大画面か、携帯性か、それが問題だ
徹底比較:高くても「iPad Pro」か、カジュアルに「iPad Air 2」か、選択の決め手は?(2/2 ページ)
アクセサリ
iPad Proには、新たなコネクタ「Smart Connector」が初めて搭載されている。このコネクタは横向き時で下面中央部にあり、これに対応キーボードを接続できる。iPad Proはこれらのキーボードに給電することが可能だ。iPad Air 2では、短距離無線通信規格の「Bluetooth」に対応したクリップオンキーボードが使える。どちらのオプションにも利点がある。Smart Connector対応キーボードは、充電する必要がなく、入力が画面に反映されるのが遅れることはない。Bluetoothキーボードは数分間操作しないと、省電力のためにスリープ状態になり、起動に数秒かかる。その一方で、タブレットに物理的に接続しなくても動作することから、ユーザーに便利な任意の位置や角度に置いて使える。
また、新しい感圧式のスタイラスペン「Apple Pencil」は、アーティストがiPad Proで描画を行えるように設計されている。だが、iPad Air 2にBluetoothで接続できる感圧式スタイラスペンもある。この用途での主な違いは、iPad Proの方がディスプレイが大きいことだ。絵や線を描いたり、色を塗ったり、スケッチなどは通常、画面が大きい方が作業に適しているからだ。
前述したように、iPad ProにもiPad Air 2にも、ストレージ容量を増やすためのメモリカードスロットはない。だが、Lightningコネクタに接続してこの目的に使えるさまざまなアクセサリがある。例えば、米SanDiskの「iXpand Flash Drive」(最大128Gバイトの外部メモリ)、Leef iAccess iOS microSD Reader(iOS端末向けmicroSDカードリーダー)などだ。これらはiPad Air 2でもiPad Proでも使えるので、この点では両者は互角だ。
パフォーマンス
iPadの新モデルは常に前のモデルより高速で、iPad Proもその例外ではない。2014年に発売されたiPad Air 2は、動作クロック1.5GHzのAppleの64ビットデュアルコアプロセッサ「A8X」を搭載していたが、iPad Proは、2.26GHzのAppleの64ビットデュアルコアプロセッサ「A9X」を搭載している。A9Xはメモリ帯域幅が倍増し、ストレージパフォーマンスも2倍に高速化している。
ベンチマークテストを行ったところ、パフォーマンスの違いが実証された。カナダPrimate Labsのベンチマークツール「GeekBench 3」によるマルチコアテストで、iPad Proが記録したスコアは5411、iPad Air 2は4529だった。ベンチマークは万能ではなく限界もあり、iPad Air 2は間違いなく高速なコンピュータだが、iPad Proの方が断然高速だ。よくあることだが、これは何かを極めて高速に行うものと、それをほぼ瞬時に行うものの違いにすぎない。つまり、高いレベルでの争いではあるが、両者のパフォーマンスには歴然とした差があるわけだ。
日常的な作業のパフォーマンスには、プロセッサの速度よりもRAM容量の影響の方が重要だ。RAM容量はiPad Proが4Gバイト、iPad Air 2が2Gバイトで、この違いでパフォーマンスに差が出ることになる。iPad Proの方がはるかに多くのメモリに、実行中の多数のアプリケーションを保持できる。iPad Proを日常的に使ったところ、アプリケーションやWebページがバックグラウンドで何時間も待機することができ、フォアグラウンドのタスクに割り当てられるリソースが増えるように自動的に終了することはなかった。
iPad Air 2の2GバイトのRAMは、特に初代iPad Air(わずか1Gバイト)と比べるとまずまずの容量だが、4GバイトのRAMを搭載するiPad Proの方が明らかに強力だ。
現時点ではうわさにすぎないが、iPad Proと同じA9Xプロセッサと4GバイトのRAMを搭載し、同等のパフォーマンスを提供する“iPad Air 3”が登場する可能性もある。パワーの高さだけを理由にiPad Proの購入を検討している人は、Appleの次期9.7型タブレットを待つのもよいかもしれない。
iPad Air 2はストレージ容量が16Gバイト、64Gバイト、128Gバイトのモデルがラインアップされており、iPad Proは32Gバイトと128Gバイトのモデルがある。小容量モデルの購入を考えている人の方が選択肢が多い。
ソフトウェア
iPad ProとiPad Air 2はどちらも、タブレットとスマートフォン用のAppleのOSの最新バージョンであるiOS 9.1で動作する。両タブレットとも、「iWork」と「iLife」の無償版をはじめとする同じアプリケーションがバンドルされている。
さまざまなアプリケーションを大きな画面あるいは小さな画面で動作させるメリットとデメリットは先述の通りだが、こうした問題を別とすれば、付属するソフトウェアに関しては両者に違いはないないということだ。
ワイヤレス機能
iPad ProとiPad Air 2の無線LAN機能は同じだ。両タブレットとも無線LAN規格の「IEEE 802.11a/b/g/n/ac」に準拠しており、デュアルチャネル(2.4GHzと5GHz)とMIMO(Multiple Input Multiple Output)が利用できる。「Bluetooth 4.2」も両製品で利用可能だ。
iPad Air 2では全てのモデルで携帯回線(4G LTEを含む)対応機能がオプションで用意されている。一方、iPad Proでは、携帯回線対応機能は128Gバイトモデルにしか用意されていない。
つまり、無線LANとBluetoothの対応に関しては両者に違いはないが、携帯回線機能を必要とする人にとってはiPad Air 2の方が選択肢が多いということだ。
カメラ
iPad Air 2とそれよりも新しいiPad Proは全く同じ前面カメラおよび背面カメラを搭載しているが、使い勝手の面で違いがある。iPad Air 2はカメラとして使うのには、実用上やや大き過ぎるという程度だが、iPad Proはカメラとしてはあまりにも大きくて使う気になれないだろう。
一方、ビデオ会議用としては大型ディスプレイを搭載したiPad Proの方が断然優れている。iOS 9が改良されたおかげで、「FaceTime」のビデオ画面を他のアプリの上で移動できるので、2つのアプリを動作させたままビデオチャットが行える。これはiPad Air 2でも可能だが、12.9型の画面では全体的に非常に窮屈に感じられる。
バッテリー持続時間
両製品ともバッテリー持続時間は長いが、iPad Proはこの分野で新たなレベルに到達している。ベンチマークツールのGeekBench 3でテストしたところ、iPad Air 2のバッテリー持続時間は平均で8時間41分だったのに対し、iPad Proのバッテリーはちょうど16時間持続した。
バッテリー持続時間ではAppleの最新・最大のタブレットに大きなアドバンテージがある。
結論
iPad ProとiPad Air 2にはそれぞれ得手不得手がある。どちらを選ぶかという判断は結局、タブレットの使用目的次第ということになる。
大型ディスプレイを備えるiPad Proは、2つのアプリを横に並べて表示するのに理想的であり、これまでのiPadで最も生産性の高いタブレットだといえる。この大画面とパワフルなスピーカーを備えるiPad Proは、動画を視聴するのにも最適だ。
一方、小型で軽量なiPad Air 2は電子書籍を読んだり、カジュアルゲームを楽しんだりするのに適している。持ち運びもずっと楽なので、アプリを横に並べたマルチタスキングを必要としないユーザーや、タブレットで動画をあまり視聴しないというユーザーには、こちらのモデルがお勧めだ。
タブレットをノートPCの代わりとして使うつもりだというユーザーは、iPad Proを真剣に検討すべきだ。9.7型のディスプレイでも本格的な使用に十分に耐える大きさだが、12.9型の方がより良い選択肢であることは確かだ。その逆もしかりで、軽作業用のコンピュータを求めているユーザーにとっては、iPad Proは日常的に使用するにはかさばり過ぎであり、この製品を選ぶメリットは少ないといえる。
とはいえ、寮や小さなアパートの室内でテレビとしても使えるタブレットを探している人なら、他にどんな用途で使うにせよ、iPad Proを選んだ方がいいかもしれない。
価格
16Gバイトのストレージを搭載したiPad Air 2の基本モデルの価格は499ドル(国内税別価格は5万3800円)。これは、韓国Samsungの「Galaxy Tab S2 9.7」などのクラスのデバイスに十分対抗できる価格だ。32Gバイトのストレージを搭載したiPad Proの基本モデルの価格は799ドル(9万4800円)で、Microsoftの「Surface Pro 4」などの大型ディスプレイ搭載モデルの価格に近い。
当然のことながら、iPad ProとiPad Air 2には大きな価格差がある。両製品ともストレージ容量の増加と携帯回線対応機能に応じて価格が上がるが、iPad Proは常にiPad Air 2よりも250~300ドル高い。つまり、iPad Proの追加機能の幾つかが必要だと感じるユーザーだけがiPad Proを選ぶべきだということだ。
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