大画面か、携帯性か、それが問題だ
徹底比較:高くても「iPad Pro」か、カジュアルに「iPad Air 2」か、選択の決め手は?(1/2 ページ)
ノートPCの代替にもなると期待されている12.9型「iPad Pro」だが、9.7型「iPad Air 2」に比べると、高性能な分だけ価格も高い。ビジネスユースかカジュアルユースか、タブレットの使用目的ごとに性能を比較した。
ハイエンドのiOS端末を買おうとしている人は、ディスプレイが9.7型の「iPad Air 2」と、12.9型の新しい「iPad Pro」のどちらかを選ばなければならない。iPad Proの方が画面が大きいだけでなく、プロセッサもはるかに高速でRAM容量も多いが、価格も格段に高い。
本稿では幅広い潜在ユーザーがベストな選択ができるように、両タブレットを詳しく比較し、比較項目ごとに選択のポイントを解説していく。
仕上がりとデザイン
iPad ProとiPad Air 2の大きな違いは明らかだ。iPad ProはiPad Air 2と比べて2倍近く大きく、かなり重い。スペックを見ると、iPad Proは305.7(高さ)×220.6(幅)×6.9(厚さ)ミリで、iPad Air 2よりも高さが約66ミリ、幅が約51ミリも長い。重さはiPad Air 2が400グラム台前半にとどまるのに対し、iPad Proは700グラム台前半だ。
iPad Proがこれほどかさばるのは、米Appleの前フラッグシップタブレットであるiPad Air 2のものより78%大きいディスプレイを搭載しているからだ。このことから、この2つの製品を比較検討する場合には、必ず次の問いに答えを出す必要がある。「ここまで大きな画面が必要か」
ディスプレイ
前述のように、iPad Proの方がディスプレイが78%大きい。実際、iPad Proのディスプレイの短辺サイズは、iPad Air 2のディスプレイの長辺サイズとほぼ等しい。
解像度にも同様の違いがある。iPad Proのディスプレイ解像度が2732×2048ピクセルであるのに対し、iPad Air 2は2048×1536ピクセルとなっている。ここで重要な留意点がある。解像度は違うが、どちらのモデルも画素密度は264ppiであることだ。これは、一方のディスプレイの方がはるかに大きいが、両者の画質はほとんど同じということだ。
Appleが、基本的にiPadの前のモデルよりも大きく高速なだけのモデルを、名前に“Pro”を冠してリリースしたことには批判もある。これに対して同社は、ディスプレイサイズの拡大により、iPad Proは従来モデルとは使い方が根本的に異なり、ユーザーの生産性を大幅に向上させると反論している。この主張には一定の根拠がある。
具体的には、「iOS 9」では、画面を2分割してマルチタスクができる「Split View」機能が導入され、画面に2つのアプリケーションをアクティブな状態で同時に開いておけるようになった。iPad Proではこの機能をフルに活用できる。例えば、分割画面の一方で「Microsoft Excel」スプレッドシートを開き、もう一方の画面に「Microsoft Word」ドキュメントや電子メールを表示するといった使い方に最適なプラットフォームとなっている。
この機能はiPad Air 2でも利用できるが、9.7型ディスプレイでは実用性が低い。iPad Proのディスプレイと比べればなおさらだ。iPad Air 2でマルチタスク機能を使うと、画面が狭苦しい。iPad Proでは、各分割画面がiPad Air 2のディスプレイ全体と比べてそれほど遜色ない大きさだ。そのおかげで、iPad Proはこれまでで最も生産性が高いiPadとなっている。
生産性以外にも、ディスプレイが大きい方が望ましい分野がある。それは動画の視聴だ。大画面を持つiPad Proは、間違いなく映画やテレビ番組を視聴するのにうってつけの端末だ。iPad Air 2もこの用途に適しているが、iPad Proはその上を行っている。視聴の邪魔になるキーボードがないだけに、従来のノートPCと比べても優れている。
一方、小さいiPad Air 2の方が使い勝手が良い分野もある。iPad Proは、最高の電子書籍リーダーとはとてもいえない。この用途には少しかさばるからだ。大型豪華本を眺めるようなものだ。これに対し、iPad Air 2は電子書籍を読むのにぴったりだ。また、カジュアルゲームの多くは画面が非常に大きいと、少し間が抜けて見える。例えば、パズルゲームの「Bejeweled」(8×8マスに敷き詰められた宝石を消していく)で宝石同士の間隔が25ミリ近くあるのは、理想には程遠い。iPad Air 2はこうしたゲームにももってこいだ。
iPad Proをテーブルに置いて使うときは、オンスクリーンキーボードが文字を入力するのに役に立つ。iPad Air 2でも同様だ。だが、両手で横向きに持つ場合の文字入力のしやすさでは、iPad ProはiPad Air 2に到底及ばない。オンスクリーンキーボードの幅が長過ぎて親指でタイプできない上、これまで提供されていた分割キーボード機能がiPad Proでは削除されたからだ。両手で縦向きに持てば親指でタイプできるが、iPad Proはかなり重く、持ちにくい。要するに、端末を持ってタイプするにはiPad Air 2の方が適している。
以上をまとめると、テレビを観ながらWebサイトを閲覧したり、休暇中に電子メールをチェックしたりするためのコンピュータを探しているだけの人には、ディスプレイが大きくてもあまりメリットはないだろう。iPad Air 2は、カジュアルに使うにはうってつけだが、生産性ツールとしてはいまひとつだ。これに対し、大画面のiPad Proは、生産性向上に役立つタブレットを求めている人にもってこいだが、動画の視聴以外のほとんどのカジュアルな使い方にはあまり向かない。
ボタン、ポート、スピーカー
iPad ProとiPad Air 2には、物理的なボタンは同じ最小限のものしか付いていない。いずれも、前面の大きなホームボタンが操作において多用され、指紋認証センサーとしても機能する。
iPad Proは前のモデルよりも大型化したにもかかわらず、Appleはメモリカードスロットやビデオ出力ポートなどの機能を何も追加しなかった。このことも批判を呼んでいる。これは無理もない。これらの機能は、米Microsoftの「Surface Pro 4」をはじめ、ビジネス利用を想定した他のタブレットの大半には標準装備されているからだ。
これに対してiPad Proは、iPad Air 2と全く同じポートを搭載している。中でも注目すべきはApple独自の「Lightning」コネクタだ。Lightningコネクタは、米Leef USAの「Leef iAccess iOS microSD Reader」や、Appleの「Lightning - Digital AVアダプタ」のようなアクセサリにより、人々が求める機能を追加するために使われる。だが、こうしたアクセサリで得られる機能は、iPad Proに内蔵されている場合ほど便利ではない。
iPad ProとiPad Air 2は、ボタンとポートに関しては同じだが、スピーカーはそうではない。iPad Air 2では、スピーカーは下面中央のLightningコネクタの左右に1つずつ、計2つあるが、iPad Proでは、4つのスピーカーがボディの四隅に配置されている。当然のことながら、そのおかげでiPad Proのスピーカーは音量が格段に大きくなり、映画やテレビを楽しむ手段としてのiPad Proの魅力に一役買っている。
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