プライバシー設定を巡る不安と現実
「Windows 10で個人情報がダダ漏れ」報道の真相(2/2 ページ)
機能とプライバシーのトレードオフ
Microsoftは、Cortanaや「Outlook」「OneDrive」「Skype」「Bing」などの機能やオンラインサービスを効率的に機能させるために、これまで以上にアクセス許可の権限を要求するようになった。この問題もメディアで騒がれているが、Windowsにとってはユーザーのために個人情報を収集し、ユーザーの好みを把握したりファイルを同期したりするのは必要なことだ。Microsoftは、こうした個人情報を利用のために収集したり保管したりすることはない。
例えば、Cortanaは悪意のあるキーロギングアプリではない。入力したり話したりした言葉のサンプルをパーソナライズされた辞書に格納して入力内容を推測し、自動修正するアプリだ。Cortanaを使って作成した予定の名称や位置情報などのデータについても同様で、IDやIPアドレスといった個人を特定できる情報は取り除く。
Windows 10も他のMicrosoft製ソフトウェアも、ターゲット広告を表示する目的でメールなどの通信内容やファイルをスキャンすることはない。ただしWindows 10では広告識別子(広告ID)を使用する。これによってMicrosoftの広告サーバが、ユーザーの使っている全アプリでその日1日を通じて見た広告を把握できる。
ユーザーについての個人情報は広告主には提供されない。ただし、ユーザーが興味を持ちそうな広告を見極めるアルゴリズムが使われる。広告IDはWindows 10のプライバシー設定で無効にできる。その場合、ユーザーには一般的な広告が表示される。広告IDの使用設定は、Windows 10の設定画面にある「プライバシー」の「全般」から確認できる。
現代のコンピュータやスマートデバイスのユーザーは、インターネットのサーバに接続してデータを共有することでサービスを利用している。クラッシュリポートやアプリの利用状況といった情報は、ユーザーの日々のエクスペリエンスの最適化に利用でき、共有には明らかなメリットがある。
全般的にほとんどのユーザーは、プライバシーやパフォーマンスが“犠牲”になるのには正当な理由があると感じるだろう。パーソナライズ性が強いサービスほど多くの情報共有を求められる。従って企業では、パーソナライズと生産性、情報共有の間の適切なバランスを見極める必要がある。
企業のセキュリティ部門は常に、特に取り扱いに注意を要するデータにアクセスする場合は、新しいOSやソフトウェアのリスク診断をする必要がある。オープンソースソフトウェアの「Wireshark」のようなパケットキャプチャーツールを使うと、パケットやマシンから出ていくデータを分析できる。
サービスを無効にしても正体不明のアドレスにデータが送信されていたり、送信目的が不明だったりした場合、そのパケットがネットワークから出て行く前に遮断しなければならない。Windows 10 Enterprise/Educationエディションのユーザーは、Windowsのテレメトリを「セキュリティ」レベルに設定し、Microsoftサービスへの他の接続を全て無効にすることで、WindowsからMicrosoftへの一切のデータ送信を阻止できる。
ソフトウェアベンダーは、収集するデータの内容と収集理由、保管方法、用途についても公開する必要がある。法務部門は裁判に耐えられるプライバシーポリシーを作成するとともに、一般ユーザーや管理者が情報に基づいて判断できるよう、分かりやすい簡易版も作成すべきだ。
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