要素
最近では上記3要素に加え、「場所要素」を4つ目の要素として使う場合もある。これはスマートフォンの普及で、GPSによる現在位置の認識ができるようになったことが背景にある。例えば、今回のログイン場所が前回のログイン場所とその時間差から移動不可能であれば、本人であるかどうかを疑う、といった具合だ。また同時に違う地点からログインがある場合も同様である。
多段階認証
多段階認証は、米Googleの「Gmail」など最近のWebサービスでも採用されている。特に普及しているのは、ID/パスワード認証の後に、使い捨ての確認コードである「ワンタイムパスワード」による認証を設ける2段階認証だ。ワンタイムパスワードが利用されるのは、生体認証などとは異なり外部装置が必要ないことが挙げられる。また最近では、ワンタイムパスワードの表示に専用機器のハードウェアトークンではなく、スマートフォンなどの端末で動作するソフトウェアトークンの普及が進んでいることも、採用を後押ししている。
ワンタイムパスワードを使った一般的な2段階認証では、エンドユーザーがID/パスワードを入力してログインすると、システムが携帯電話やスマートフォンにワンタイムパスワードを送る。エンドユーザーが2段階目の認証要素としてワンタイムパスワードを入力すると、ログインが成立する。
“シャドーIT”黙認でもワンタイムパスワードは必須にすべき
オンラインサービスには無料のものも多く、インターネットへの接続環境さえあれば容易に利用できる。そのため、IT部門の許可なく勝手に業務利用する従業員が現れる可能性は否定できない。こうした行為は、IT部門の目の届かないところに機密情報が保管されてしまう可能性もあることから、最近では「シャドーIT」と呼ばれネガティブな目で見られることがある。
こうした勝手に利用されるオンラインサービスに対して、セキュリティポリシーを自社のシステムに準拠させることは難しい。従業員の利便性を考慮してオンラインサービスの自由な利用を許可するとしても、少なくともワンタイムパスワードを採用して認証強度を高めているサービスを選択することが必要だろう。従業員にはこうしたオンラインサービスを使い始める前に、面倒でもすぐにワンタイムパスワードを設定するよう徹底すべきだ。事が起こってしまってからでは遅い。
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“パスワード限界論”で再考する「認証システム」の現実解
ID/パスワード中心の認証システムが岐路に立っている。パスワード撤廃を視野に、認証の仕組みを根本的に見直す機運も高まるが、実現は容易ではない。企業が目指すべき認証の在り方とは何か。その具体策を探る。
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