モバイル環境を管理する「Enterprise Mobility Suite」
「iPhone」「Android」も守るMicrosoftの急成長製品が機能強化、ポイントは価格(2/2 ページ)
無料であることはMicrosoft EMS成長のカギ
EMSは、ハイエンドクラウドおよびエンタープライズライセンスを含むMicrosoftライセンスに含まれている。そのため、多くの企業のIT部門がこのプラットフォームを既に所有しているが、利用しているのは他のEMMベンダーだ。無料のモビリティスイートがあるということは、多くの企業にとって試してみようと考える正当な理由になる。
「その点は大きい。この製品は軌道に乗り始めて半年ほどになるが、他社の有力EMMと互角に戦っている」(スミス氏)
事実、EMSは年間2万以上のユーザーを獲得し、インストールベースが6倍になるなど、「Microsoftの歴史上、最も急速な成長を遂げている」と、Microsoftのエンタープライズクライアントおよびモビリティ担当コーポレート副社長ブラッド・アンダーソン氏はツイートしている。
「(Microsoftが)何かをリリースするとき、大抵は高度に統合化されたパッケージであるため、ユーザーは真剣に検討する必要がある」と語るのは、ITコンサルタント会社でMicrosoftパートナー、米SIGMAnetのビジネス開発および戦略的イニシアチブ担当副社長ステファン・モンテロス氏だ。「(EMSの)成功の理由はまさにそこにある」
SIGMANetは2003年以来のAirWatchユーザーだが、EMSがMicrosoftの企業向けライセンス契約に含まれていることを理由に、EMSへ切り替える可能性があるという。
「AirWatchは長く市場にあり、この分野に最も早く登場した製品の1つだ。われわれが契約したのはそうした理由からであり、当時、他社の製品は十分に成熟していなかった」(モンテロス氏)
AirWatchの管理の容易さ、熟達したスタッフ、十分に考え抜かれたパッケージなどを高く評価しながらも、モンテロス氏は、Microsoftの製品がAirWatchのビジネスを大きく侵食するだろうと見ている。
ただ、Gartnerのスミス氏によると、他の有力製品と比べ、EMSには幾つかの重要な機能が欠落しているという。
「アプリラッピングなど幾つもの領域で未成熟な点がある」と同氏は指摘し、「ポリシーがかなり不十分であり、全体的にみて、まだ若い製品だ。しかし、日々進化していることは間違いない。Microsoftもこの製品に力を入れている」と語る。
IntuneはほとんどのAndroid向けMDMのAPIをサポートしているが、「Android for Work」はサポートしていない。それは大小を問わず、他の多くのEMMベンダーが何らかの形でサポートしているものだ。
クラウドアプリケーション向けアイデンティティー管理を提供している米Oktaは最近、自社のEMM製品と多要素認証プラットフォームをアップデートし、Android for Workのサポートを開始した。今回のアップデートにより、ユーザーは1つのパスワードで全てのアプリと電子メールアカウントにアクセスできるようになった。この機能は以前から一部のAndroidデバイスでは利用できたが、今後は全てのデバイス上でAndroid for Workがサポートされる。
ITの視点から見ると、AndroidデバイスのOS細分化問題が管理を複雑にしており、Oktaによると、2014年に同社に寄せられた要望で一番多かったものがAndroidデバイスのサポート強化だったのも、そうした理由によるという。
「Oktaを選んだ理由は、AndroidとiPhoneの両方に対応しているからだ」と、オンライン衣料サービス会社米Trunk ClubのIT責任者を務めるリック・ポラック氏は語る。「他のEMMプラットフォームにも幾つか優れた製品はあったが、残念なことにiOSプラットフォームしかサポートしていなかった」
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