互換性とプライバシーに懸念
「Windows 10」問題は数年後にやってくる Edge互換性、プライバシーなど山積(1/2 ページ)
注目の「Windows 10」だが、移行にまつわる問題はあらゆるOSと同様に存在する。“人柱”になった米国の先行ユーザーは、互換性とプライバシーの問題を指摘する。
「Windows 10」の一般提供から数カ月が経過した。恐らく米MicrosoftによるWindows 10の宣伝を耳にしたり、Windows 10の機能に関する特集記事を読んだりしたことがあるだろう。だが、実際に使用しているユーザーはどのように感じているのだろうか。
初期の普及率から考えると、文句の付けようがない製品を想像するかもしれない。だが実際のところ、Windows 10には問題がある。
併せて読みたいお薦め記事
「Windows 10」移行時の課題とは
- “無料OS”「Windows 10」を怪しむ人たち
- 見過ごせない「Windows 10」の互換性の問題、本当に大丈夫?
- 今さら聞けない「Windows 10」への無料アップグレード つまずかないための手順と注意点
「Microsoft Edge」を詳しく知る
まず、新しいOSに移行する際にはお決まりの、頭が痛くなるような問題が付きまとう。Windows 10の場合もそういったあらゆる頭痛の種から逃れることはできない。次に、プライバシーの懸念と新しいWebブラウザの問題もある。新しいブラウザは、Microsoftの「Internet Explorer」(IE)のAPIと上手く連係しない。その一例が「Microsoft Silverlight」だ。大きくつまずくことがないように、本稿では一部のブロガー達が経験したWindows 10の問題について解説したい。
移行は困難
クライアントPCを新しいOSに移行するのは決して容易でない。米Kroll Ontrackの「DataBlog」に記事を投稿しているマッシモ・マッツァ氏によると、移行を検討する際に留意すべき重要な注意事項は4つあるという。
第1に、新しいOSは従業員が使用している全てのハードウェアと互換性がなくてはならない。ノートPC、デスクトップPC、プリンタ、外付けHDDなど各種ハードウェアが対象になる。第2に、ソフトウェアやアプリとも互換性がなくてはならない。ユーザーがアプリにアクセスできなかったり、開発者が新しいアプリを開発しなくてはならないとしたら、将来的に大幅なダウンタイムが生じる恐れがある。第3に、セキュリティを忘れてはならない。現在使用しているOSのサポート期限が切れるタイミングを把握しておこう。それまでにOSの移行を終える必要がある。最後に、コストに留意しなければならない。新しいOSには新しいライセンスが付属しているだろう。だが、新しいハードウェアを購入したり、サードパーティーのサポートを得なければ、全てを稼働させて運用することができない可能性もある。その全てでコストが発生する。
移行中のリスクを軽減したければ「決断を下す前に新しいOSで運用環境をテストし、さらに全てのバックアップを取っておかなくてはならない」とマッツァ氏は述べる。それから、初期不良などの問題が出尽くすの待ってから新しいOSを採用するという時間を掛けた着実なアプローチを取ることも可能だ。
また、米TechTargetの「Computer Weekly」の編集長を務めるブライアン・グリック氏は、「Microsoftのライセンス契約は時代遅れ」だとグリック氏は指摘している。同社のライセンス契約は3~5年契約のモデルをベースにしているが、このモデルに企業のIT部門が従うことはもうない。IT管理者は投資に対する利益を1~2年以内に見込めなければならないからだ。
Windows 10の最優先課題はプライバシー
このような指摘があるくらいではWindows 10に移行する気持ちが揺るがない場合でも、正真正銘のプライバシー問題がWindows 10への移行に待ったをかけるかもしれない。
Windows 10はデフォルトでMicrosoftのサーバと通信を行うようになっている。その通信内容にはプライバシー情報の送信も含まれる。問題を深刻にするのは、設定を変更しても役に立たないことだとシャイカ・ラフィア氏は「WCCF Tech」に投稿したブログ記事で述べている。Windows 10はキーボードから入力したデータを一時ファイルに保存し、そのファイルを暗号化して30分ごとに3台のサーバに送信する。つまり、ユーザーのパスワードの安全性は確保されていない。ユーザーが「Microsoftアカウント」にログインしていない場合でも、Windows 10はデータを送信する。
これらの問題は、まだ序の口だ。Windows 10は、カメラのデータと音声データを送信する。音声データは、Microsoftの「Cortana」をオフにしている場合でも送信される。ユーザーがスタートメニューに入力したデータは全てMicrosoftに送信される。また、プロキシサーバを使用して情報の流出を阻止しようとしても無駄だ。Windows 10はプロキシサーバを迂回できるコンテンツデリバリネットワークにリクエストを送信している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー