サーバ開発の今後の方向性とは
電力効率がより重要になるサーバ選び、そのためのツールとは?
サーバの電力効率を測定するツールを提供している非営利団体SPECが考える、サーバの電力効率とパフォーマンスの今後とは?
非営利団体のSPEC(Standard Performance Evaluation Corporation)は先頃、サーバの全体的な電力効率を測定するツール「SERT」(Server Efficiency Rating Tool)の最新版をリリースした。SERTは米国環境保護庁の要請を受けて開発したものだ。
ほとんどのデータセンター向けベンチマークでは、複数のサーバのパフォーマンスが比較される。例えば、電力効率に関しては、SPECパワーグループのベンチマークツール「SPECpower_ssj 2008」が、固定ワークロードを実行するサーバの電力消費を比較するようになっている。
「しかし、1つのワークロードでは、ベンチマークとしては焦点が狭い」と、SPECのボードディレクターを務めるクラウスディーター・ラング氏は語る。同氏はSPECpower委員会の委員長を兼務しており、「Server Efficiency -- Metrics for Computer Servers and Storage」の執筆者および編集者に名を連ねている。これは米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)が出している、データセンターの冷却や環境に関するガイドラインなどを含む「ASHRAE Datacom Series」の一部だ。
「サーバを設計するときには、多くのアイデアが盛り込まれるが、現在のサーバでは、競合サーバよりも電力効率が高いことがアピールポイントになる」とラング氏は語る。同氏にデータセンターの電力効率の現状について話を聞いた。
――サーバの電力効率は、平均的な企業のデータセンターにとっても重要な指標ですか。 それとも、巨大なWebスケールの企業やホスティング事業者にとってのみ重要な指標ですか?
ラング氏 電力効率はますます重要になっています。さまざまな角度から電力効率を考える企業もあります。サーバの高密度化に伴い、電力消費は増えざるを得ず、料金増は避けられません。サーバの運用コストはかさんでしまいます。そこで、新しいサーバに投資する場合は、省電力性が高いものを選んで運用コストの軽減を図ることになります。
世界中の政府が「Energy Star」(エナジースター)のような省エネ基準を推進する制度を進めており、われわれはそうした制度に役立ちたいと考えています。SERTでは多種多様なワークロードを測定できます。エナジースターの認証を申請するにはSERTの使用が必須です。
――サーバの電力効率とパフォーマンスは、近年どのように変わっていますか?
ラング氏 サーバベンダー各社のイノベーションにより、サーバにおけるワークロード当たりの電力消費は減少を続けるでしょう。電力消費の減少と電力効率の向上は継続的なトレンドとなっています。
SPECpower_ssj2008は、ストレージサブシステムに負荷を掛けずに測定できます。一方、SERTスイートを使えば、ストレージの電力効率を測定し、それに基づいて製品を評価できます。現在、業界の各方面でさまざまな取り組みが行われています。実際の消費電力を正確に測定できる指標があれば、ベンダーは製品の実力を把握し、競争力強化につなげることができます。さまざまなワークロードの指標が拡充されれば、全てのサーバベンダーが共通の基準で競争し、その基準に基づく製品データを提示しなければならなくなります。そうなれば、メモリや演算能力、ストレージの効率が全て向上します。測定できるものに関しては、より賢明に開発を行うことができるのです。
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