FTやvMotionを強化
徹底レビュー:ストレージ管理者に朗報をもたらす「VMware vSphere 6」(2/3 ページ)
データ保護の強化
vSphere 5.5で「VMware Data Protection Advanced」(VDP-A)を導入した結果、VMwareのデータ保護製品は2013年後半に大きな改善が見られた。今回リリースされる「vSphere Data Protection(VDP)6.0」は、VDPとVDP-Aの機能を結合したもので、vSphere 6にのみ付属している(Essentials Plus Kit 6.0、vSphere with Operations Management 6.0、vCloud Suite 6.0エディションのユーザーなら誰でも無償で使用可能だ)。
米EMCの「EMC Avamar」をベースにしているVDP 6.0は、可変長のデータ重複排除テクノロジーを使用して、中小企業に適したディスクベースのバックアップを実行している。VDP 6.0は、vSphereおよびESXiと統合されている。VMの管理者はvCenterと「VMware vSphere Web Client」を使用してVDP 6.0を完全に管理できる。現実的には100~250台が最適な状態だが、最大800台のVMを保護するよう設計されている(最大10台のVDPアプライアンスを使用し、それぞれが最大200台のVMと8Tバイトの重複排除データをサポートできる)。さらに大規模な構成では、EMCの「Data Domain」アプライアンスを統合することができる。VDP 6.0には、バックアップを実行するためのレプリケーション機能が組み込まれている。その対象となるのは、何らかの大きなアカウントに既に存在している別のVDP 6.0アプライアンスまたはEMC Avamarアプライアンスのいずれかだ。
VDP 6.0では、外部プロキシがサポートされるようになっている。これらは、ローカルサイトの別のvSphereクラスタに導入することも、ネットワーク帯域幅の利用効率を上げるためにリモートサイトに導入することもできる。外部プロキシは、最大24個の並列バックアップストリームをサポートし、米Red Hatの「Red Hat Enterprise Linux Logical Volume Manager」とLinuxの「Ext4」ファイルシステムもサポートしている。
VDP 6.0には幾つかの制限があることに留意されたい。まず、24時間の目標復旧地点(RPO)を許容できる顧客向けに設計されている。VMwareによると、VMは5分から数時間の間で復旧できるという。また、「VMware vCenter Site Recovery Manager」(SRM)はサポートされていない。より高度なRPOと目標復旧時間(RTO)を達成する必要がある場合、VMwareはサードパーティーのバックアップ製品と「vSphere Replication」を使用してVMのレプリケーションを実行(バックアップのレプリケーションの場合はVDP 6.0を使用)することを推奨している。
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vSphere Replicationのアップデート
「vSphere Replication」は、ネットワークトラフィックを軽減するために、vSphereとやりとりをしてストレージ割り当て情報を取得することが可能だ。そのため、特定のストレージアレイの完全な同期を、さらに効率よく実行できるようになっている。vSphere 6がリリースされるまで、「vSphere Storage vMotion」を使用してリモートサイトにVMのレプリカを移行するには、完全な同期を行う必要があった。だが、もうその必要はない。その結果、Storage vMotionとDRSを使用して、VM復旧のRPOを守りながらリソースのバランスを取ることがずっと容易になった。
VMごとに最大24個の復旧地点を選択することができる。VMごとに15分という細かい時間のRPOが設定可能だ。vSphere Replicationは、既に「CBT(Changed Block Tracking)」によってネットワークトラフィックを最小限に抑えている。だが、管理者がネットワーク帯域幅の効率をさらに高めるために、圧縮も選択できるようになっている。
重要なのは、vSphere Replicationが、固有のレプリケーションエンジンを持つVDP 6.0と関連付けられていないことだ。また、vSphere ReplicationはVMをレプリケートするよう設計されているが、VDPに組み込まれているレプリケーションエンジンは、VMを含むバックアップオブジェクトをレプリケートするようになっている。vSphere Replicationには重複排除テクノロジーが組み込まれていない。VDP 6.0と異なり、vSphere ReplicationはVMware製のツールだけでなくサードパーティー製のツールと併用するように設計されている。
VSANがオールフラッシュ構成を導入
vSphere 6のリリースで最も重要なのは、VVOLの導入とVSANの強化だ。これらはどちらも、ストレージとストレージサービスを抽象化およびプール化して、ポリシーに基づいてストレージのプロビジョニング、監視、管理をVM単位で細かく実行できるように設計されている。
以前のバージョンのVSANでは、フラッシュが読み取りキャッシュ専用として使用され、HDDが永続的な容量層としてのみ使用されるハイブリッド構成しかサポートしていなかった。VSAN 6.0ではオールフラッシュ構成が導入されている。(SSDまたはPCIeベースの)フラッシュの容量の一部は書き込みキャッシュ専用として使用され、それ以外の部分は永続的な容量層として使用されるようになっている。ハイブリッドまたはオールフラッシュの完全に構成されたノードを追加するか、パフォーマンス向上または容量増加のためにフラッシュやHDDを個々に追加することで、パフォーマンスと容量の両方をスケーリングできる。オールフラッシュ構成では、PCIeフラッシュやSSDを追加して、キャッシュ用ではなくデータ用と指定することで容量を増加できる。また、仮想ディスクの最大容量は62Tバイトまで増加されている。
新しいディスク形式によって、ハイブリッドモデルとオールフラッシュモデル両方のパフォーマンスが強化されている。VMwareによると、ハイブリッド構成では、同様の構成とワークロードのVSAN 5.5よりもパフォーマンスが2倍向上している。また、オールフラッシュ構成の場合、同じ構成のVSAN 5.5よりもパフォーマンスが4倍向上している(つまり、ハイブリッド構成の倍のパフォーマンスを発揮する)。
最大クラスタサイズは32ノードから64ノードに増加している。ハイブリッドモデルとオールフラッシュモデルのどちらも、各ノードで最大200台のVMをサポートでき、各クラスタでは最大6400台のVMがサポート可能だ。この新しいモデルによって、Tier 1のミッションクリティカルなアプリケーションなどのワークロードにVSANベースの構成を適用することができる。
VMwareによると、32ノードクラスタでは、読み取り専用ワークロード(読み取り100%)の場合に400万以上のIOPS、混在ワークロード(読み取り70%、書き込み30%)で120万以上のIOPSを実現するという。これは、ホスト1台当たりでは4万IOPSになる。オールフラッシュの場合、読み取り専用ワークロードで700万IOPSを実現している。ホスト1台当たりの平均は9万IOPSだ。64ノードクラスタでは、パフォーマンスは直線的に向上することが期待される。
スナップショットとクローンの機能も強化されている。システムでは、VM 1台当たり最大32個のスナップショット/クローン、またはクラスタ1つ当たり最大1万6000個のスナップショット/クローンを作成できる。
停電やラックの障害に関連した強化も施されており、ブレードインフラがサポートされるようになっている。
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